ジェシカ・チャステインら大人版“ルーザーズ・クラブ”俳優たちが語る、『IT/イット』続編秘話

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2019年11月03日 12:31  リアルサウンド

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『IT/イットTHE END “それ”が見えたら、終わり。』大人版ルーザーズ・クラブキャスト陣 (c)2019 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

 映画『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』が11月1日に公開された。スティーヴン・キングの大人気小説を実写映画化した『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』(2017年)は、ホラー映画の歴代興行収入No.1に輝く大ヒットを記録。その続編にして完結編となる本作では、幼少時代に“それ”の恐怖から生き延びたルーザーズ・クラブの仲間たちが、27年前に固く誓い合った“約束”を果たすために再び立ち上がる模様が描かれる。


参考:『IT/イット』ビル・スカルスガルド&アンディ・ムスキエティ監督が明かす、ペニーワイズの秘密


 今回リアルサウンド映画部では、今回初登場となる大人になったルーザーズ・クラブのメンバーたち、ベバリー役のジェシカ・チャスティン、リッチー役のビル・ヘイダー、マイク役のイザイア・ムスタファ、ベン役のジェイ・ライアン、エディ役のジェームズ・ランソン、スタンリー役のアンディ・ビーンにインタビューを行い、本作について話を聞いた。


ーー前作『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』は、いち観客としてどのような印象を抱いていましたか?


ジェシカ・チャステイン(以下、チャステイン): 私は大好きだったわ。『スタンド・バイ・ミー』みたいな青春ストーリーだと思ったの。


イザイア・ムスタファ(以下、ムスタファ):子供の頃の友情を描いた、とても優しいストーリーだと思ったよ。なぜなら、それは人生のゴールデンタイムみたいだから。ルーザーズ・クラブのみんなは、友達のことを、自分の本当に家族のように愛している。友達こそが世界のすべてなんだよね。


ジェイ・ライアン(以下、ライアン):前作にはすごく特別なことがあった。それは、僕が『グーニーズ』でとても好きなところでもあって、すべての子供たちがみんな同時に話していることなんだ。それはとてもナチュラルで、多くの子供たちが初めてアドリブをしているのがわかった。少なくとも、リアルな瞬間がフィルムに捉えられていたんだ。監督にとっても、明確なチョイスだと思ったのを覚えているよ。


ーー子供時代のキャストたちとはどのようなやりとりをしたのですか?


アンディ・ビーン(以下、ビーン):最初はとてもけんか腰だったんだ。……というのは冗談で(笑)、僕らみんなで、子供時代のキャスト全員に会う日があったんだ。ワイアット(・オレフ)はすごく面白い若者で、僕らは2〜3分間にらめっこ合戦をした。ただお互いを見つめあっていたんだ。それで、「よし、これでやるぞ!」という気になった。彼は素晴らしいよ。子供たちは前作で本当に素晴らしい仕事をした。だから、僕はその邪魔にならないようにしただけだよ。


ジェームズ・ラーソン(以下、ラーソン):ジャック・ディラン・グレイザーは、僕のことをクールだと思わなかったんだ。


一同:(笑)


ラーソン:いや、本当なんだ。僕はもうすぐ40歳になるだけど、「僕もスケボーに乗れるんだよ」って言うと、彼は「ふぅん」って感じだったからね。


ライアン:ジェレミー・レイ・テイラーは、とてもシリアスな顔で、僕に「失敗しないで」と言ったよ。


一同:(笑)


ライアン:彼がそういうことを言うとは予想していなかった。それが何かの始まりだったんだ。でも、彼のお母さんは、撮影現場で僕のお母さんにもなってくれたんだ。それは興味深かったね。とても包容力があって、優しくて、本当に素敵な家族だったよ。


ムスタファ:チョーズン(・ジェイコブス)は、究極の紳士なんだ。彼は南部の家庭で育てられたみたいで、僕のところにやって来ると、褒め言葉に次ぐ褒め言葉を言い続けていたよ。「あなたが着ている服が好きだ」とか「あなたが出てたCMが好きだ」とかね。だから、僕は自然に心がとろけてしまって、「なんてこった。きみは素晴らしいね」って感じだったよ。


一同:(笑)


ビル・ヘイダー(以下、ヘイダー):僕に仕事をくれたのがフィン(・ヴォルフハルト)だったんだ。彼が取材中に「この役をビル・ヘイダーに演じてほしい」と言って、僕を推薦してくれた。それで、僕のエージェントが「これを見て」ってその記事のリンクを送ってきたんだ。それから数カ月後、僕のエージェントが「アンディ・ムスキエティが『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』のためにあなたに会いたがっている」と電話をしてきた。僕はその時、「フィンは、ハリウッドで最も力がある人間に違いない」と思ったよ(笑)。それから実際に会って、フィンが手紙と子供の頃の写真をくれたんだ。とても素敵だったよ。みんなもそれぞれの子供時代のキャストから手紙をもらったと思うけど、フィンの手紙はとてもリッチーらしかったよ。「僕は今、この馬鹿げた手紙を書かされているんだ」って感じでね(笑)。


チャステイン:ソフィア(・リリス)に会うのは素晴らしかったわ。なぜなら、彼女が前作でやったことが大好きだったから。彼女と私は、アンディ(・ムスキエティ)を通してやりとりしていたの。だから、私たちが初めて会ったのは、リハーサルの初日だった。私は少しシャイだった。今は大丈夫だけど、最初はティーンエージャーと話すのは難しいことだったりするの(笑)。私たちは文字通り、お互いの前に立って、クスクス笑いながら、「ねえ、あなたのお気に入りの映画は何?」って感じだった。私は彼女が前作でやったことすべてを学び取ったわ。彼女の演技全体を盗んだの。


ーーペニーワイズを演じたビル・スカルスガルドは、前作で子供たちを怖がらせたそうですが、彼の印象はどうでしたか?


ヘイダー:怖くはなかったよ。なぜなら、もし彼が僕らを怖がらせようとしたら、「何をやってるんだ? そんなことするな」って言うからね。


一同:(爆笑)


ライアン:彼はまったく予想がつかないんだ。ペニーワイズの格好をした彼と僕らが一緒に撮影をしている時、すべてのテイクはまったく違うものだった。彼はとても熱狂的なエネルギーを持っている。彼と撮影をしている時は、その魅惑的な演技に夢中になってしまうから、シーンに集中するために、「いま映画を撮っているんだ」ということをしょっちゅう思い出さないといけなかったよ。


チャステイン:ビルは、みんながお互いに初めて会う台本読みの時に、私を驚かせたの。私はビルのことをそれほど知らなかったんだけど、スタジオの重役も含め部屋いっぱいに50人ぐらいの人がいて、私たちはみんなクールに振舞っていた。ビルは私の右側に座っていたんだけど、あるシーンを演じ始めて、私に面と向かってペニーワイズとして「ワァ!!」ってやってきたの。私は金切り声をあげて叫んだわ。なぜなら、そういうことが起きるとは予想していなかったから。スタジオの重役はみんな、「よし!」って感じだったけどね(笑)。(取材・文=宮川翔)


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