財前直見が考える終活「死んだ後のゴミまで含めて、自分の人生に責任を持つ」

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2019年09月20日 08:00  週刊女性PRIME

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財前直見さん(53)

 今クールは『Heaven? 〜ご苦楽レストラン〜』に出演。9月30日から始まる朝ドラ『スカーレット』では、ヒロインの幼なじみの母親役。出演ひっきりなしの財前直見さんだが、実は12年前から大分の実家で暮らしている。

「当時9か月の息子を、自分の育った環境で育ててあげたかったんです。今は仕事があるときだけ上京し、年の約3分の1が東京かな? 大分では父が育てた野菜を一緒に収穫したり、それを料理したり。1日中、漬物用のきゅうりを刻んでいることも。息子のPTA活動もやっていました。台本を読み返すこともありませんし、女優のかけらもない生活です(笑)

 先祖代々受け継いできた畑は、約1800坪! さらに、財前家の墓地に建つ『財前家宝塔』は国と県の重要文化財。観光バスも立ち寄るというから驚きだ。

残されたものの山に困惑

 そんな財前さんは'16年、『終活ライフケアプランナー』『シニアピアカウンセラー』など6つの資格を取得。今年の5月には終活に関するトークショーも行った。

「きっかけは息子を塾に通わせようと思って。自分も勉強する姿を見せることで、自然に行ってくれるかなと思ったんです(笑)」

 最初は『メンタル心理カウンセラー』など心理系の資格の勉強から入ったが、その後、終活に関する資格へとシフト。

「両親も近所の人も、みんな高齢になってきて。亡くなった後に銀行口座がおろせなかったとか、遺体をほったらかしにしてみんなで遺影の写真を探したとか。そんなリアルな話を聞くことが増え“何かお役に立てるとしたら、これかな”と思ったんです」

 10年前に義理の母親が亡くなり、残されたものの山に困惑した経験も。

「絵画や掛け軸、着物……捨てていいものなのか、大切なものなのかがまったくわからなくて。残酷だけど、本人が好きだったものも、残された人の趣味じゃなければいらないものになってしまう。それではものたちもかわいそう。だったら、事前に“これは価値のあるものだよ”“先祖代々受け継いでいる大切な品だよ”など書き残してくれていたら、と思いました

 それはものだけに限らず、宗教や家紋、地域のしきたりなどにも及ぶ。

「例えば大分の地域にもよりますが、葬式も結婚式のように出欠を取り、1万円以上の御膳を出してもてなします。親を最期に送り出すとき、そんなしきたりを知っているのと知らないのとでは大違い」

 だからこそ、あらかじめ伝えておくことの重要性を財前さんは説く。

エンディングノートでもいいんですが、私がいざ書こうとしたら、死に直結することばかり。今、すごく元気なのに、“棺に納めてほしいもの”とか。とにかく書きづらかったんです。そして、書いたことがそのまま決定打になりそうな怖さも感じました」

 とはいえ、誰もがいつ亡くなるかはわからない。

「私がいま亡くなったとして、私の葬儀や遺産相続などを年老いた両親や中学生の息子にできるのか? それは無理だし、かわいそう。亡くなって悲しい思いをしてるうえに、何がどこにあるかもわからない不自由な生活をさせるわけにはいかないですよね」

自分の人生に最後まで責任を

 そこで財前さんが考案したのが、“ありがとうファイル”だ。

大切なものは何でもコピーして、100円ショップのファイルに入れておけばいいんです。例えば、お財布の中のクレジットカードや免許証、健康保険証。さらには、貯金通帳や保険証書なども。パスワードなども紙に書いてファイルへ。もちろんお金のことだけじゃなく、ものの所在や価値、誰とお付き合いがあったかなども。私は、息子のお嫁さんになる人に引き継いでもらいたい家庭の味のレシピも入れてます」

 エンディングノートとの違いを尋ねると、

大切なものがひとつにまとまっていますし、いまの生活に役立ちます。災害にあったときに持ち出せば、いろんな問い合わせもできる。何よりファイルなので、気が変わったら書き直して入れ替えればいいんです」

 ありがとうファイルは旅立つ人、残された人が互いに“ありがとう”と言い合える、愛あるものだと財前さんは語る。

「やっぱり“自分の人生に最後まで責任を持つ”ってことだと思うんです。死んだ後のゴミまで含めて。そうでないと、息子や親など誰かにやらせることになってしまう。それは愛情がないなと、私は思います」

《PROFILE》
ざいぜんなおみ。女優。1984年デビュー。大分県在住。『お水の花道』シリーズほか、『ごちそうさん』、『おんな城主 直虎』などヒット作に多数出演。9月30日スタートの朝ドラ『スカーレット』では大野陽子役

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  • そこまで責任を持つ必要はない。自分の死体(要は可燃ごみ)には責任は持てないし。
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