丸井グループが、D2Cのエコシステムを支援する新会社 ディーツーシーアンドカンパニー(D2C&Cо.)を設立した。同グループが100%出資する持株会社で、資本金は1億円。丸井グループの取締役常務執行役員CFOを務める加藤浩嗣氏が代表取締役社長を務める。
ディーツーシーアンドカンパニーはD2C企業と幅広く連携し、互いに協力しながらD2Cの成長や発展を目指すことを目的としている。同社を通じて、アパレルや雑貨をはじめとする幅広い分野のD2Cスタートアップ企業への投資や出店のサポートなどに加えて、年間2億人が来店するマルイ店舗や700万人超のエポスカード会員、小売ノウハウを持つ人材といった丸井グループの経営資源を最大限に活用し、モノづくりからECサイトの構築、リアル店舗への出店および運営に至るまで、D2C関連の領域全般でスタートアップ企業を支援する。
新会社設立の背景について丸井グループは、オフラインをベースとした同グループの実店舗の根本的な見直しの必要性や、商品の背景にあるストーリーへの共感で繋がるようになった顧客とブランドとの関係性の変化などを挙げる。D2C全体を発展させることで、新たな価値を提供する店作りを進め、グループ全体の企業価値向上に繋げるという。丸井グループでは既に「ファブリック トウキョウ(FABRIC TOKYO)」を展開するFABRIC TOKYO、パーソナライズシャンプー&トリートメント「メデュラ(MEDULLA)」を販売するSparty、ECプラットフォーム「ベイス(BASE)」を運営するBASEなどと資本業務提携してきたが、今後3年間でグループ全体では170億円、新会社では30億円をベンチャー企業に投資する予定だ。丸井グループでは近年の消費環境の変化に対応した体験型ストアへの転換を進めており、D2Cブランドによる出店はその中心的役割を担うという。
丸井グループ 青井浩代表取締役社長は「丸井グループだけの業績がよくなれば良いというわけではなく、D2Cの繁栄を通じて社会全体がよくなることを本気で信じている。単なる一子会社ではなく、新たなビジネスモデル、新しい未来を作っていく会社にしていきたい」と新会設立について話す。今後の展開として、D2Cブランドを集約し、相互送客を促進することを目的としたキュレーションサイトの構築なども計画しているという。
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