Hey! Say! JUMPやSexy Zoneへの期待、Travis Japanとなにわ男子の存在感……「ジャニーズ楽曲大賞」結果に見る変化の兆し

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2020年02月23日 12:02  リアルサウンド

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 「ジャニーズ楽曲大賞」が今年も開催されました。ジャニーズ事務所所属アーティストがその年に発表した楽曲やMV、コンサート等に対して、今回も実に2万人近いファンが投票に参加し、6万人以上のフォロワーを中心にTwitter上で大いに盛り上がりました。


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 一個人の非公式企画ですので、主催者の言葉を借りると、この結果は決してファンの総意ではありません。しかし、ファンの生の声がこれだけ集約・整理されたものも、他に類がありません。そこで今回は、僕自身も大ファンである「ジャニーズ楽曲大賞」への敬意を表しつつ、僭越ながら、2019年のジャニーズを投票結果から振り返ります。


■広く愛されたシングルが多かった2019年
 前年2018年は、King & Prince「シンデレラガール」というモンスターソングが、圧倒的な強さを誇りました。対して2019年は、各グループの2019年を代表する曲がしのぎを削り、結果は接戦となりました。


 楽曲部門トップテンの構成は、Hey! Say! JUMP、嵐、King & Princeが2曲、関ジャニ∞、Sexy Zone、ジャニーズWEST、KinKi Kidsが1曲と、「ジャニーズ楽曲大賞」で例年強いグループが名を連ねています。過去の傾向として、広く愛されたシングル曲が上位にランクインしやすいですが、2019年はそれが如実でした。


 ここで注目されるのは、「ジャニーズ楽曲大賞」の豊富な「おまけ」の1つである「他担票ランキング」。自分が応援するグループ以外への投票を集計したランキングです。上位5曲が各グループの2019年を代表するシングル曲となっており、ジャニーズファンから広く票を集めたことが伺えます。


他担票ランキング上位5曲
1位: 「koi-wazurai」King & Prince(全体順位:4位)
2位: 「ファンファーレ!」Hey !Say! JUMP(全体順位:1位)
3位: 「Turning Up」嵐(全体順位:3位)
4位: 「友よ」関ジャニ∞(全体順位:2位)
5位: 「麒麟の子」Sexy Zone(全体順位: 6位)


 やはり2019年も引き続いて、King & Princeに勢いがありました。映画の主題歌となり、キャッチーなアイドルソングとなった「koi-wazurai」は、今の彼らの強い輝きを象徴する楽曲だったと言えます。


 また、各公式SNSで広く拡散し世界に攻めていく姿勢を示した嵐初のデジタルシングル「Turning Up」や、5人の再出発を象徴する歌詞と力強い歌唱で多くの人の心を捉えた関ジャニ∞の「友よ」は、中堅勢の劣らない意欲を感じさせました。楽曲のテイストは非常に対照的な2曲ですが、嵐、関ジャニ∞、両グループの個性が発揮されるとともに、彼らの想いが色濃く反映された点が、多くの評価を得たのでしょう。


 また、全体順位で1位を獲得したHey! Say! JUMP「ファンファーレ!」や6位のSexy Zone「麒麟の子」にも言えますが、これまでのグループにおける“らしさ”を継承しつつ、一味違う雰囲気を感じさせた楽曲が上位にランクインしたことも、特徴と言えます。


 Hey! Say! JUMPはメンバー最年長の薮宏太が30代に突入し、少年っぽい印象が強かったSexy Zoneも、最年少のマリウス葉がまもなく20歳と、いずれも年齢と経験を重ねてきました。これまでとは違った印象を見せていくことで、個人としてもグループとしても成長している姿を敏感に感じ取ったファンが、期待を込めて投票したのではないか、とも考えられます。


 個人的にこの動きは、2020年さらに顕著になると予想しています。2020年早々にSixTONESとSnow Manがデビューを果たしました。先輩グループたちはこれまでとは違った一面を見せながら、差別化を図る必要があります。後輩グループのデビューというインパクトの大きなイベントに負けないように、各グループともさらに大きな動きを打ち出してくる可能性があり、2019年はその兆候が見られた年だったのではないでしょうか。


