『KinKi Kidsどんなもんヤ!』、20年ぶりタイトルコール変更の“ワケ”が語られる日は来るか ゆるさこそが番組の魅力に

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2020年02月19日 06:01  リアルサウンド

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KinKi Kids

 1994年10月10日より、25年以上にも渡って放送されているラジオ『KinKi Kidsどんなもんヤ!』(文化放送)。タイトルコールは、なんと初回に収録された当時15歳の堂本光一と堂本剛の声を、そのまま使い続けてきた。


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 今ではレコーディングの際に、まるで1人の歌声のように聞こえてしまうと言われるほど親和性の高い2人の声。だが、タイトルコールの声は、若干タイミングがズレてしまっているのが微笑ましい。まだ幼さを感じさせる高い声を聞くたびに、2人の歩んできた歴史の長さ、そして現在の息の合いっぷりを愛しく思うファンも少なくなかったはず。


 だが、2月10日放送回では、少し様子が変わった。聞き慣れたタイトルコールではなく、堂本剛が現在の声で、そのままタイトルを読み上げたのだ。「ちょっと何が正しいかわからない感じで言いましたけれども……」と本人も若干戸惑いながら、トークをスタートさせていた。


 さらに、2月17日放送回では2人揃って登場するも、またもや現在の2人の声でタイトルコール。堂本光一が低めに出したのを感じ取って、堂本剛も少し野太い感じで言うなど、おふざけモードではありながらも、さすがタイミングはバッチリ。そんなことに感心していると、「いつものね、20年以上前に録ったタイトルコールじゃないところからスタートしましたけど、なんかいろいろあったらしいんですよ(笑)」と堂本光一。


 事前に番組公式HPの予告にも「ワケあって」と書かれていたので、2人の口からその“ワケ“が語られるのかと思いきや、結局「いろいろあったらしい」と濁されてしまう形に。さらに「今日のみの仕様かもしれません」と、謎は深まるばかり。


 実は、このタイトルコールについて、過去の放送でスタッフが「マスターテープがないです」と話していたことがあった。「オープンリールもなし」ということだったので、もしや今回の“ワケ“とは音源がなくなってしまったのではないだろうか。


 振り返れば、25周年記念特番の際にも、「過去放送の音源がない」と割り切っていた同番組。「過去の音源をmp3に変換してメールで送っていただくパターンは、ファイル便などを利用して送っていただけたらスタッフもサーバーも助かる」「送り方がわからないという方は、過去の音源をCDにダビングしていただき、郵送で」と、リスナーにお願いしていたのが新鮮だった。


 だが、そんなゆるさこそ、『KinKi Kidsどんなもんヤ!』が続いてきた理由のような気もする。なくなってしまったら、リスナーに助けを求める。KinKi Kidsも無理にテンションを上げることなく、くだらない話で2人きりの世界になっていることも珍しくない。堂本光一がロケ番組後に酔っ払ったままスタジオ入りしたり、『みんなのうた』(NHK総合)の「おっぱいがいっぱい」をフルコーラスで歌う伝説の回が生まれたのも、この番組ならでは。


 そして実際にフタを開けてみると、特番までに多くの音源が届いたというのだから素晴らしい。この番組を愛情深く見つめ、記録し、育ててきたのは、他ならぬリスナーたち。これからも、ついつい手を差し伸べずにはいられない番組スタッフと、自由奔放なKinKi Kids、そしてしっかり者なリスナーたちの、ゆるゆるとした歴史が続いていくのを楽しみたい。さて、肝心な“ワケ“について、ちゃんと語られる日はくるのだろうか。次回のタイトルコールに注目だ。(佐藤結衣)


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