妊娠期の特定症状が先天性サイトメガロウイルス感染症の発生に関係する

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2020年03月09日 06:01  妊活・卵活ニュース

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サイトメガロウイルス感染症に関与する妊娠中の臨床的要因
神戸大学医学研究科などの研究チームは、「Clinical Infectious Diseases」にて、世界で初めて、妊娠期の母親の発熱および風邪に似た症状(咳、喉の痛み、鼻水を含む)、妊娠中期(妊娠14〜27週)の切迫流産・早産は、新生児におけるサイトメガロウイルス感染症(CMV)の発生と関連性があると発表した。

先天性サイトメガロウイルス感染症とは
サイトメガロウイルスは、胎児に感染症を引き起こし、精神的・身体的な発達障害、難聴などを生じさせる。日本では、毎年、約1000人の新生児・乳幼児が先天性サイトメガロウイルス感染症にて死亡している。

近年の研究では、早期に抗ウイルス薬を投与すると、難聴・聴力損失、精神的・身体的な発達障害を改善できると報告された。それゆえ、新生児における先天性サイトメガロウイルス感染症の早期診断が極めて重要になる。

サイトメガロウイルス感染症と血液検査による診断精度
これまで、先天性サイトメガロウイルス感染症児は、妊娠期にサイトメガロウイルスに初感染した母親から誕生するといわれ、母親の血液検査(抗体検査)がウイルススクリーニング法として用いられた。

しかしながら、新生児へのサイトメガロウイルス感染において、多くの場合、母親の初感染は妊娠前であった。妊娠前にサイトメガロウイルス感染した場合、妊娠期の血液検査では検出されない。それゆえ、現在、胎児のサイトメガロウイルス感染症リスクを診断するうえで、妊娠期の母親に対して血液検査を行われているが、効果的でないと指摘する。

先天性サイトメガロウイルス感染症と妊娠期の臨床的要因
研究チームは、2009年3月から2017年11月に掛けて、神戸大学の関連医療機関にて妊婦健診・分娩をしたローリスク妊婦4125人を対象に、先天性サイトメガロウイルス感染症と妊娠期の臨床的要因における関係性を検証した。

結果より、一般的なローリスク妊婦では、妊娠期の発熱・風邪に似た症状、妊娠中期の切迫流産・早産の症状が先天性サイトメガロウイルス感染症の発生に関係があると報告された。また、研究チームは、妊娠期の臨床的要因が認められた場合、新生児に対して尿検査を行うことを推奨している。

(画像はKOBE UNIVERSITYより)

KOBE UNIVERSITY(英語版)

神戸大学(日本語版)

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