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ジムのインストラクターでも残暑に「自宅熱中症」…内科医に聞く、原因と対策

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2019年09月17日 22:01  ウートピ

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ウートピ

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ひとり暮らしの女性が、自宅の部屋で熱中症で倒れた事例を紹介しています。これまでに、次の記事で、室内で注意する場所とその理由、ひとり宅飲みの熱中症の危険性などについてお伝えしました。

熱中症は自宅で起きている…内科医が答える傾向と対策
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どちらも多くの方に読まれています。「残暑のころはもちろん、大雨や台風後のフェーン現象による酷い暑さに見舞われやすい9月も注意が必要」と話すのは、内科医で泉岡(いずおか)医院(大阪市都島区)の泉岡利於(としお)院長。ひきつづき、熱中症の体験談に、解説とアドバイスをお願いしました。

9月は台風や大雨で室内も高温、高湿度が続く

泉岡医師はまず、残暑の時期の熱中症について、次のように注意を呼びかけます。

「9月になると冷房をオフにする人が増えますが、都心部の街中では、昼間は夏真っ盛りというほど高温、高湿度が続きます。朝晩は8月より少し不快感が軽減されますが、同時に、朝と昼の気温差が大きくなるため、自律神経のバランスが崩れて夏の疲労症状が現れる時期でもあります。意外に思われるかもしれませんが、真夏を乗り切った後の残暑のころに、夏バテ、熱中症、過労に陥るケースは多いのです」

これまでの記事でくり返し述べていますが、熱中症で救急搬送された人の発症場所は、「住居(敷地内含む)」の割合が例年約40〜50%。道路や交通施設、公園、会社などに比べてもっとも多い」ことが消防庁によって報告されています。

台風や長雨、大雨だと自宅ではすべての窓を閉め切って過ごし、天気が回復した後は空気の入れ替えで窓を開放します。9月はその状態をくり返すことが増えます。

泉岡医師は、「窓を閉めているときはもちろん、明けていると熱風と湿気が室内に入ってきますから、冷房を入れないと室内温度が上昇して危険です。内科の現場では、救急搬送されない軽症や中等度の熱中症、夏バテ疲労は数知れません。これまで、日本の暑さは彼岸までと言われてきましたが、近ごろの天候からして、都心部では5月の連休から10月下旬ぐらいまで注意が必要というのが現実です」と話します。

熱中症の知識には詳しいはずが…まさかの発症

次に、女性読者の経験談と、泉岡医師による解説をご紹介しましょう。

Ⅾさん 31歳 スポーツジムインストラクター
運動が好きでいまの職業に就いています。職場で熱中症対策の研修は何度も受けていますし、学生時代からスポーツ部だったのでケアには詳しいと思っていました。

2年前の9月の中旬の長い雨がやんだ日、朝から頭痛がして体が重いなあと思いながら出勤しました。その日は久しぶりの晴れ間ということもあり、屋外に出てお客さんのジョギングの伴走をすることになりました。30度を超えているのでつらいなあと思いつつも、8月よりはきつくないだろうと話しながら、1時間近く走りました。

お客さんには水分補給を常に勧めるのですが、私はインストラクターなので、お客さんの前ではスポーツドリンクや水を飲むことはしません。休憩中に裏で飲んでいます。その日は体調が良くなかったからか、走り始めかからのどが渇くなあと思っていました。

帰宅して座ると、熱っぽい。食欲がないし汗もかいていないので夏風邪かなあと思い、熱いお茶を2杯ほど飲んで、熱めのお風呂につかってから早めに寝ました。ベッドの位置は窓ぎわです。風邪だと思ったので冷房も扇風機もつけずに、防犯のために窓は閉めて、なんだか胸が気持ち悪いなあと思いながら、うちわであおぎつつうとうとしていました。

