乃木坂46『筒井あやめ 制服コレクション』に見る制服の変遷 時代の潮流にあわせたデザイン性

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2019年09月08日 13:11  リアルサウンド

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『夜明けまで強がらなくてもいい 』(Type-B)

  乃木坂46の24thシングル『夜明けまで強がらなくてもいい』のリリースを記念して、「筒井あやめ 制服コレクション」と題した特設サイトを公開した。


参考:乃木坂46ドキュメンタリー撮影で見えたグループの裏側とは? 岩下力監督インタビュー


 「筒井あやめ 制服コレクション」は、4期生の筒井あやめが乃木坂46の全シングル衣装の制服を着用し撮影した画像を多角的に楽しめるサイト。2012年リリースのデビューシングル『ぐるぐるカーテン』から、順に5作品ずつの制服が公開され、現在は最新シングル『夜明けまで強がらなくてもいい』までの24作品分の制服を観て楽しむことができる。乃木坂46は5thシングル『君の名は希望』まで、制服が3、4パターン存在しており、筒井は今回の撮影で一度に50着以上もの制服を着用したという。また、サイトでは1着に対して、前、後ろ、右、左と様々なパターンで鑑賞することが可能。筒井をクルクルと回転させている内に、「同じシングルでも1パターンだけ腰回りがタイトになっている」「パターンによってエンブレムの位置が違う」といったディテールの違いに気づくはず。「ぐるぐるカーテン」から順を追って筒井を回していくと、膨大な時間が過ぎていく、なかなかに恐ろしいコンテンツだ。


 筒井はグループ最年少、2004年生まれの15歳。乃木坂46デビュー当時、8歳だった筒井が乃木坂46の歴史とも言える制服を着用することは、グループの節目と新世代の台頭を感じさせる。アイドルにとって、制服はグループのイメージを形づける重要なアイテムだ。例えば、AKB48の制服と言われれば、多くの人が赤いタータンチェックの衣装を思い浮かべるだろう。AKB48のカウンターとして乃木坂46が衣装に打ち出したのは、「私立校のお嬢様」「トレンドを反映したファッション性の高さ」「華やかさ、品の良さ」といったイメージ。公式コメントの中で筒井も触れているが、スカート丈に注目していくと、4thシングル『制服のマネキン』までは膝が出ているが、『君の名は希望』で初めて膝が見えなくなり、15thシングル『裸足でSummer』以降はロングスカートに。スカートを棚引かせて踊る23rdシングル『Sing Out!』は特に丈が長い印象だ。


 とは言ったものの、「制服コレクション」で公開されている制服を着て、メンバーが歌い踊ることはほとんどない。説明すると、「制服コレクション」の衣装は『乃木坂工事中』(テレビ東京系)などの収録で着ている「制服衣装」。音楽番組に出演する際にパフォーマンスする衣装は「歌衣装」と、別々に用意されている。歌衣装に関しては、「Sing Out!」で着ていた紫のロングスカートが最もイメージしやすいのではないだろうか。ほかにも、ユニット楽曲毎や『NHK紅白歌合戦』など音楽特番のために用意された歌衣装と、その数は膨大。今年1月に開催された企画展『乃木坂46 Artworks だいたいぜんぶ展』では、これらほとんどの衣装が圧倒的物量で展示されていた。


 話題を再び、制服衣装に戻す。「制服コレクション」を観ていて気づくのは、セーラー服やブレザーといった学生服のデザインを踏襲した初期の制服から、徐々にファッショナブルな衣装へと変化していっていることだ。10thシングル『何度目の青空か?』は当時トレンドだった緑とチェック柄を合わせたデザイン。えんじ色のカラーとテーラードジャケット型の13thシングル『今、話したい誰かがいる』には大人な雰囲気が漂う。夏曲と呼ばれる21stシングル『ジコチューで行こう!』は、ヴィンテージマリンがテーマ。『Sing Out!』は、清楚さを持ち合わせたトラディショナルな雰囲気を意識したとMURRALデザイナーの村松祐輔氏はTwitterにて明かしている。


 清楚といった乃木坂46のセオリーを守りながら、メンバーの成長と時代の潮流に合わせた制服の変遷が「制服コレクション」では見えてくる。(渡辺彰浩)


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