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ブラック企業の代名詞「ワタミ」がホワイト化…何があった!?

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2019年11月23日 09:22  日刊SPA!

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 “ウソみたいだろ……、ワタミは今やホワイト企業になってるんだぜ……”。かつてブラック企業大賞だったワタミが、今や業界のホワイト企業として君臨している。新生ワタミの再起は本当なのか?

◆「ワタミ=ブラック」から背水の陣で汚名返上

 ブラック企業の代名詞とされてきた「ワタミ」。’08年に長時間労働による過労自殺が発生し、’13年には「365日24時間死ぬまで働け」と書かれた理念集が報道され、さらにブラック企業大賞を受賞。「ワタミ=ブラック企業」というイメージを決定づけた。

 だが、汚名返上とばかりに、この2〜3年ほどで労働環境は大幅に改善され、“ホワイト化”を目指した成果が出てきている。

 年間離職率は、’16年は21.6%だったのに対し、’19年は8.5%と業界水準を大きく下回るレベルを達成。ブラック企業の代名詞は、過去のものになりつつあるのだ。

 かつてワタミをブラック企業と批判していたブラック企業アナリストの新田龍氏は、ワタミの取り組みを高く評価している。

「ワタミの社員は働くことに前向きな人が多く、経営側がそこに甘えた結果がブラック環境を招きました。それを改めて、ワタミは’13年に外部有識者による業務改革検討委員会を設置し、労働環境改善の対応策を実施しました。

 会議や研修を効率化し、メンタルヘルス相談窓口を設置したほか、特に効果的だったのは、店舗数削減と営業時間の見直しです。1年間で全店舗の約1割相当にあたる60店舗を閉鎖し、来店が少ない時間帯の営業時間を短縮することで社員の負担を減らしました」

 さらに、ワタミがホワイト化できた理由を次のように分析する。

「いい意味でワンマンだったので、上意下達で反応が早かった。これが階層が分かれている会社だと改革に時間を要したり、社長の任期が決まっている会社だと他人事になってしまいます」

 対外的にインパクトが大きかったと新田氏が評価するのは、’16年に発足した労働組合だ。もともとワタミは「社員は家族であり同志」という企業理念に倣い、労組に否定的だった。

 産業別労働組合・UAゼンセンに加盟するワタミメンバーズアライアンス委員長である亀本伸彦氏は、労組が発足した頃をこう振り返る。

「ブラック批判で次々に社員が辞めていくのをつなぎとめたかった。同僚3人でUAゼンセンに相談するところから始め、労組を結成して経営者と話し合いの場をつくることができました」

 会社の体質も徐々に変化してきているという。

「それまでは従業員が会社に対して意見を言うという発想がありませんでした。それが、労働組合が生まれたことでヨコのつながりが強化され、“自分たちの会社のことは自分たちで決める”という考えが出てきた。会社の社風も以前ほどトップダウンではなくなったと思います」

 労働組合の発足で’17年には賃金ベースアップ、’19年に勤務間インターバル制度の導入を実施するなど、労働条件の改善は進んだ。

◆「ワタミと知ってたらバイトしてなかった」

 関西地方で働く入社10年目の社員、佐久間啓太さん(仮名)は、ワタミのホワイト化を肌で感じているという。

「昔は有休は取れないしサービス残業もありましたが、今は海外旅行や趣味を楽しむ社員も増えました。本社の残業管理の徹底と、コンプライアンス窓口の設置が大きかったと思います。窓口はアルバイトにも開放されて不正をした社員が通報されたりして、ここ数年で劇的に変わりましたよ」

 残業は1分単位で給料がつき、会議やイベントも勤務時間と扱われるようになったという。

 ’12年から今年3月までワタミで6年半アルバイトをしていた中田和也さん(仮名)も「途中から福利厚生が良くなりました。ディズニーランドの割引が利いたり食事券が配られたり、働くことでの見返りが増えました」と話す。

 こうした改善策を積み重ねた結果、ホワイト財団による“ホワイト企業度診断”で、87点(ホワイト認定基準は60点)を獲得し、業界内のロールモデルと呼ばれるまでになった。

 また、「三代目鳥メロ」「ミライザカ」などの店名に「ワタミ」を感じさせない“ワタミ隠し”も功を奏した。人材を確保し、結果、従業員の負担を軽減。アルバイト歴1年半の篠山弘さん(仮名)はこう話す。

「ワタミだと知らずにバイトに応募しました。もし知っていたら応募してなかったです。ですが、働いてみたら厳しい決まりも理不尽に怒られることもないし、過去の飲食店バイトと比べるとホワイトな印象です」

◆渡邉美樹氏の復帰は吉と出るか?

 懸念されるのは、今年10月から創業者の渡邉美樹氏が代表取締役に復帰したことだ。’13年に参議院議員となった渡邉氏は、約6年間ワタミの経営から退いていた。労働環境が改善されたのは渡邉氏が不在の時期のことなのだ。

 前出の佐久間さんは「仲間の社員は渡邉氏の復帰に戦々恐々としている」と言う。中田さんも「毎月本社から渡邉美樹氏のビデオレターが届いて、感想を提出しなくてはなりませんでした。『根性論ばかりで、現場のこと何も見てないんだな』と思いましたね」と、渡邉氏の考え方に違和感を抱いていたようだ。

 しかし、前出の新田氏は「ホワイト路線で成果が出ているので、リスクになるようなことにはなり得ない」と指摘する。

「復帰は渡邉氏から無理強いしたと思われそうですが、実際は他の外食企業から顧問オファーが殺到したこともあり、ワタミ側から『他社に行くと脅威になるので、ぜひウチへ』と依頼したのです」

 また、亀本氏も渡邉氏復帰について「労組としては心配はしていません。創業者の復帰にドキドキしている社員もいるかもしれませんが、渡邉氏はより社員を大事にすると思います」と話す。

 果たしてワタミはホワイト企業として存続していけるのだろうか。

「ホワイト企業でいられるのは利益ありき。渡邉氏がいない期間は、経営を維持するだけでした。そうなると、存命のうちにいかに儲かる事業をやるかにかかっています。

 早速、渡邉氏は東日本大震災の被災地で農業観光施設を始めるという新しいビジネスを打ち出していたので、期待できるでしょう」(新田氏)

 今回、ワタミ広報にも取材をお願いしたものの「センシティブな内容なので、お断りさせてください」とのことだった。

 渡邉氏はホワイトな労働環境を維持しながら、ワタミをさらに成長させることができるだろうか。腕の見せどころになりそうだ。

【ブラック企業アナリスト 新田 龍氏】
’76年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、グッドウィル入社。’05年に独立し、人事コンサルタントとして活動。著書に『ワタミの失敗』など

【労働組合委員長 亀本伸彦氏】
UAゼンセン ワタミメンバーズアライアンス中央執行委員長。’02年ワタミ入社、2年目で店長を任され、本部勤務を経て’16年に労働組合を設立

<取材・文・撮影/西谷 格 ツマミ具依>
※週刊SPA!11月19日発売号より

このニュースに関するつぶやき

  • でも、ちゃんナベがが戻ってまた漆黒になるんでしょう?
    • イイネ!2
    • コメント 0件
  • 散々、人様に迷惑かけてた不良が更生したのを「偉いね」と誉めるのと同じようなものだろ?。 こんな記事。
    • イイネ!167
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