愛華、色気の理由は“距離の測り方”にあり? 『テラスハウス』第17話未公開映像

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2019年10月07日 10:41  リアルサウンド

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『TERRACE HOUSE TOKYO 2019-2020』(c)フジテレビ/イースト・エンタテインメント

 Netflixで配信されているリアリティーショー『TERRACE HOUSE TOKYO 2019-2020』。10月1日にYouTubeにアップされた未公開映像には、愛華と春花が水着ショッピングする模様が収められていた。


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「じゃあ、緑にしよ」


 今回の未公開映像のタイトルは、“Let’s Go To Buy Swimwear”。本編(17TH WEEK)で、ペッペと海に行く約束を交わした愛華は、春花と一緒に新しい水着を買いに行くことに。「バストは絶対にS」(愛華)「私も……」(春花)など、女の子ならではの話題で盛り上がる二人。「でも、こういうタイプ、おっぱいマジで(盛れ)ないですよね……」(愛華)「マジでない……(小声)」(春花)と、その後も会話が弾む。最終的には、二人で一つの試着室に入り、お互いに2着ほど水着姿を披露。どちらの水着がより似合うかを意見し合い、購入を決めていた。


 新メンバーとして、本編(15TH WEEK)から、テラスハウスに入居した愛華だが、その素顔はまだ不明のまま。そんな中、今回の17TH WEEKでは、彼女が軸となり、話が展開されていた印象だ。そこから、少しだけ愛華の人柄が浮き彫りになってきたように思う。香織と翔平とはまた違った、“人との距離の測り方の上手さ”が垣間見えたのだ。


 未公開映像では、春花に勧められた水着が自身の好みじゃない様子の愛華が、「あ、パイナップルだ。可愛いかも」と話を広げつつも、さりげなく元の位置に戻すシーンがあった。「(サイズは)絶対Sじゃない? Mじゃないでしょ?」という問いには、「バストは絶対にS」と程よい自虐を交えて嫌味なく返答し、「私も……」と春花からの共感を得る。ほかにも、春花がカーキの水着を試着して気に入っているような素振りを見せると、すかさず「カーキ可愛い!」と、いま相手が欲しいであろう言葉を与える愛華。また春花が、緑色の水着を試着した愛華を見て「それ、すごく似合ってる」と絶賛し、他の水着を試着した際にも「緑の方が可愛いと思う」と自身の考えを伝えると、愛華は「じゃあ、緑にしよ」と即決する。元から緑の水着にしようと決めていたように見えた愛華だが、あたかも春花の言葉に影響を受けて、選んだように感じる、絶妙なタイミングだった。春花の承認欲求を満たしつつ、自分の考えも曲げずにしっかりと貫き通す。


 この一見、なんともないが、実はしっかりと計算された愛華の春花とのやり取りは、意識的か無意識的かは別にして、一般的な女子同士の間でも、よく行われる。同じものを見て「可愛い〜」と盛り上がり、似たようなコンプレックスを共有し合い、相手の意見を尊重しつつも実際は自分のしたいように行動する。そんなしたたかさが決して悪いわけではなく、人間関係が円滑かつスムーズに育まれていくためには、必要なことと言っても過言ではない。お互いが嫌な気持ちにならず、楽しく同じ時間を共有できるからだ。


 そのため、それが器用にできる愛華が、特別にコミュニケーション能力が高いというわけではない。愛華に感じた“人との距離の測り方の上手さ”は、ほかにもあるのだ。


 「恋愛がしたい」とテラスハウスに入居した愛華だが、むやみやたらに手を出すのではなく、一度しっかりと内情を把握した上で、動き出そうとしていることが伺える。愛華が入ったいま現在、誰が誰に好意を寄せていて、それぞれどの程度恋愛に前向きなのか。ただ闇雲に恋愛をするのではなく、できるだけ荒波立てずに、平和に愛を育んでいきたいのだろう。


 たとえば、翔平に好きなタイプを聞かれた際に、「目標がある人、譲れない何かを持ってる人がいい」と目の前の彼とは真逆のタイプをはっきりと口にしていた愛華。単純にそういう人が本当にタイプなのかもしれないが、「一周回って、どんな人がタイプかもわからなくなった」と前置きしてから、ピンポイントに答えていたため、見方によっては翔平を牽制しているようにも感じる。もしそうなら、香織がまだ翔平のことを想っているのを察したゆえにだろう。


 また、春花がペッペに恋愛対象として興味を持っていることにも気づいているようだ。春花とペッペがプレイルームで、イーブイが主役のポケモンのゲームを楽しんだあと、ダイニングに戻ると、ちょうど海から帰ってきた愛華が一人。ペッペが「疲れたね。でも、(イーブイが)可愛かったね」と感想を呟くと、「“今日も可愛かったね”って、春花さんじゃなくて、イーブイの話なんですか? 春花さんに言ったのかと思った、いま」と笑いながら二人をいじる。春花の気持ちを茶化すのではなく、異性であるペッペの発言を“嬉しいであろう言葉”に置き換えて、さりげなくピックアップするのが、上手い。


 常に気だるげでローテンションの愛華だが、決して相手に嫌な感じを与えない。しっかりと相槌を打ちつつも、変に会話を弾ませようとはしないため、非常にナチュラルに見える。肩肘張った“頑張ってます!”感もなく、かと言って、相手への興味のなさが見えたり雑に扱ったりするわけでもない。たとえ同じテラスハウスのメンバーでも、年上には敬語は欠かさず、かと言ってガチガチに敬うわけでもなく、いい塩梅でタメ口を混ぜる。言葉のチョイスとタイミングが絶妙なのだ。その余裕こそが、愛華が全身から醸し出す色気にも、繋がっているのかもしれない。


 “人に嫌われるのが怖い”香織と“他人に興味がない”ように見える翔平、そして“自分の見せ方と魅力をわかっている”愛華。香織はどこか他人と一線を引いているように見えてしまい、翔平は良くも悪くも自由で捉えどころがない印象を与える。愛華は異常な色っぽさで男性を惹きつけるが、無駄な敵を作らない。“人との距離の測り方の上手さ”にもいろいろな種類があり、その根本によって相手に与える印象が全く変わってくる。愛華の“人との距離の測り方”は、手に入りそうで入らない感じも演出でき、もしかしたら最も人から“モテる距離感”なのかもしれない。(文=朝陽空)


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