ONEPIXCEL、結成5周年の旅はどこへ向かう? ワンピクワールドを巡った2020年初ワンマン公演レポ

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2020年02月20日 12:22  リアルサウンド

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写真ONEPIXCEL
ONEPIXCEL

 結成5周年を迎え、メジャー1stアルバム『LIBRE』のリリースを間近に控える3人組のガールズグループ・ONEPIXCELが2月9日にキャリア最大規模となる神田明神ホールで、2020年最初のワンマンライブ『「Ride on Time」〜Three Two One Action!!!〜』を開催した。


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 開演時間が近づくと、場内の照明が少しだけ落ち、空港の搭乗口を思わせるSEが聞こえてきた。多くの人が行き交っている賑わいと英語によるアナウンスに加え、飛行機のエンジンのような低音も薄く響いていた。この音が聞こえるということは、機内の席に着いたということだろう。続いて、「アテンション、プリーズ。本日はワンピク航空0209便をご利用いただきまして、誠にありがとうございます。客室を担当させていただきますのは、傳(彩夏)、鹿沼(亜美)、田辺(奈菜美)でございます。当機はまもなくONEPIXCEL WORLDに向けて離陸いたします。本日はONEPIXCELの圧倒的なパフォーマンスを受けて、気持ちが上昇し続けてしまうことが予想されます。離陸に先立ちまして、心をアゲる準備をしていただけますようお願い申し上げます。それでは、快適な空の旅をお楽しみください!」という機内アナウンスが流れると、ステージ上のスクリーンには客室乗務員の制服を着た3人によるオープニング映像が映し出され、飛行機の離陸音と共に新衣装を着た3人がステージに登場。挨拶がわりのEDMポップ「hello, wonder star」で出発の高鳴りを表現し、鹿沼の「はぐれずについてきてください」という呼びかけに歓声を上げた観客をのせた飛行機は軽やかに飛び立った。


 強い光に向かって真っ直ぐに手を伸ばす動きが印象的な「Time」、フロアにクラップが巻きこった「Sparkle」、サビでは観客が一緒に手を回しながら合唱した「We Go Now」。最初のブロックは機内のイメージだ。シートベルトサインが消え、3人は機内を自由に動き回っていた。時には中央に集まって3人で見つめ合い、時には一気に四方八方へと広がってみせ、その空間をダイナミックに使っていた。ダンスやフォーメーションだけでなく、田辺がソロで主メロを歌う際には、傳がファルセット、鹿沼がハイトーンを響かせるなど、歌声においても立体的な音像を作っていた。観客もまた、シートベルトを外して大きく背伸びをし、声や手をあげ、一緒に歌い、踊った。「We Go Now」の歌詞にある通り、“今を楽しもう!”というメッセージが伝わってくる構成となっていた。


 傳のひと言によって、飛行機はジャングルへと到着。傳から田辺、そして、鹿沼へと歌い継ぐダンスポップ「Tell us!!」ではタオルを回して盛り上がり、ロックナンバー「S」ではみんなで高くジャンプ。楽曲の締めのポージングがそのまま次の曲のオープニングに繋がっている「Summer Genic」では実に女性らしいクールでセクシーなダンスを魅せた。また、観客による〈ナナナナ〉の合唱に鹿沼がフェイクを乗せるシーンで自然と感嘆の声が上がったことも記しておきたい。


 サマーソングの後は、南半球から一気に北半球へと飛び、季節は冬へ。「ワンピクからのYou’re My Valentine」という告白から始まった「be with you」では客席にチョコを投げたと思ったら、女の子らしい毒っけが詰まったガールクラッシュ系の「Slow Motion」へという甘辛ミックスな展開。ラップする傳、二人をどかして前に出る鹿沼、気持ちよく歌い上げる田辺。強い女性像を表現した彼女たちだが、この3人でしかなし得ないコンビネーションの新たな可能性を強く感じたのは、続く、「Go My Way」だ。田沼が「私たち初のウィンターラブソングになっています。大切な人を思って聞いていただきたいし、背中を押せるような曲にしていきたい」と語った楽曲は、彼女たちにとっては初めて声を重ねないエモーショナルなミドルバラードとなっているのだ。一人が歌っている時は残りの二人はパフォーマンスに専念するという新機軸で、その世界観やストーリーに思わず入り込んで見入ってしまうような求心力があった。このパフォーマンスは是非ともライブで見て欲しいと思う。


 夏と冬を味わった観客は鹿沼の「ここからは神秘的な場所に連れて行きたいと思います」という言葉に導かれて、ここではない、どこか遠い世界へ。メジャーデビューシングルにして、アニメ『ドラゴンボール超』のEDテーマに起用されたガーリィーハウス「LAGRIMA」と田辺が力強く歌い上げる「monochrome」で光差す方へ手を伸ばして宇宙へと到達。そして、「Girls Don’t Cry」では強気に挑発的にパフォーマンスし、キレキレのダンスを魅せた「Howling」ではハイキックも繰り出し、強い女性の前向きな心情を表したトラップナンバー「Final Call」でワンピクワールドの旅は幕を閉じた。この日の「Final Call」は搭乗の最終案内という意味だろう。「私たちが求めた期待や自由を叶えていくけど、あなたはどうする? ついてくる?」というメッセージが込められているように感じた。


 アンコールでは、アルバムのリード曲であるネオディスコ「DO IT, DO IT」を披露した後、田辺が「コロナウイルスとかもあるので、中止になるんじゃないかと心配でしたが、5周年イヤーの最初のワンマンライブができてほっとしてます。みなさん、これからもついてきて下さい」と語ると、鹿沼は「最高のライブができたんじゃないかと思います」とこの日を振り返って感想を述べ、傳は「5周年企画、いいスタートが切れたんじゃないかと思います!」と満面の笑顔で声をあげた。


 そして、明日に向かって歩き出すという前向きな姿勢を感じる「TURN ME ON」でハイタッチをした後、肩を組んで歌い、最後に3人で手と手を繋いで未来に進むという意思を込めた「Take Off」で視線を空高く向けて、ワンピクの旅は締めくくられた。「Take Off」とは、「離陸」という意味であり、ライブのタイトルになっていた「Ride on Time」には“時流に乗る”という意味の他に、「乗り遅れるな!」という意味でもある。ワンピクの結成5周年の旅はまだはじまったばかり。地図を広げた3人は次はどこへ連れて行ってくれるだろうか。(永堀アツオ)


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