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下劣な匂いがイイ? 悪名高いイタリア元首相を描いた名匠の映画

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2019年11月16日 11:30  AERA dot.

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写真監督 パオロ・ソレンティーノ/15日からBunkamuraル・シネマほか全国公開/157分 (c)2018 INDIGO FILM PATHE FILMS FRANCE 2 CINEMA
監督 パオロ・ソレンティーノ/15日からBunkamuraル・シネマほか全国公開/157分 (c)2018 INDIGO FILM PATHE FILMS FRANCE 2 CINEMA
 悪名高い実在のイタリア元首相を華麗な映像で描いた「LORO 欲望のイタリア」が公開間近だ。監督は「グレート・ビューティー/追憶のローマ」でアカデミー賞外国語映画賞を受賞した現代イタリアを代表する名匠ソレンティーノ。同作にも主演したセルヴィッロがベルルスコーニを見事に演じるのも大きな見どころ。

【「LORO 欲望のイタリア」の場面写真はこちら】

 2006年のイタリア。2度にわたり政権を取り、首相として君臨してきたシルヴィオ・ベルルスコーニ(トニ・セルヴィッロ)が、因縁の政敵に敗北する。数々の女性問題や脱税、職権乱用とスキャンダルばかりが取りざたされた彼だが、首相に上り詰めた手腕は只者ではなかった。

 繰り返し行った整形や植毛は、自身の重要な支持層が中年の女性層だと知った上での戦略であり、失言や失態さえも人気を獲得する手段に変えた。マスメディア時代の政治リーダーの先駆けであった。

 そして08年、あらゆる手段を使い、首相の座に返り咲く。したたかで、欲しいものはすべて手に入れた怪物が、唯一逃したもの──それは最愛の妻の愛だった……。

 本作に対する映画評論家らの意見は?(★4つで満点)

■渡辺祥子(映画評論家)
評価:★★★ なかなかGOOD!
70歳の老政治家が、小娘から「祖父と同じ匂い、良くも悪くも老人の匂いよ」とベッドで手厳しく拒まれる。そんなことくらいではめげない野心満々男たち揃いの画面から吹いてくるのは下劣な匂い。これがイタリアの現実?

■大場正明(映画評論家)
評価:★★★ なかなかGOOD!
2部作を再編集した作品なので、統一感に欠ける部分もあるが、女優陣から豊かな個性を引き出し、絢爛豪華で挑発的な映像で権力や欲望、老いを描く鬼才監督の大胆な演出と名優セルヴィッロの怪演にはやはり引き込まれる。

■LiLiCo(映画コメンテーター)
評価:★★ ヒマだったら……
もっとギュッとしていたらいいのに。やはり長い! 映像美はさすがですが興味をそそる要素の有無が激しすぎ。途中から面白さが増すけど、それまで少し飽きちゃうので損。美女だらけのジムの場面には噴き出しましたけど。

■わたなべりんたろう(映画ライター)
評価:★★★ なかなかGOOD!
政治家を描いた映画でここまで狂騒的なのは稀だが、対象の人物がそうなのだから仕方がない。この監督らしい一筋縄ではいかないストーリーテリングは好みが分かれるかも。結果、猥雑な大衆性よりも芸術性を感じる作品に。

※週刊朝日  2019年11月22日号

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