横浜流星が透明感あふれる瞳で真摯に演じる 『4分間のマリーゴールド』で描いた“遺すこと”

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2019年10月19日 06:11  リアルサウンド

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『4分間のマリーゴールド』(c)TBS (c)キリエ/小学館

 残される者の悲しみと遺すことの尊さを描いた『4分間のマリーゴールド』(TBS系)の第2話。藍(横浜流星)と和江(松金よね子)の心の交流を通して、命と向き合う姿を映し出した。


 寂しくなるとすぐに救急車を呼んでしまう和江は、救急隊員の間でも困った存在として知られていた。救急車を呼ぶといつも自分の作った料理を救急隊員に振る舞おうとする和江だったが、それには10年前に息子を心不全で亡くしたという悲しい理由があったのだ。命日が近くなる秋に、つい寂しくて救急隊員を呼んでしまう。そんな和江だが、実は藍とは料理を教え合う友人であった。


【写真】横浜流星の料理シーン


 ある日、いつものように藍が和江に会いに行くと、和江は体調を崩し倒れてしまう。急いで救急車を呼び、みこと(福士蒼汰)が駆けつけるが、和江は助からなかった。みことは救急車の中で手を当て、和江の未来を見てしまう。そして助けようとするが故に救急隊員としては出すぎた行為に走り、まわりの隊員を困らせてしまった。その様子を見ていて不審に思った藍は、みことの能力の話を聞く。みことはついに、人の最期が見える特殊能力について藍に打ち明けるのであった。


 第2話では、“遺すこと”について描かれる。和江は、学校でいじめにあい居場所のなかった藍に料理の楽しさと美味しいレシピを遺した。時を同じくして沙羅(菜々緒)も知人から「誰かいないの? 遺したい相手」と問われる。廉(桐谷健太)は、人間ドックの話題になり「好きに飲んで好きに食って堂々と死ぬ! そういう男に俺はなりたいんだ」と漏らすなど、第2話の花巻家を取り巻く環境は、健康や生死に関わる話題が多かった。しかし本作は決して暗く沈む物語ではない。一つ一つのエピソードを通して、人と触れ合うことのぬくもりや喜びを思い出させてくれる作品なのだ。


 横浜が演じる藍は、友達もいなくいじめられていたが、和江との交流で希望を取り戻し救われる。横浜はそんな、ちょっと大人びた高校生・藍を透明感あふれる瞳で真摯に演じる。本作では、兄弟や和江を心配する優しい姿や、学校で好意を持ってくれている女の子に意地悪してしまう等身大の姿など、色んな側面の藍を見ることができる。つまりは、学校での姿、和江との姿、家庭での姿と多面性のある役を一つの作品の中で演じ分けているのだ。藍というキャラクターをブレさせずに、オンとオフを切り替え、色んな人との対人関係を“藍らしく”演じられる器用さは、まさに横浜の演技力のなせる技だろう。和江と出会ってすぐのシーンで見せた少しこわばった藍の表情や声色は現在のものとは違い、繊細な芝居であることがわかる。大ブレイクしている横浜だが、そのブレイクの裏には突き詰められた芝居の実力があるのだろう。


(Nana Numoto)


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  • 横浜流星って芸名?戦隊モノの名前みたい。
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