1時間ほど経ったころでしょうか、足がつって痛くて目が覚め、さすっていると吐き気がしてトイレに行き、めまいがしてぐらぐら、視界が白くなったように感じました。いままでにない経験で混乱したのですが、たまたま友人から電話があってなんとか出たところ、「ろれつがおかしい」と指摘され、救急車を呼んでくれました。玄関まで壁をつたって歩き、カギを開けました。意識はかろうじてあり、病院で点滴を受けて2日間入院しました。まさかの熱中症、恐怖体験でした。

原因は脱水、熱い風呂とお茶、風邪気味、過信

泉岡医師のアドバイス
仕事中にのどの渇きを自覚されているようですが、伴走中に水分補給をしなかったとのことで、体内の水分を失っていた、つまり脱水状態だったと思われます。風邪の症状があったかもしれないところに、炎天下の運動と脱水で、体調がどんどん悪化したのでしょう。

さらに帰宅後の熱いお茶や風呂で体温が上昇したところに、冷房も扇風機もつけなかったことで熱中症の症状が現れたと考えられます。窓ぎわは住居の中でも温度が上がりやすく、寝るスペースとしては適しません。移動が難しい場合は、眠りにつく前から冷房で温度と湿度を下げておきましょう。

熱中症ケアの知識を持っておられるそうですが、運動をする仕事中に水分補給をしないのはもっとも危険です。職場で、誰もが常に水分補給をするよう、推奨してください。

また、スポーツが好きな人は体力に自信があるからか、「まさか自分に限って」と思われる事例は多いのです。過信にならないように、むしろ重々に注意する必要があるでしょう。

また、熱中症が軽症の時点では夏風邪と間違う患者さんはとても多くいらっしゃいます。ご友人からの電話がなければ、危ないところだったと思います。ためらわずに救急車を呼んでください。

室内で汗をかかなくても、のどの渇きを覚える前に水分補給を

泉岡医師はさらに、「室内でも水分補給が必要」だと強調し、その理由を次のように伝えます。

「ヒトの体は汗をかいていなくても、無自覚ですが、呼吸や皮膚から水分を失っています。息をはーっと吐くと、水蒸気が出るでしょう。これを不感蒸泄(ふかんじょうせつ)と言い、体重が60圓凌佑平熱で気温28度の環境に1日いた場合、約900ミリリットルもの水分を失っている、また、体温が1度上がるごとに約200ミリリットル増加で脱水するという報告があります。

毎日、無意識の間に500ミリリットルのペットボトル2本近くの水分が自分の体から失われていることを覚えておきましょう。

水分補給のコツは、『のどが渇いたと感じる前に、こまめに飲む』ことです。のどの渇きを自覚したときは、かなり脱水しています。夜間はトイレに目が覚めるのが嫌で飲まない人も多いのですが、脱水のほうが危険ですから、寝る前や就寝中に目が覚めたらコップ1杯の水を飲みましょう」

さらに泉岡医師は、自宅熱中症を予防するポイントについて、こうアドバイスをします。

自宅熱中症は、おもに冷房をつけないで部屋が高温、高湿度になっていることや、水分補給不足で脱水症状であることが原因で、また引き金となって発症します。さらに、風邪や睡眠不足、疲労、ストレス、無理なダイエットなどで体力、免疫力が落ちているときはより注意が必要です。

熱中症は若い世代にも急に起こることがあるため、とくにひとり暮らしではセルフケアを実践しないと危険なのです。就寝中を含めて終日、部屋の気温と湿度を快適に保ち、水分補給を怠らないようにしてください」

仕事中であってもお客さんの前であっても、汗をかいていなくても室内でも、こまめに水分補給をする必要があるということです。また、自宅の気温と湿度には常に注視し、体温を上げすぎない工夫をしながら、寝る場所に気を付けて、高温高湿度下の体調コントロールを試みたいものです。泉岡先生、3回に渡り解説をありがとうございました。

(構成・文 品川 緑 / ユンブル)

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