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同作は窪田正孝の写真集やMr.Children、クラムボン、森山直太朗などのアーティスト写真を撮影してきた「ろう」の写真家・齋藤陽道が自身の子育てを通じて、嫌いだった「うた」に出会うまでを記録したドキュメンタリー。
聴覚障害を持つ齋藤陽道は、20歳で補聴器を捨て、カメラを持つようになったという経歴の持ち主。同じく「ろう」の写真家である妻・盛山麻奈美との間に、聴者の息子を授かった。映画では、幼少期から対話の難しさや音楽教育への疑問にぶち当たってきた齋藤陽道が、自身の口からふとこぼれた子守歌をきっかけに変化していく様を捉えている。
出演者は齋藤陽道、盛山麻奈美をはじめ、盛山樹、七尾旅人、飴屋法水、CANTUS、ころすけ、くるみ、齋藤美津子、北原倫子、藤本孟夫ら。監督は古川日出男らによる朗読劇『銀河鉄道の夜』の活動を捉えた映画『ほんとうのうた』や、七尾旅人のライブ映像作品『兵士A』を手掛けた河合宏樹。
特報映像ではキーボードに耳を近づけたり、演奏を行なう人々の傍にいる齋藤陽道の姿、「ぼくにとって音楽はただの振動でした。」という手書きの文章が無音で映し出されている。続けて、息子を抱き抱えながら子守歌を歌う齋藤陽道の姿が確認できる。
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場面写真からは、出産時の盛山麻奈美の姿や、湯船に浸かる齋藤陽道と息子の様子、ギターを持つ七尾旅人とそれを見つめる息子と齋藤陽道の姿などが確認できる。
古川日出男、後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION)、河合宏樹が同作についてのコメントを寄せている。
■古川日出男のコメント
私がここに記しているコメントの文字に触っても、そこから振動は感じられない。けれども、あらゆる「うた」には響きがある。私たちの肉体に鼓動があるように、やっぱり響きがある。それは結局、愛には響きがあるのだ、と言っているような気がする。私は、そうした衝撃的な事実を、この映画『うたのはじまり』に触れて、知った。私という小説家は、この映画に「触った」のだと思う。
■後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION)のコメント
音楽が大好きだというあの娘や、ステージ袖でガチガチに固まっているあいつや、歌詞が書けないだなんて悩んでいる彼に見せたい映画でした。もちろん、君にも見てほしいし、むしろ僕こそが見るべき作品だ!と思いました。
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赤子をあやす為に彼からぽろっと溢れたうた、その瞬間にすべては語られた。
歌が祈りに戻った瞬間。
人類が初めて歌った瞬間。
うた、音楽、の本来の役割とは何だったのか。
齋藤陽道と共に考えた数年間。
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