『同期のサクラ』橋本愛×高畑充希、ぶつかり合いを経て“本当の友”に 胸に残るじいちゃんの名言

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2019年10月24日 06:01  リアルサウンド

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『同期のサクラ』(c)日本テレビ

 高畑充希が主演を務めるドラマ『同期のサクラ』(日本テレビ系)が、10月23日に第3話を迎えた。


参考:橋本愛、久々の民放連ドラ『同期のサクラ』で発揮する存在感 助演だからこそ伝わる、その器量とは


 第1話の2009年では主人公のサクラ(高畑充希)、第2話の2010年ではサクラと同期の菊夫(竜星涼)と、順にスポットが当たってきた。第3話の2011年、メインとなるのは広報部の百合(橋本愛)。翌年に開業を控える東京スカイツリーの登場と共に、物語では3月11日に発生した東日本大震災が描かれる。


 歴史的な建造物や災害と一緒に第3話でフィーチャーされたのが、女性蔑視。才色兼備で気配りもできる百合は、「ミス広報部」「ミス花村建設」とまで呼ばれるほどに周りから好かれていたが、それはあくまで表の顔。内心では、男社会で女性が働きやすい職場ではないゼネコンから、2、3年で寿退社できればいいというのが本音だった。会社では愛想を振りまき、家に帰れば成り金の下品な両親が待っている。溜まりに溜まった百合の鬱屈は、彼女の寿退社を止めに来たサクラの前で爆発することになる。


 放送前の予告時点で話題となっていた、サクラと百合の大ゲンカ。「私には夢があります」と真っ直ぐな目で説得するサクラに、百合は「夢、夢、夢、夢、うっさいのよ!」と大声で怒鳴り散らす。さらに百合はサクラの夢である、ふるさとの島に橋を架けること、仲間だと思っていること、島に住むサクラの祖父をも否定していく。これにサクラは激怒。百合に負けじと新潟の方言混じりで、必死に応酬するのだ。


 サクラの第一声は「ブス!」。これは、百合の容姿にではなく、彼女のその内心に溜め込みながらも行動に移さない性格に対して。結婚を理由に、自分の居場所から逃げ出した百合は、これからも同じ過ちを繰り返していく。行動という種を蒔くことすら諦めてしまった百合の心に、サクラは訴えかける。


 “じいちゃん”こと祖父・柊作(津嘉山正種)が、悩むサクラに送るファックスは毎話心に響く名言揃い。第1話の「自分の弱さを認めることだ」、第2話の「自分にしか出来ないことがある」に続き、第3話は「本気で叱ってくれるのが本当の友達だ」。「愛情の反対は無関心」と言われるように、叱ることは時には相手に対して改善の余地を与える行動にもなり得る。百合は言葉使いこそ悪いものの、その言葉には嘘がなく信用できる。サクラはそんな百合の自分らしさという居場所を提示したのだ。


 サクラとの激しい言い争いを展開した百合は、第3話で(愛想)笑い、怒り、泣きと様々な表情を見せている。演じる橋本愛と言えば、『いだてん〜東京オリムピック噺〜』(NHK総合)での小梅役がいまだ記憶に新しく、貫禄たっぷりなその役柄は百合の演技ともどこか重なるものがある。第1話での激昂するシーンに始まり、同期の中でも一際異彩を放つ百合だが、それは橋本愛の一瞬で空気を変える演技あってのものと言っても過言ではない。


 第4話、2012年で次にフィーチャーされるのは、蓮太郎(岡山天音)。プライドが高い上に傷つきやすく周囲に心を閉ざす蓮太郎は、無断欠勤を続けクビが迫っていた。予告では、蓮太郎がカッターを手に取り、それを止めようとしたサクラが出血するシーンも。菊夫、百合をそれぞれの闇から救ってきたサクラは、蓮太郎にどんな言葉をかけるのだろうか。(渡辺彰浩)


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