八郎との出会い、デザインの採用 『スカーレット』喜美子の“これから”に大きな動き

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2019年11月21日 12:31  リアルサウンド

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『スカーレット』(写真提供=NHK)

 大ぶりなスイカにかぶりつき、東を向いて笑う絵付け師たち。朝ドラ『スカーレット』(NHK総合)第46話、愉快な幕開けである。


 今回は丸熊陶業に3人の若者たちが、若社長・敏春(本田大輔)に連れられて、新たな社員としてやってくる。彼らに対する人々の反応はさまざま。喜美子はそのうちの一人、十代田八郎(松下洸平)との会話で盛り上がることになった。


【写真】戸田恵梨香インタビューカット


 今回の新入社員3人の採用について、丸熊陶業の事業拡大……といえば、聞こえはいいが、中には“人員整理”なのではないかと不安をおぼえる者たちもいる。いわく、古株を切り捨てて、社内に新しい風を吹かせようということのようだ。こういった職人の世界は、やはり経験値の高さ、造詣の深さ、そして何よりも長い期間、対象である信楽焼に触れてきたということが高く評価されるものだと思ってしまうが、新風の必要性も確かにうなずける。それに若手社員の3人とも、じつに爽やかで、経歴を聞くと、どうやらなかなかに優秀な人材らしい。


 そんな彼ら3人のことを、食堂で働く女性たちは黄色い声で褒めそやす。ここにも新風が吹いているようだ。彼女たちのはしゃぎっぷりに喜美子(戸田恵梨香)も巻き込まれるのだが、その仲睦まじさが微笑ましい。一時は軽い衝突のようなものもあったのだし、こういったところに、喜美子が丸熊陶業に必要とされていることが垣間見えてくる。彼女が幼少期の頃から見守ってきた筆者としても嬉しいし、それは多くの視聴者の方も同じだろう。だがそれはもちろん、喜美子の“心からやりたいこと”である、絵付け師の仕事があってこそのことである。


 こうして大きな動きを見せつつある丸熊陶業に、喜美子の幼馴染みである信作(林遣都)がやってくる。間もなく開催される「火まつり」の宣伝にきたのだ。そこへ、喜美子が登場し、続いて八郎もやってくる。信作は八郎に「火まつり」について説明しようとするのだが、どうにも口ベタな彼には、それがうまくできない。見かねた喜美子が横から入ってきて説明する。このあたりにも、やはり喜美子のたくましい成長ぶりがうかがえるだろう。この「火まつり」とは、火の神様に感謝をする祭りなのだという。焼き物作りに火は欠かせず、その火は神様からの贈り物だからだ。


 それを興味深そうに聞く八郎。素朴だが、どこか熱い芯のようなものを彼からは感じる。それは、この後に続く喜美子との“信楽の土”に関する話題での、テンションの上がりようからも見て取れた。喜美子とは馬が合いそうでもあるし、これは何か、いい出会いとなるかもしれない。


 しかし、喜美子に訪れたのは、いい出会いだけではない。彼女の火鉢のデザインが、なんと採用されたのだ。喜美子の“これから”に大きな動きを与える、そんな一日となった。


(折田侑駿)


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