ホンダF1浅木PU開発責任者インタビュー:密接な意思疎通で年々早まる開発ペース「目標はメルセデスと同等かそれ以上」

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2020年02月23日 23:11  AUTOSPORT web

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写真マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
 タイトル争いが期待される今年のレッドブル・ホンダ。ホンダも例年以上に気合いが入っており、ウィンターテスト前半の三日間には、浅木泰昭HRD Sakuraセンター長が日本から駆けつけ、テストの行方を注視していた。テスト前半を終えた段階での手応え、抱負を聞いてみた。

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──3日間を終えて、どんな手応えを得ていますか。
浅木泰昭HRD Sakuraセンター長(以下、浅木センター長):予定通りという感じですね。

──想定通りの数値が出ているのですか?
浅木センター長:まあ、そんなところです。ただ相手がどこまで出してくるかですね。

──2019年は「シーズン終盤、メルセデスに数値的に追い付く」という目標を掲げてやってきたわけですが、いかがでしたか。
浅木センター長:標高の高いサーキットでは達成できたと思ったこともありましたが、平地ではまだまだでした。2020年は同等以上、と行きたいところですが、相手も伸びるでしょうから、同等レベルで戦えればと思っています。

──やはりベンチマークは、依然としてメルセデスですか。
浅木センター長:フェラーリは、パフォーマンスの上下がありますからねえ。目標にしにくい。車体も含めて、パッケージングでもメルセデスが目標になるんじゃないでしょうか。

──現行パワーユニット(PU)になって7年目になりますが、技術開発はもはや重箱の隅をつつくレベルなんでしょうか。
浅木センター長:我々は、まだそこまで行ってませんね。今までやってきた技術コンセプトをやりつくしたら、次を考える必要があるでしょう。まだもうちょっと、伸び代があると思います。

──メルセデスは、その先に行っている?
浅木センター長:かなり近いところに来ているとは思うのですが、追い越してはいません。

──パワーユニットから話が離れますが、メルセデスのステアリングは衝撃でしたか。
浅木センター長:衝撃ですよ。何をやっているんだろうと。あの発想は凄いです。僕らもいろんなアイデアを出すけど、FIAにダメ出しされたり(笑)。そこは正直、政治力もかかわってきます。

■「できないものは、できないと言う」密接な意思疎通を欠かさず

──2019年の最終仕様のスペック4と比べると、2020年のパワーユニットはいろんな部分が変わっているのでしょうか?
浅木センター長:全部進化しないといけない。タービン、コンプレッサーにしても、ホンダジェットに助けてもらいながら、こまめに見直しを行ないました。電気も内燃機関も、直したいところは際限なくあります。

 いろいろ出てくるアイデアをシミュレーションだったり単気筒だったりの形にして、絞っていきます。その中から当たりそうなものをV6にして耐久テストをやって、そこでまた壊れたり(苦笑)の繰り返しです。

──2019年のスパ、モンツァでスペック4を出して、それ以降はアップデートはありませんでしたね。
浅木センター長:年間3基のインターバルだと、そういうことになりますよね。もちろんその後も開発は続けていて、勝負は今年だという思いはあります。

──レッドブルの2020年型マシン『RB16』のエンジンカウル周りは、かなり形状が変わっています。あの辺りはホンダとの密接な協力関係の賜物ですか?
浅木センター長:レッドブルテクノロジーといろいろ議論を重ねて、「2020年のクルマのエンジン周りはこういう空気の流し方をしたい。だからエンジン側でこんなふうにできないか」と言ってきます。これはできるけどこれは無理だというのを、お互いに言い合うわけです。

──車体側の要求に応えようと、パーツ自体をコンパクトにしたり、レイアウトを変えたり?
浅木センター長:当然、そうですね。ここに風を流したいとなったら、そこにあるパーツは移動させないといけない。あるいは形を変えないといけない。でもできないものは、できないと言う。そこはワークスですから、密接に意思の疎通はしてますよ。

──2019年はそこまでじっくりできなかったのでしょうか?
浅木センター長:時間的な問題がありましたから。2019年も頑張りましたけど、もうちょっと時間があればという感じでした。その後一緒にやっていく1年間のうちに、レッドブル側でも新しい発想が出てくる。そういうアイデアを出してきたら、できるできないと議論を重ねる。そうやって、作っていくんです。

──そういう議論は、前年の夏ぐらいまでですか?
浅木センター長:2020年用のエンジンは、そうですね、夏ぐらいまでには考えないと、今の時期に確認が終わらないですね。マクラーレン時代からすると、年々早くできるようになった。ひと月ずつぐらい(開発ペースが)早くなって行った感じですかね。

──2019年は本来開幕戦に投入したかった仕様が間に合わず、第4戦アゼルバイジャンGPにスペック2として出しました。2020年の開発状況は?
浅木センター長:今言ったように、毎年ひと月ずつぐらい早くなってるわけです。2019年ももうひと月余裕があったら、スペック2が最初からスペック1になってた。2020年は確認作業がひと月ぐらい早くできているので、2019年のようなことはありません。

──今回のテストで何もなければ、そのまま行けるでしょうか?
浅木センター長:ええ。今日ここまでで言うと、順調ですね。

──最後に改めて2020年の目標は?
浅木センター長:平地でもメルセデスと同等か、できればそれ以上ですね。1年を通して、対等に戦える。それが目標ですね。そうすれば自ずと結果に繋がって行くかと思います。

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