「愛煙家」志村けんさん死す タバコでコロナの重症化リスクは14倍 芸能人特有の危険とは?

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2020年03月30日 13:35  AERA dot.

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写真なくなった志村けんさん(C)朝日新聞社
なくなった志村けんさん(C)朝日新聞社
 ザ・ドリフターズのメンバーでタレントの志村けんさん(本名・志村康徳=しむら・やすのり)が29日夜、コロナウイルスによる肺炎のために亡くなった。70歳。死因は新型コロナウイルスによる肺炎。所属事務所のイザワオフィスによると、葬儀は親族のみで行うという。今後親族と相談しながらお別れの会をとりおこなうか検討する。

【写真】志村さんも治療に使っていたという人工肺「ECMO」がこちら

 志村さんは3月23日に新型コロナウイルス検査で陽性と判明、都内の病院に入院していた。その後、新宿都内の専門病院へ移転し、ECMO(体外式膜型人工肺)という最新治療を受けていた。

 志村さんは入院後、一時、持ち直したというが、意識がなくなり急変、29日午後11時10分、都内の病院で死去した。

 関係者によると、志村さんは今年1月に定期健診で胃のポリープが発見され摘出手術のために6日ほど入院。しかし、「それ以降は体調に問題なかった」という。私生活では独身を貫き、女性との噂は絶えず、最近まで六本木、麻布十番界隈で飲み歩く姿を週刊誌にキャッチされていた。

 一方でヘビースモーカーとして有名で多い時期では「一日3箱吸っていた」(芸能記者)というが、最近は健康のために禁煙していたという。

 コロナと喫煙の関係について日本禁煙学会理事長で東京脳神経センター神経内科の作田学医師がこう解説する。

「一度も喫煙したことのない人と比べて、喫煙したことのある人の重症化リスクは1.7倍、死亡のリスクは3.2倍となるという海外の論文があります。武漢で入院したケースを分析した中国の論文では、喫煙している人は禁煙している人より14倍も悪化しやすいとされています。新型コロナのリスクでは年齢を思い浮かべる人もいますが、それでも高齢者は若い人と比べて8.5倍。この数字をみると、喫煙歴のほうが悪化要因です。対策としては、いますぐタバコを止めることでしょう」

 過去に吸っていた人については、COPD(慢性閉塞性肺疾患)になっているかどうかが一つの目安だという。

「COPDを診断されている人は、感染して肺炎になると一気に悪化するので、そういうことを含めて気をつける。感染しないように注意すべきです」(同前)

 志村さんも過去、COPDを患い、禁煙したという情報もある。

「志村さんが受けたECMOは肺を休める治療。ECMOは、肺に変わって血液内に酸素を供給し、二酸化炭素を除去する装置。首や足の付け根から血管内に挿入したチューブで血液を体外に出し、装置のなかでガス交換を行ってから、体の中に戻すが、肺の力が弱っていれば、ECMOで肺を休ませても回復は難しい」(医療関係者)

 さらに有名人は一般人より感染リスクが高いという。医療ガバナンス研究所理事長の上昌広医師は接触者が多いことを指摘する。

 テレビ局ではタレントやキャスターに加え、カメラマン、ディレクター、音響など、さまざまな職種の人間が出入りをしている。屋外でファンからサインを求められることもある。

「新型コロナウイルスの特徴の一つは『無症状』。陽性者に症状が出にくく、感染源がわかりにくい。接触人数が多い有名人ほど罹患率は高まるとみていいでしょう」

 志村さんは高齢だが、「感染のしやすさに老いはあまり関係ありません。それよりも、日々の仕事で不特定多数の方と接していることが、感染に大きく影響しているものと思われます」。

 芸能評論家の三杉武さんは、「タレント」という仕事の特殊性も指摘する。

「番組収録など芸能人の仕事は一回一回が勝負。長期休むと、誰かに仕事を取って代わられてしまう可能性があります。そのため多少体調が悪くても、無理をして現場に向かってしまうタレントは少なくありません。事務所に言われてというより、個々人の自主性が、結果的には感染リスクを高めていると考えられます。しかし、あまりにも突然の死で驚きました。芸能界で大きな影響が出るでしょう」

 日本の「喜劇王」として長らく芸能界に君臨した志村さん。あの名セリフ「だいじょうぶだぁ」が2度と聞けなくなってしまった。合掌……。(本誌・松岡瑛理、山内リカ)

※週刊朝日オンライン限定記事

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