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“聖域”に潜入! 浅草ロック座に新宿LOFT…楽屋ってどんなトコ?

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2019年09月23日 17:00  AERA dot.

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写真新宿LOFT/1976年に東京・西新宿に開業、99年に歌舞伎町に移転したライブハウス。近年はアイドルのライブも多く、まねきケチャも月に1度出演している。 (撮影/写真部・東川哲也)
新宿LOFT/1976年に東京・西新宿に開業、99年に歌舞伎町に移転したライブハウス。近年はアイドルのライブも多く、まねきケチャも月に1度出演している。 (撮影/写真部・東川哲也)
 本番を前にした演者が、最後に己と向き合う場。荒ぶる心を静めたり、逆に気持ちを昂(たか)ぶらせていく。極めた者しか入れない聖域はどういう場所なのか。

【写真】ストリップの殿堂「浅草ロック座」の“聖域”に潜入!

*  *  *
 新宿末廣亭の楽屋は、高座(舞台)のすぐ隣にある。そのため古今亭菊之丞さんは、

「一番緊張する寄席です。高座での噺が、楽屋の大看板(大御所落語家)に全部聞かれるんですから」

 昔は大看板たちが楽屋の火鉢を囲み、時に酒を飲みながら、大声で話をしていたという。

「高座にまで、『下手くそ』『こりゃひどいわ』という声が聞こえたりして。気を取られずにお客さんに集中しないといけません。鍛えられますよ」

 と厳しい環境に感謝する。

 気象予報士の崎濱綾子さんは、地元放送局のお天気おねえさん時代に一念発起。合格率5%という難関の試験に6度目の挑戦で合格し、本番前に予報を作る喜びを感じている。アイドルグループ「まねきケチャ」の中川美優さんは、デビュー前に新宿LOFTでバンドのライブを何度も見た。そのためLOFTの楽屋に入り、壁と天井の落書きを見たときに、ここで歌う重みを実感。最近になって「そろそろ私も天井に書きたい」という気持ちが出てきた。

 楽屋。それは選ばれし者が自らの来し方行く末を想う場である。

■新宿末廣亭
都内に4軒ある定席寄席のひとつで、唯一の木造建築。創業1946年。楽屋は高座のすぐ隣にある。古今亭菊之丞さんが楽屋での思い出を語る。「出番直前の橘家圓蔵師匠から、お茶を二つ持って来るように言われました。直前なのにお茶? なぜ二つ?と不思議に思ったら、師匠はそれを持って高座に上がりました。客席で女性のお客さんが2人、お弁当を食べていたんです。師匠は『よく一番前で飯が食えるな』と言いながら、お茶を渡しました。楽屋と客席がとても近いからこそのエピソードですね」

■浅草ロック座
1947年に創業したストリップの殿堂。文豪・永井荷風は連日通い、楽屋で踊り子と談笑する写真も残っている。72年に経営者が変わった。その頃に舞台に乗り、今は衣装製作を担当する「ひさえ姐さん」が説明する。「楽屋ではトリは必ず左側の奥と決まっています。うちは1時間40分のショーを1日5回やり、その間はずっと劇場に詰めっぱなしなので、楽屋でみんな仲良くなります。踊り子に頼まれ、宝石や洋服、化粧品の業者が売りに来ることもあるわね」。楽屋を訪ねると、出番を前にした矢沢ようこさんが入念なストレッチの後で歯磨きをして備えていた

■ウェザーマップ
気象予報士の森田正光氏が1992年に設立した気象予報会社。所属気象予報士がテレビの天気予報に出演するほか、社内にスタジオを構え「Yahoo!天気・災害 動画」を1日3回配信している。出演前の崎濱綾子さんは、予報担当部署による予想と自身の予想とを擦り合わせて予報をまとめる。テレビの天気予報でもネット配信でも放送作家はつかず、話す原稿は予報士が書く。わかりやすい言葉で伝えるため『記者ハンドブック』(共同通信社)を引くことも

■歌舞伎座
歌舞伎座の楽屋は他の劇場と異なり、何もない和室だ。鏡台などはすべて役者が持ってくる。「稽古開始日の前日か前々日に、俳優のお弟子さんや付き人がいろいろと運び込むんです。絨毯を敷く方もいらっしゃれば、安楽椅子を運ぶ方も。1カ月間、快適に過ごせるように部屋を作るんです」(宣伝部)。自ら化粧をするのも、歌舞伎ならではの慣習。髪は床山が整えてくれ、着物は衣装担当者が着せてくれる。

■新宿LOFT
1976年に東京・西新宿に開業、99年に歌舞伎町に移転したライブハウス。楽屋には、20年間に出演したアーティストによる落書きやステッカーがいっぱい。壁や天井にとどまらず、冷蔵庫や流し台にもびっしり。「マスクをして歌うグループはステージが終わるたびにマスクを貼っていくし……、もう放置することにしました」と柳沢英則店長。近年はアイドルのライブも多く、まねきケチャも月に1度出演している。「こんなにたくさん貼ってある、歴史のあるところでライブできるのは嬉しい」(松下玲緒菜さん)。LOFTの料理はうまいと定評があり「楽屋に運んでいただいて食べています。オムライスと担々麺がお薦めです」(同)

(取材・文/本誌・菊地武顕)

※週刊朝日  2019年9月27日号

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