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「万引きは100円でも逮捕されるのに、詐欺は大金でも逮捕されない」
なんだか「かしこいヤツだけ得をする」みたいな感じで腹立たしいですよね。
テレビでは万引きGメンが菓子パンひとつを盗んだ人を極悪人のようにつかまえているのに、振り込め詐欺は数千万円をだましとってもなかなか逮捕されない…
「この差はなんなの?」
今回は「元警察官ライター」である鷹橋さんにその理由を聞いてみました。
どんな犯罪がどのくらい起きているのか、どのくらいの犯人が捕まっているのかをまとめた「犯罪白書」という資料があります。
平成30年版「犯罪白書」のデータをみてみましょう。
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全体の犯罪件数
約90万件 窃盗…約65万件
詐欺…約4万件
なんと、発生件数を比べると窃盗は詐欺の16倍以上!
あまりにも窃盗の発生件数が多すぎるので「万引きばかり捕まっている」という印象があるのです。
万引きは「お金を支払わずに店外に持ち出した」だけで成立します。
現に盗んだ商品を持っていれば、言い逃れなんてムダでしょう。
でも、詐欺は「ウソだった」ことを証明しなくてはいけません。
そもそも詐欺なんてウソつきの犯罪ですから、容疑者が「だますつもりだった」と正直に白状するわけありませんよね。
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「返すつもりだった」「もらったものだと思っていた」という言い訳を叩きつぶさないといけませんが、その証拠をみつける作業があまりにも難しすぎるのです。
犯罪白書には「何人が逮捕されたか?」のデータも掲載されています。
もちろん、みなさんのイメージでは「窃盗のほうが逮捕されやすい」はずですよね。
では、窃盗と詐欺の逮捕率を比べてみましょう。
窃盗の逮捕率…約30%
詐欺の逮捕率…約60%
なんと、詐欺のほうが2倍も逮捕されやすいという驚きの事実がわかります。
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「なんで?」と不思議になりますよね。
万引きでは、その場で代金を支払って許してもらうケースが大半です。
許してもらえなくても、逮捕されずに自由の身のままで取調べをうける「任意事件」がほとんど。
ところが、詐欺事件は容疑者の口から「ウソでした」と言わせるために、専門の刑事がとことん取調べをします。
「今日の取調べは終わったから家に帰っていいよ」なんて甘い対応はしてあげません。
みっちり取調べをするためには、逃げられないように逮捕したほうがいいわけです。
単純に発生件数が多いから「万引きばかり逮捕される」というイメージがありますが、実は詐欺もしっかり逮捕されて罰を受けています。
むしろ詐欺のほうが高確率で逮捕されていて、しかも刑罰が重たいというオマケまでついているのだから、ドロボーよりも詐欺師のほうが大変ですね。
この記事の監修者
鷹橋 公宣(たかはし きみのり)
振り込め詐欺や銀行員の巨額横領事件などの捜査を担当してきた元知能犯刑事。警察署勤務時代は幅広い事件を担当。
現在は退職し、法律事務所などのコンテンツを中心に執筆活動を続けるWEBライターとして活動中。noteでは警察のウラ話やお役立情報を発信。
【元刑事ライターきみぽんのnote】
【元警察官が教える】万引きはすぐ逮捕されるのに詐欺はすぐ逮捕されないのはなぜ?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
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