木村文乃はなぜ時代劇に愛されるのか? 『麒麟がくる』にもたらす、青春ドラマ的爽やかさ

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2020年03月29日 08:01  リアルサウンド

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大河ドラマ『麒麟がくる』(写真提供=NHK)

 映画『居眠り磐音』、ドラマ『大奥 最終章』(フジテレビ系)に続き、今年のNHK大河ドラマ『麒麟がくる』……と時代劇の出演が相次ぐ木村文乃。『麒麟がくる』では、明智光秀の正室であり、“3人目のヒロイン”に。なぜ、木村文乃は時代劇にここまで愛されるのだろうか。


参考:【写真】着物姿の木村文乃


 木村が『麒麟がくる』で演じるのは、長谷川博己演じる明智光秀(十兵衛)の正室・熙子。戦乱に明け暮れ疲弊する光秀の心の支えとなる重要な役柄で、木村自身は熙子に対する第一印象について、「妖精のような女性」だと語る。川口春奈や門脇麦、またベテラン陣も檀れいや南果歩、尾野真千子など、とにかく強い女性(女優)が多く出演する大奥的要素も強い今回の大河で、いかに戦国時代に生きる熙子の存在感を出してくるのかが注目を集めている。


 オーディションで「私を選ばないと後悔しますよ」と言ったいう2006年の映画『アダン』で女優デビューして以来、これまで数多くの映画やドラマに出演してきた木村。凛とした佇まいと、透明感のある美しい顔立で、大人しく可愛らしいお嬢様を演じることもあれば、美しいからこそ、強く格好良い女性も演じるなど、役の幅がとても広いのが彼女の特徴だ。着物や和装、レトロな服もその凛とした雰囲気に合うことから、時代劇からも愛されるのだろう。NHK大河ドラマ『功名が辻』(2006年)での奥宮弥兵衛の娘役で連ドラ初出演を果たしている。


 同じくNHKの連続テレビ小説『だんだん』(2008年)では、京都・祇園の舞妓役を演じ、三倉佳奈演じる主人公に「よろしおすな、愛嬌だけでもそこそこ売れて」と嫌味を言う、典型的ないじめっ子ライバルを演じ、彼女の容姿とマッチした和装の美しさ、そしてツンデレキャラの演技が見事にハマり、女優としてのベースイベージが出来上がった作品と言える。


 さて、『麒麟がくる』に初登場した第9話では、花びらと共に登場し、子供たちと隠れんぼをしているところで再会するという、まさにお伽話の妖精のように登場。そして「大きくなったら十兵衛のお嫁になるって」と子供の時の思い出話をして、十兵衛はモジモジしながら動揺すると「子供の頃の話でございます」と軽くいなし、早くも十兵衛の心が奪われるという、妖精と言うより、もはや小悪魔と言える天性の可愛らしさで十兵衛を翻弄していく。


 最近のドラマではなかなか観ることがない、正統派ヒロインの甘い登場シーンにSNS上では「可愛い!」の嵐となり、青春ドラマ的な楽しみ方で大いに盛り上がっていた。「武士の娘なのでどこか肝の据わった部分も意識しながら演じたつもりです」と言うように、影ながら支えると言うより、相手をコントロールしていくタイプに見え、当時の女性は廊下を殿方の一歩二歩引いて歩くところを、十兵衛の前を歩く姿は、関係性や熙子の性格を表していて面白い。愛嬌がある美人で、歴史的にも正室になることが分かっている、恋愛劇としては安泰のキャラであることで、視聴者は物語当初から十兵衛に想いを寄せていた駒(門脇麦)に感情移入し、恋愛リアリティーショーのような、木村史上今までにないナチュラルヒールぶりが面白くなっていく予感をさせる。


 芯が強く、相手に寄り添う役を多く演じてきているだけに、これから光秀が待ち受ける数々の難局もドンと構えて支える姿をどう明るく見せてくれるのか。30代の大人となり、ますます時代劇が似合う女優となった木村の演技に注目だ。 (文=本 手)


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  • 時代劇の女優さんと言えば……西崎みどりさん、鮎川いずみさん、山田五十鈴さん、菅井きんさん(←何シリーズが好きか、すぐ分かるラインナップ)�Ԥ��Ԥ��ʿ�������( ・ω・)�Ԥ��Ԥ��ʿ�������
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