妊娠期における抗生物質の服用により子供の健康に悪影響を及ぼす

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2020年02月28日 08:01  妊活・卵活ニュース

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妊娠期における抗生物質の危険性
ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンの研究チームは、「BMJ」にて、妊娠期におけるマクロライド系抗生物質、ペニシリン系抗生物質の服用は、奇形、脳性麻痺、ADHD(注意欠陥多動性障害・注意欠如多動性障害)、自閉症スペクトラム障害を含む複数の副作用との関連性があり、子供の健康に悪影響を及ぼすと発表した。

これまで、マクロライド系抗生物質は、ペニシリン系抗生物質の代替品として処方されてきた。しかしながら、2005年、妊娠3ヶ月までの女性において、エリスロマイシン服用と心血管疾患に関連性があると報告され、イギリスではアジスロマイシンおよびクラリスロマイシン服用に対して警鐘を鳴らしている。

抗生物質の服用と子供の奇形における関係性
研究チームは、1990年から2016年に掛けて誕生した子供10万人以上を対象に、抗生物質の服用と子供の奇形における関係性を調査した。

母親は、妊娠4週から出産までの期間にマクロライド系抗生物質(エリスロマイシン、クラリスロマイシン、アジスロマイシン)あるいはペニシリン系抗生物質を処方されている。なお、30日未満の間に同じ抗生物質を1回以上処方された場合は1回の処方とみなしている。

被験者の子供のうち約3分の1は、母親が妊娠中に抗生物質(内訳:ペニシリン約70%、マクロライド約10%)を服用した。マクロライドによる奇形は子供1000人に対して約21.55%、ペニシリンでは1000人に対して13.7%の割合となった。

妊娠初期(妊娠4〜13週)にマクロライドを服用した場合、ペニシリン服用と比べ、先天性奇形は55%増となり、母親が妊娠初期から妊娠後期までを通してマクロライドを服用することにより、子供の性器奇形(尿道下裂)は58%増となった。

特に、妊娠初期におけるエリスロマイシン服用では奇形は50%増、心臓および血管の奇形は62%増となった。

研究チームは、妊娠期におけるマクロライド系抗生物質の服用には、細心の注意を払う必要があり、今後、実現可能な代替抗生物質に関する研究が必要であると結論付けている。

(画像はBMJより)

BMJ

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