坪田義史監督最新作『だってしょうがないじゃない』11月公開 リリー・フランキーらのコメントも

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2019年09月18日 17:02  リアルサウンド

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『だってしょうがないじゃない』

 坪田義史監督の最新作『だってしょうがないじゃない』が11月2日に公開されることが決定した。


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 本作は、発達障害を抱えながら独居生活を送る叔父の日常を、発達障害と診断された映画監督が3年間撮り続けたドキュメンタリー映画。精神に不調をきたした映画監督・坪田が、発達障害を持ちながら一人暮らしをする親類の叔父(まことさん)がいることを知る。坪田は衝動的にカメラを持ってまことさんに会いにいく。坪田はまことさんとの交流を深めていく中で「親亡き後の障害者の自立の困難さ」や「障害者の自己決定や意思決定の尊重」「8050問題にともなう住居課題」などの問題に直面していく。


 公開されたポスタービジュアルには、現代美術家の篠田太郎が手がけた『Untitled (月面反射通信技術のプランドローイング)』が描かれている。


 なお、本作は10月3日から開催される釜山国際映画祭のWIDE ANGLE部門でのワールドプレミアも決定。本作をいち早く鑑賞したリリー・フランキー、詩人の谷川俊太郎、映画監督の諏訪敦彦からコメントも寄せられた。


■コメント一覧
●リリー・フランキー
幸福というものを求めて、前に前にと歩んできた僕らは、もしかしたらとっくにその場所を通り過ぎていたのかもしれない。この映画を観て、何故だかそう思った。


●谷川俊太郎(詩人)
見終わった瞬間、これからまことさんはどうするんだろう、どうなるんだろうと、他人事でなく心配になりました。映画のリアルと私自身の日々の現実がシンクロしたんです。


●諏訪敦彦(映画監督)
誰かを撮影したいと思い、カメラを向けることは、それがどんな相手であってもある種の愛の行為であると私は思う。その笑顔に魅せられて「彼の見る世界を知りたくなった」と人間味に満ちた友情の物語が紡がれてゆくが、ふと物語が消え、カメラが立ち尽くし、黙ってただ彼を見つめるしかない瞬間が何度も到来する。その時カメラが発見しているのは決して語ることのできない何かである。カメラは語るのではなく、ただすべてを肯定するのだ。そしてその何かが知らぬ間に成長し、ドキュメンタリーとかフィクションも関係なく、信じがたい純粋なイメージとなって立ち上がる瞬間が訪れる。まことさんはひとりである。そしてまことさんはひとりではない。そのことを私たちは知る。それは恐ろしくも美しい映画の結晶のような瞬間だった。


(リアルサウンド編集部)


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