12月4日にフランス・パリで行われたWMSC世界モータースポーツ評議会(ワールド・モータースポーツ・カウンシル)で、2022年からWRC世界ラリー選手権に導入される新しいテクニカルレギュレーションの基本骨子が承認された。ハイブリッドが導入される2022年からシリーズ最上位クラスは『ラリー1クラス』と名付けられる。
WRCでは新しい車両レギュレーションが導入される2022年から、ハイブリッドシステムが導入されるほか、ベースマシンについてもスケーリングを行うことが認められる。
今回のWMSCで承認されたのは、現行のWRCクラスにあたるラリー1クラス向けテクニカルレギュレーションの骨子。ここではラリー1クラスにハイブリッドを導入すること、マシンボディは市販車ベースのボディシェル、またはチューブラー構造のボディシェルを使用すること、ガイドラインに合うようにスケーリングを認めることが定められた。
またFIAとシリーズに参戦する自動車メーカーが協力しながらテストが進められている標準クラッシャブルストラクチャーによって、安全性の強化、チームの開発プロセス簡素化を目指すという。
2022年シーズンから採用されるパワーユニットについて、ICE(内燃機関エンジン)は現行と同じ1.6リッターの直列4気筒ターボエンジンをベースとしながら開発を制限することでコストを抑制。これに100kWのeモーターが組み合わされる。
eモーターについては、全チーム、全車が共通のハードウェアとソフトウェアを使用。街なかでは100%電気で駆動し、SS(スペシャルステージ)では電気による“パワーブースト”を得られるようになる。
またFIAは「現行のWRカーが持つ“攻撃的な美しさ”は新世代のマシンにも受け継がれる」ともしており、エアロパーツを備えたエクステリアは維持されることとなりそうだ。
そのほか、WRC参戦チームにより多くの走行チャンスを与えるべく、各チームに追加でマシンを1台だけエントリーさせることも認められた。
追加可能となった1台のマシンは、本隊のワークスチームとは異なるサテライトチームでのエントリーとなり、獲得したポイントはワークスチームに還元されないとも記されている。