凌、なぜ女性メンバー全員を敵に回した? 『テラスハウス』第30話未公開映像

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2020年01月30日 15:02  リアルサウンド

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『TERRACE HOUSE TOKYO 2019-2020』(c)フジテレビ/イースト・エンタテインメント

 Netflixで配信されているリアリティーショー『TERRACE HOUSE TOKYO 2019-2020』。1月21日にYouTubeにアップされた未公開映像には、凌への現在の想いを打ち明ける愛華と花それぞれの姿が収められていた。


(関連:ビビ、恋愛観において凌との決定的な“ズレ”が発覚? 『テラスハウス』第29話未公開映像


「親しき中にも礼儀あり、だね」


 男女6人が共同生活する様子をただただ記録したもの、それが『テラスハウス』。本編では、現在31TH WEEK“Publicity Stunt(売名行為)”までが配信されている。『東京2020オリンピック』に向けてか、いまの“東京”をそのまま表現するためか、はたまた違う意図があってか……、明確な理由はわからないが、いま現在の入居者は『TERRACE HOUSE ALOHA STATE』(ハワイ編)に負けず劣らずグローバルな顔ぶれが揃っている印象だ。


 そんな中、ここ最近は他人同士かつ文化が違う男女が共同生活を送ることで生じる“ズレ”が明白になっているように思う。


 たとえば、30th WEEKの未公開映像“Apology Of Lady-Killer”で、凌が愛華を泣かせてしまい、その原因となった言葉の意図を説明するシーン。事の発端は、昨夜、凌が愛華のInstagramを見て、「加工しすぎじゃない? 実物と全然違うじゃん」と指摘したこと。そこから気まずくなり、会話していなかった二人だが、凌が愛華をプレイルームに呼び出して、話し合うことに。凌は愛華が涙を流した理由がわからなかったようで、「なんで(泣いた)か教えて欲しい。俺もなんで言ったか言いたいし」と口にする。それを聞いた愛華は驚き、「え!? なんで言ったか理由があるの? 普通にいつものいじりで言ってたんじゃなくて?」と尋ね返した。そこから次のような会話が続く。


「いつものいじりもだけど……。なんか言い方が変な風になっちゃうけど、可愛いのに使う必要あるのかな? っていう意味で言ってた」(凌)
「いや、それは絶対後付けだよ!」(愛華)
「いや、まじまじまじ! 本当! 俺ずっと思ってて。やっぱさ、それ(加工アプリ)使ってる人がいっぱいいるじゃん? だから、なんでそのまんまじゃダメなんだろうなっていう素朴な(疑問)」(凌)
「いや、絶対嘘だよ!」(愛華)
「……確かに、いじりは8割くらいだった」(凌)
「なんか本当にすごいタイムリーで、自分がそれ(加工と現実の違い)で悩んでたの。『このアプリを使った顔になりたいな』とか『なんで自分ってこんな顔してるんだろう』とか、すごく悩んでて。『本当に傷つくからやめて』って言ったじゃん? 一応そこでさ、ストップをかけたつもりだったんだけど、まぁ止まらないじゃん?」(愛華)
「俺、いつもの感じだと思って……。ごめんね? そうだよね」(凌)


 いつものいじりの延長線上だったことを認めつつも、ネガティブな意図はなかったと弁明する凌。だが、愛華にとってそんな理由は、おそらく取るに足らないこと。彼女は、いま一番触れられたくない部分に踏み込まれたことが、ただ耐えられなかっただけで、言葉の真意はそこまで重要ではなかったはず。あくまでその指摘自体が嫌だったのだ。これは、男女間もしくは個人間の“ズレ”と言えるだろう。最終的には、凌が「本当にごめん。仲直りしよう」と頭を下げ、「親しき中にも礼儀あり、だね」と反省していた。


 また30th WEEKの未公開映像“Love Is More Difficult Than Squat”では、花がプロレスラーの先輩ジャングル叫女と小波を呼び出し、恋愛相談をする。凌をディナーデートに誘うも、当日まであやふやにされた挙句、「親友とご飯行くからやっぱ無理だわ、ごめん」とドタキャンされたことを明かした花は、告白しようと覚悟を決めていただけに「心がポッキリ折れた」と嘆いた。「完全に終わった」と思っている花に対して、叫女と小波は「絶対諦めないほうがいいよ! だってデート誘って、予定があって振られてるんだよ? 当たり前じゃない?」「花はまだ何も始まってないし、何も終わってないと思う」とアドバイスを送る。叫女と小波は、実際に凌に会ったことはなく、花から聞く話でしか判断できないため、「まだわからない。可能性はある」と思ってしまってもおかしくない。つまり、凌が考える“相手を傷つけない優しさ”が、花にとっては“勘違いを招きより傷つく”結果に繋がっていた。この優しさと恋愛においてのセオリーの“ズレ”が、愛情から憎悪へと花を変貌させてしまう。


 他にも30th WEEKの未公開映像“I Don’t Know How To Communicate”で、花が「愛華はまだ凌への好意があるのではないか」と疑っているが、その原因もお互いの恋愛観の“ズレ”から生じたもの。最近、凌に避けられている気がすると悩む花は、愛華を屋上に誘い、そこで「(凌さんは)愛華ちゃんといるときはすごく楽しそうに話してるけど、私と二人っきりになったら全然話題がないなって思ったから、すごく二人のコミュニケーションが羨ましい」と打ち明ける。「愛華ちゃんが気持ちが戻ったのかな? って思った」と不安そうにする花に対して、愛華は困ったような表情を浮かべながら「友達として見てるから、あの感じだった」と説明していた。友達だからこそ親密に接することができる愛華と、男女間の仲の良さはすべて恋愛につながると考えている花。その“ズレ”が一番顕著に出ていたのが、本編23rd WEEKから24th WEEKまで続いた二人のバトルだ。


 限りなく近いことはあっても全く同じ思考を持つ人など、この世には決していない。だからこそ、日常生活においても人と人の間には必ず“ズレ”が生じ続けているもの。それをうまく譲歩しあいながら、私たちは日々生きている。だが、共同生活となったらどうだろうか。お互いの距離感が近すぎる上に、逃げることはできない環境下。ついつい“親しき中にも礼儀あり”を忘れてしまうのではないだろうか。ちょっとした“ズレ”が積み重なり、蓄積され、何かをきっかけに簡単に崩れてしまう。それがまさにいま、31st WEEK本編で起こっているように思った。凌vs女性陣の構図を招いたのは、結局はこの“ズレ”が原因だったのではないだろうか。


 男女のズレだけでなく、性格のズレや価値観のズレなども致命傷になりかねないシェアハウス。いまの『テラスハウス』は、そこに文化のズレと恋愛観のズレも加わってくるのだから、なおさら平和に暮らすことへの難易度は高いはず。凌がこれまで蒔き続けた“ズレ”の種が、そこかしこで一気に芽吹いてしまったいま。彼自身が育てたバラの棘に全身を締め付けられてしまい、“誰も傷つかない暮らし”はさらに遠のいてしまったように思う。まずは出血覚悟で、一刻も早く、すべての芽を摘み取る必要があるのではないだろうか。(文=朝陽空)


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