メルセデスでルイス・ハミルトンの担当レースエンジニアを務める「ボノ」の愛称で親しまれているピーター・ボニントンが、F1第18戦メキシコGPを欠席していることをチームが発表した。
チームによれば、「個人的に医療処置を受けるために、母国のイギリスへ帰国した」という。
ボニントンの代役として、メキシコGPでハミルトンのレースエンジニアを務めるのは、日本GPまでハミルトンのパフォーマンスエンジニアを務めていたマーカス・ダドリー。そして、ダドリーの代わりに今週末パフォーマンスエンジニアを務めるのは、通常のグランプリではイギリス・ブラックレーのファクトリーでレースチームをサポートしているドム・リーフシュタールとなる。
ボニントンはハミルトンがメルセデスに2013年に加入したときからレースエンジニアを務めており、ハミルトンがメルセデスで獲得した4度のタイトルはすべてボニントンとともに勝ち取ったもの。
マシンのセッティングを実際に決めているのはレースエンジニアでなくパフォーマンスエンジニアなので、セットアップ作業自体には大きな問題はないだろう。ただ、レースエンジニアはパフォーマンスエンジニアや、システムエンジニアといった多くのエンジニアたちをまとめ役であり、ドライバーとのコミュニケーション役でもある。特に、ハミルトンは勝つために妥協しないドライバーで、エンジニアにとって舵取りが難しいドライバーでもある。
今週末はドライバーズ選手権のタイトルがかかっており、ハミルトンも神経を尖らせているだけに、いきなり代役を務めることとなった新レースエンジニアのダドリーにとっては気を休める暇はないだろう。
なお、チームによれば、ボニントンは翌週オースティンで開催されるアメリカGPも欠席する予定だという。
果たして、ハミルトンはボニントン不在の中で、初めてチャンピオンを獲得することになるのか。あるいはボニントンが復帰する第20戦ブラジルGPまでタイトル決定は持ち越されるのか。