磯村勇斗、成田凌、志尊淳、清原翔……朝ドラ出演を経て、引っ張りだこな俳優たち

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2019年11月08日 06:11  リアルサウンド

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『まだ結婚できない男』に出演する磯村勇斗(c)カンテレ

 朝ドラをきっかけにブレイクする若手俳優たち。毎朝、視聴者の目に入ることで覚えられ、半年に渡って同じ役を演じることで、演技面でも鍛えられてきた。今回は、近年の朝ドラ出演後、演技の幅を広げ、引っ張りだこな俳優たちをピックアップしたい。


【写真】朝ドラで心優しい兄役を好演・清原翔


■“カメレオン俳優”として進化し続ける磯村勇斗


 『ひよっこ』(NHK総合)で主人公・みね子(有村架純)と結婚することになる見習いコック・前田秀俊、通称「ヒデ」を演じていた磯村。みね子を優しく見守る先輩であり、みね子に恋をする奥手な青年は視聴者の心を掴み、ヒデの恋が実った際にはSNS上で歓喜の声が沸き起こったほどだ。


 磯村は、現在放送中の『時効警察はじめました』(テレビ朝日系)で総武署・鑑識課の若きエース・又来康知を演じている。鑑識課に勤める諸沢(光石研)とタッグを組み、穏やかな表情で鑑識結果を解説していく康知だが、母で時効管理課の又来(ふせえり)と衝突し、『今日から俺は!!』(日本テレビ系)で磯村が演じた“相良猛”化していく姿が話題を呼んだ(第2話の脚本を担当したのは『今日から俺は!!』の脚本・演出を担当した福田雄一)。


 作品ごとにガラリと変わる磯村はまさに“カメレオン俳優”。『きのう何食べた?』(テレビ東京系)ではジルベールこと井上航を好演。無精髭にくたびれたTシャツという原作そのままの出で立ちもさることながら、わがままで自由奔放な航を嫌味なく演じ、原作ファンをも魅了していた。かと思えば、『TWO WEEKS』(カンテレ・フジテレビ系)では冷酷な暗殺者・灰谷を演じ、穏やかな笑顔を封印。敵か味方かもわからず、主人公を執拗に追い詰める姿にジルベールを演じていた面影は一切ない。


 磯村が出演している『時効警察はじめました』はメイン監督・脚本の三木聡をはじめ、さまざまな奇才クリエイターが脚本・演出を担当する。三木が描く笑いと、奇才クリエイターたちが描き出す作風に柔軟に溶け込む磯村。また、『まだ結婚できない男』(カンテレ・フジテレビ系)の第6話への出演も先日発表された。今後の出演作も、ヒデともジルベールとも、灰谷とも又来とも違う、別人のような姿を見せてくれるのではないだろうか。 


■朝ドラ出演後、映画方面で活躍を見せる成田凌


 成田は『わろてんか』(NHK総合)でヒロイン・てん(葵わかな)の息子・隼也を演じていた。父・藤吉(松坂桃李)の死後、松坂とバトンタッチするかのように登場。成田の演技は藤吉の面影を感じさせ、自信たっぷりな隼也の姿が藤吉そっくりだと評判を呼んでいた。


 『わろてんか』以降、ドラマへの出演はなく、映画方面で活躍を見せていた成田。10代から30代の女性やカップルを中心に話題を集めた映画『愛がなんだ』では、ヒロインのテルコ(岸井ゆきの)が一途に思いを寄せる相手・マモルを演じた。テルコの想いには応えず、テルコを「都合のいい女」にしてしまう男を好演。だらしないが放っておけないと感じさせるリアルな演技はSNSなどで話題を呼んだ。12月には活動弁士を目指す若者を描く映画『カツベン!』で主役を務める成田。2020年には怪演を見せた話題作の続編『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』や『弥生、三月-君を愛した30年-』『糸』『窮鼠はチーズの夢を見る』などの出演作が公開予定だ。


 また、11月24日にはアニメ『サザエさん』のスペシャルドラマ企画『磯野家の人々〜20年後のサザエさん〜』(フジテレビ系)に出演し成田は23歳になったタラオを演じる。長年人々に愛され続けてきた作品で、どのような演技を見せるのか期待が高まる。


■あらゆる作品に引っ張りだこな志尊淳


 『半分、青い。』(NHK総合)でヒロイン・楡野鈴愛(永野芽郁)とともに漫画家を目指す“ボクテ”を演じていた志尊。『半分、青い。』に出演する前から、その高い演技力には注目が集まっていた。トランスジェンダーの役で主演を務めた『女子的生活』(NHK総合)では、第73回文化庁芸術祭賞テレビ・ドラマ部門で放送個人賞を受賞している。


 『女子的生活』や『半分、青い。』の印象から、志尊に可愛らしいイメージを抱く人もいるだろう。だが『ハケン占い師アタル』(テレビ朝日系)では自分の現状に不満を抱える青年を、『Heaven?〜ご苦楽レストラン〜』(TBS系)では物覚えが悪いが皆から愛される天然キャラを、『探偵はBARにいる3』では”最強の男”と呼ばれる用心棒を演じており、役ごとに印象はガラリと変わる。


 『HiGH&LOW THE WORST』出演時には、最強軍団・鳳仙学園のリーダー・上田佐智雄を熱演。柔らかな雰囲気を封印し、鳳仙学園を率いるカリスマ性と激しい闘志を感じさせる演技で観客を圧倒した。


 最近ではNODA・MAPの第23回公演『Q:A Night At The Kabuki』に出演するなど、舞台での活躍も目覚ましい。


■今後の出演作に期待が高まる清原翔


 『なつぞら』(NHK総合)で主人公・なつ(広瀬すず)が暮らすことになる柴田家の長男・照男を演じていた清原翔。


 男性ファッション誌「MEN’S NON-NO」(集英社)専属モデルとして活躍する清原は、結婚情報誌「ゼクシィ」(リクルート)のCMで新郎役に抜擢されるなど、スラリとしたイケメンの印象が強かった。だが、『なつぞら』では「良き兄」として振る舞う、どこか不器用な青年を好演。その純朴な雰囲気が視聴者の心を鷲掴みにした。


 『なつぞら』出演後、『インハンド』(TBS系)や『ドクターX』(テレビ朝日系)などのドラマにゲストとして出演することも増えた。現在は、『チート〜詐欺師の皆さん、ご注意ください〜』(読売テレビ・日本テレビ系)、そして『死役所』(テレビ東京系)では生活事故死課に勤める今風な青年・ハヤシを演じている。2020年に公開予定の映画『サヨナラまでの30分』では、ダブル主演を務める新田真剣佑、北村匠海のバンドメンバーとして出演する。


 朝ドラでの演技を次の作品に生かし、ガラリと雰囲気を変えて活躍する俳優が多くいる。朝ドラ出演をきっかけに俳優としての技術が上がっているのは確かだ。映画、ドラマ、舞台等、彼らの幅広い活動が今後も期待される。


(片山香帆)


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