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オザケン 新アルバムにちりばめられた「“愛”みたいに自然に出てきてしまう言葉」とは

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2019年11月17日 11:30  AERA dot.

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 小沢健二が13年ぶりのアルバム「So kakkoii 宇宙」をリリースする。2017年のシングル「流動体について」も含む全10曲。22年ぶりに本格的に雑誌に登場する。AERA 2019年11月18日号から。

【オザケンが表紙を飾ったAERAはこちら】

*  *  *
──アルバムの、「So kakkoii 宇宙」というタイトルは、どこから出てきたのでしょうか。

(取材に同行した息子を指さし)こいつも、いつも「That’s soすごい」とか言ってるんですよ。普通に日本語だけで暮らしていて出てくる言葉じゃないし、宇宙はバッチリな言葉なわけで、自分らしい感じがしたんです。タイトル自体が僕の空間というか。「薫る(労働と学業)」という最後の曲に「ありがとう 友よ いてくれて So kakkoii 宇宙の中に」という歌詞があるんですけど、そこも歌っていてすごく気持ちいい。実感がある。そういう感じです。

──「宇宙」という言葉は収録曲の歌詞にも頻出する一つのキーワードになっていますね。

「ぼくらが旅に出る理由」(1994年発表のアルバム「LIFE」収録)という曲で、「遠くから届く宇宙の光 街中でつづいていく暮らし」と歌っているんですけれど、あそこはすごく好きな部分なんです。そこには個人のごちゃごちゃしたものが全然ない。僕がどう思ってるかとか、苦しいとか、あなたが好きだとか、そういうものがない。どこかさめている。そこは歌っていて気持ちいいんですね。そこから来ているのかもしれない。「魔法的」で「宇宙」という言葉を使い始めて、アルバム中にちりばめられているんですけれど、僕の中ではこなれた言葉なんですよね。「愛」みたいに自然に出てきてしまうというか。……アルバム、どうでした?

──シンプルな感想を言うと、すごく興奮して、楽しくて高揚感があって、でも聴き終わった後にいろんなことをじっくり考えられる、という印象でした。

 だったら、すごくいいです。ありがとうございます。

──1曲目「彗星」の歌い出しに「そして時は2020 全力疾走してきたよね 1995年 冬は長くって寒くて 心凍えそうだったよね」とあります。二つの年を対比させたのはどうしてでしょうか?

「流動体について」や「フクロウの声が聞こえる」や「アルペジオ」は、アメリカにいながら書いていたんです。でも「彗星」は日本で書いている。「失敗がいっぱい」や「高い塔」や「薫る(労働と学業)」もそうです。それは違う感覚なんですね。前は日本に来て録音やツアーをして、あっという間に去っていった。みんなの暮らしを見る余裕がなかったんです。今は子どもがこっちの学校に入って、日本にいる。そうするといろんなことが見えてくる。そんな中で「LIFE」や「強い気持ち・強い愛」(95年発表)を作った当時を思い出すことがあって。そうすると、すごく違いが大きいんです。当時自分が生きていた日本と今の日本の対比がすごく面白い。その間にみんなが生きてきたことをすごく感じたんですよね。だから、歌詞になってるのは1995年と2020年だけど、本当はその間のことを歌いたいし、捉えたい。日本に住むようになって、僕が住んでいなかった知らない日本の何を書けばいいのかが自然に生まれてきたんです。

──1995年と今の間にあったことを、どう見ていますか?

 それは一言では言えないです。僕はその間、漠然と生きていたわけじゃないので。すごく面白いものを見たと思っているけれど、一言では言えないですね。

──当時と今の日本で、どういう違いが印象に残りましたか?

 違いはあるんですけれど、「遠くから届く宇宙の光」的なさめた見方をすると、全く変わってない。そこもすごく好きなんです。その二つは矛盾してるんだけど、どっちも実感としてある。信じられないくらい変わっていないものと、時がすごく変えてしまったものが両方ある。どっちも同じだけの誠実さを持ってそう思う。そのバランスが「彗星」になっています。

※記事の続きは「AERA 2019年11月18日号」でご覧いただけます。

(音楽ジャーナリスト・柴那典)

※AERA 2019年11月18日号より抜粋

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