『あなたの番です』最終回目前企画:西野七瀬の黒幕説を検証 黒島の周りに散りばめられた「嘘」

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2019年09月05日 10:01  リアルサウンド

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西野七瀬『あなたの番です-反撃編-』(c)日本テレビ

 2クールに渡ってセンセーショナルな事件を描いてきた『あなたの番です』(日本テレビ系)が、ついに最終回を迎える。最終回直前の19話でも新たな疑問が次々と投げかけられ、依然、犯人のめどは立っていない。SNSなどでは、自身で考察した内容を投稿したり、その内容に対して活発な議論が行われたりと、ドラマの放送時間以外にもネットを中心にブームを巻き起こした。今回は、当初から特に怪しいと注目されていた黒島沙和(西野七瀬)について掘り下げていきたい。


【写真】二階堂を懐柔する黒島


 黒島は、主要登場人物にそれぞれ犯人説が浮上する中、決して無視できない存在感を放っている。もともとDV男と交際しており、常に包帯をしていた背景もあり、序盤では被害者として描かれてきた。しかし途中から黒島の怪我はなくなり、口数が増え明るいキャラクターに変化していく。「反撃編」に突入後は、キウンクエ蔵前に引っ越してきた二階堂忍(横浜流星)と紆余曲折ありつつ交際を始めた。そんな黒島のまわりには怪しい点が多く存在している。


 まず、物語の核となる交換殺人ゲームで引いた紙と書いた紙で嘘をついていたこと。さらに、歴代交際してきた男性が全員死亡していること、黒島をストーカーしていた人物が自分は連続殺人を犯した犯人だと証言したダイイングメッセージがあること、南(田中哲司)が追っている殺人事件の舞台である高知出身であることなど、「殺人に関わる事柄と近い場所にいる」のだ。


 さらに住民からもいくつかの証言が得られている。尾野(奈緒)からは、菜奈(原田知世)が病院に運ばれた際に黒島が病院内の廊下を歩いていたのを目撃したので、黒島が菜奈を殺した犯人ではないかと言われた。久住(袴田吉彦)も、黒島が交換殺人ゲームで引いた紙は「赤池美里」のものだったと告白し、黒島の嘘が暴かれたのだ。これらの証言により、黒島は視聴者からの信頼を一気に失っていった。これまで犯人探しの仲間として、翔太(田中圭)や二階堂と情報交換し合っていたにも関わらず、嘘をついたり隠し事があることが他人の口から語られると、黒幕を疑ってしまう。


 また、「反撃編」に入ってからの犯人探しは翔太らの推理だけにとどまらない。二階堂が駆使するAIも捜査に加わるのだが、その肝心のAIが犯人として指している人物もまた、黒島なのである。


 さらに疑うべきは、仲間である二階堂を懐柔している点である。二階堂は、黒島に好意があるゆえAIの結果を信じられずにいた。理系で論理的な思考に強い二階堂の気をわざとひいて、感情的にさせ、事態を煙に巻く気だったのではないか。こうした人間関係の駆け引きを感じさせるシチュエーションは二階堂が初めてではない。黒島は、自身をストーカーしてきた内山(大内田悠平)を野放しにし、さらに前の恋人はDV男である。必ずしも本人に問題があるとは言い切れないが、正常な人間関係を結んでこなかった背景があることから、黒島には何か大きな秘密があるのではないかと勘ぐってしまう。二階堂を味方につけていることで、19話の最後に二階堂が翔太の首を絞めたことの説明がつく上に、首絞めシーンの当事者である翔太と二階堂を犯人としない場合に、黒島が犯人としてもっとも納得できる人物なのだ。


 ここまで怪しい点が多くありながら、その伏線回収が最終話まで残っている時点でも犯人として名前を挙げられる理由の一つだろう。こうした疑念が重なり、黒島は犯人である線が濃厚だ。


 これらの推理の結果は、9月8日に放送される『あなたの番です-反撃編-』最終話ではっきりするだろう。視聴者はこうして、一連の事件の犯人が誰であるのかを考えることでより深く本作を楽しめる。もしも、まだこの交換殺人ゲームの犯人探しに加わっていないなら、最終回を迎える前にぜひ自分の中で怪しいと思う人物を考えてみてほしい。


(Nana Numoto)


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