BTCCイギリス・ツーリングカー選手権のフロントランナーで、前戦スラクストンでも勝利を飾っているサム・トルドフが、今週末9月13〜15日に開催される第8戦ノックヒルへの参戦を見合わせると発表。その代役を、元ドライバーで現在はプログラマーでもあるマイク・ブッシェルが務めることがアナウンスされた。
イギリス国内で展開されるカーディラー網を束ねる実業家でもあり、かつては名門ウエスト・サリー・レーシング(WSR)に所属したトルドフは、そのBMW125i Mスポーツでタイトル争いを繰り広げた。
その後、1年の休養を経て2018年にはモーターベース・パフォーマンスからシリーズに復帰すると、今季はホンダ陣営にスイッチしたAmD.comに移籍。ここまでドライバーズランキング9位と奮闘を続けてきた。
そのトルドフは、この週末の第8戦を急遽欠場することに至った経緯に関して、所属チームCobra Sport AmD AutoAid/RCIB Insuranceのステートメントを通じて次のように記している。
「私と妻のジョージナは、この世に生まれてきてくれた美しい男の子、アーロジョージが土曜日の午後に穏やかに息を引き取ったことについて、心を痛めています」
「9月2日の月曜日に無事、私たち夫婦の元にやってきてくれた彼は、残念なことに腎臓が適切に形成されなかったことが明らかになりました。そして何よりも悲しいことに、現時点ではどんな治療法や医療措置でも、彼の命を救うことができませんでした」
「私たち夫婦はこの現実に心の底から憔悴していますが、それと同時に、この完璧な男の子と過ごした貴重な日々に心から感謝しています。この心痛極まる時間に、どうか我々のプライバシーにご配慮いただくよう、お願い申し上げます」
チームはこの困難な時期にトルドフの意向を最大限尊重することを決め、週末に向け彼の代役としてブッシェルを起用。彼は2015年シーズンにはAmDからシリーズにフル参戦したキャリアを持つと同時に、2013年のここノックヒルでBTCCデビューを飾っている。
「サムと、その家族は、マイクこそがもっとも自然な選択肢で最適な人物だと話している」と、トルドフの意思を明かしたチーム代表のショーン・オランビー。
「FK2型ホンダ・シビック・タイプRを導入した今シーズンは、チーム全体が明らかに大きな前進を遂げており、過去10カ月にわたってサムこそがチームの進化に不可欠な存在だった」と続けたオランビー。
「サムの仕事に対する強い意欲とコミットメントがなければ、チームは今のように強力な競争力を発揮するポジションにはいなかっただろう。今回、代役に選出されたマイクはサムが最初に選んだドライバーだ。もちろん彼とはシーズンを通してともに働いた経験もあるからね」
「リザルトに関して、マイクにはいかなるプレッシャーもない。今週末の優先事項は、この困難な時期にサム、ジョージナのトルドフ一家に敬意を払うことなんだ」
ブッシェルは2018年シーズンにTeam HARDのフォルクスワーゲンCCをドライブしており、それ以来のBTCC参戦となる。そして何より、トルドフとその家族に、お悔やみと深い哀悼の意を捧げたい。