■『PARADE』が高く評価されたHey! Say! JUMP
 例年、Hey! Say! JUMPファンは「ジャニーズ楽曲大賞」の参加に積極的です。ただ、それを考慮しても、2019年の「ジャニーズ楽曲大賞」におけるHey! Say! JUMPは非常に存在感が強かったと感じています。


 Hey! Say! JUMP「ファンファーレ!」は、山田涼介の主演ドラマ主題歌ということもあり、1位という結果にも非常に納得感がありました。この楽曲の作曲・編曲は辻村有紀と伊藤賢。2018年にシングルのカップリング曲ながら楽曲部門13位に食い込んだNEWSの「夜よ踊れ」と同じコンビの作品です。辻村有紀と言えば、Fox.i.e名義で作曲した嵐・二宮和也のソロ曲「また今日と同じ明日が来る」もあります。ジャニーズの中では、おしゃれで少し大人っぽい楽曲のイメージです。


 また、12位に「パレードは終わらない ‐Life is an Adventure‐」14位に「パレードが始まる」と、いずれも辻村有紀&伊藤賢コンビの作品がランクイン。アルバム『PARADE』のカラーを決定づけたとも言えるコンビの楽曲が、ファンにも高く評価されたと言えます。


 さらに、上位の結果で爪痕を残したのが、アルバム『PARADE』のシークレットトラックにも関わらず8位にランクした「め」です。「め」を連呼するなど遊び心のある歌詞と、ライブでのかわいらしいパフォーマンスが、ファンの心にも強烈なインパクトを与えた曲でした。


 総じて、アルバム、そして現場部門でも1位を獲得したツアー『Hey! Say! JUMP LIVE TOUR 2019-2020 PARADE』での高い評価が、「ジャニーズ楽曲大賞」の結果にも大きく反映されたと考えています。やはり活動の大きな源泉はアルバムとツアー。それを高い質で示してくれた2019年のHey! Say! JUMPだったと言えるでしょう。


■MV部門、未音源化部門に見られるジャニーズJr.の存在感
 楽曲部門以外に目を移してみると、MV部門は500ポイント内に6曲がひしめく大混戦でした。その中で、1位を獲得したのがTravis Japanの「Namidaの結晶」。ジャニーズJr.のMVが、2018年のSixTONES「JAPONICA STYLE」に続いてのMV部門首位となりました。近年大きな盛り上がりを示すジャニーズJr.の強さを、2019年も引き続き示したと言えます。


 未音源化部門で1位を獲得したのは、なにわ男子の「ダイヤモンドスマイル」。前年との比較では、なにわ男子の「なにわLucky Boy!!」が8位だったことを考えると、その成長は著しいです。なにわ男子のキラキラ感を印象づけた楽曲の良さもあり、従来の関西らしい楽しさ、面白さといった魅力も相まって、まさに関西発の次世代アイドルという存在感を感じさせる楽曲となりました。


 なにわ男子の「ダイヤモンドスマイル」とTravis Japanの「Namidaの結晶」は、非常に対照的な楽曲ながら、双方の個性を際立たせる結果となりました。グループとしてのカラーがあるのは、やはり強いです。今のジャニーズJr.はTravis Japanとなにわ男子が牽引している、そんな印象を強くしました。


■2020年はさらに大きな動きが期待できる年
 先にも述べたとおり、2020年に向けて各グループはそれぞれの存在感をさらに発揮すべく、大きな動きを感じさせています。若手グループが続々とメジャーシーンに参入する中、ベテラン・中堅グループがこれまでの集大成や新たな一面を見せることで、ファンの心を捉えようとします。


 2019年の「ジャニーズ楽曲大賞」の結果は、2020年をより印象的な年にするための、助走にあたる年だったと言えるでしょう。変化に向けての兆し、その先には、各グループがかつてないほどの大きな存在感を示す未来が待っている、そんな期待を僕はしています。(ジャニヲタおじさん)


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