ETRC第5戦:帝王ハーンが圧巻の連続ポール。しかし日曜は天候不良でキャンセルに

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2019年09月17日 19:11  AUTOSPORT web

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週末も連続ポール獲得を決め、前人未到6度目のタイトルに向け視界良好のヨッヘン・ハーン
トラックヘッドによる欧州格式のFIA選手権、ETRCヨーロピアン・トラック・レーシング・チャンピオンシップの2019年シーズン第5戦モストが8月31日〜9月1日に開催され、ヨッヘン・ハーン(Hahn Racing/IVECO)がポール・トゥ・ウインを含む土日連続ポールで今季9勝目を飾り、地元チェコ共和国の英雄、2017年王者のアダム・ラッコ(Buggyra Racing/Freightliner)を圧倒するドライビングを見せた。

 シリーズ5度のタイトル獲得経験を持ち、トラックヘッド界の"帝王"として君臨するハーンは、唯一のボンネットキャブ型となるFreightlinerに乗る地元のエース、ラッコの抵抗を0.077秒差で退け、土曜午前の予選でシーズン8度目のポールポジションを確保した。

 土曜午後のレース1スタートでも危なげなくホールショットを決めた帝王は、そのままラッコを従えて11周のレースを走破。その2台の後方では、FIAからも「欧州格式選手権で最も成功を収めている女性ドライバー」と称されるシュティフィ・ハルム(Team SchwabenTruck Racing/IVECO)と、同じくドイツ人のサッシャ・レンツ(SL Trucksport30/MAN)が激しいポディウム争いを展開。

 3番手を行くレンツに対し、執拗にプレッシャーをかけ続けたハルムの執念が勝り、レンツのSL Trucksport30のMANはパンクからステアリング系統に損傷を来し、チェッカーを受けることなくリタイヤに。

 これでハルムが3位表彰台を獲得し、4位にアントニオ・アルバセテ(Trucksport Lutz Bernau/MAN)、そして最後のトップ5スポットには、ノルベルト・キス(Tankpool24 Racing/Mercedes-Benz Trucks)のフラングスタート・ペナルティによりポジションを上げたホセ・ロドリゲス(Reboconort Racing Truck Team/MAN)が入っている。




 続くリバースグリッドのレース2は、予選スーパーポール進出を逃して11番手からのレースを強いられていたレネ・ラインアート(Reinert Racing/IVECO)が、セミリバースの3番グリッドから躍進。オープニングラップの数コーナーで首位に浮上すると、追走するアントニオ・アルバセテ(Trucksport Lutz Bernau/MAN)やラッコを老獪な技術で抑え込んでいく。

 中盤にはその集団に帝王ハーンが加わり、4台による優勝争いが繰り広げられるも、5月のイタリア・ミサノ戦以来のシーズン2勝目を目指すラインアートは、緊迫の攻防をしのいでトップチェッカー。5番グリッドから浮上してきたアルバセテと地元のヒーロー、ラッコを従えての勝利を飾っている。

 明けた日曜午前のスーパーポール・セッションでも、ハーンの速さは衰えることを知らず、ラッコをコンマ5秒も突き放して週末連続ポールを獲得。今季9度目のポールを決めるも、アウトドローモ・モストの上空には前線が停滞し、晴れ続きだった会場に大雨が襲来する。

 それでも現地14時10分からのレース3はイエローフラッグ・コンディションで定刻通りのスタートを切ったが、3周目にはグリップを失った数台のトラックがターン3のグラベルに沈んだため、レースコントロールは赤旗を掲示。

 大ベテランのアルバセテも「こういうコンディションでは、ドライバーは得てして"ただの乗客"にならざるを得ない」というほど路面状況が悪化し、マーシャルらの努力の甲斐なくそのままキャンセルとなった。

 このイベントキャンセルを受けてなお、前人未到シリーズ6度目の戴冠に向けリードを積み重ねたハーン。続くETRC第6戦は、9月14〜15日にベルギーのゾルダーを舞台に争われる。

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