『恋ステ』新シーズン「2020春」、“全く新しい面白さ“とは? 夏・秋・冬シリーズと比較

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2020年03月31日 07:01  リアルサウンド

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『恋する♥週末ホームステイ 2020春』(c)AbemaTV

 AbemaTVが手掛けるオリジナル恋愛リアリティーショー『恋する♥週末ホームステイ』(以下、『恋ステ』)。本来は出会うはずのなかった遠く離れた場所に住む高校生たちが、全国各地に週末だけステイし、この“特別な数日間の旅”を通して、恋が生まれるのかを検証するシリーズだ。同シリーズは、今年3月よりオンエア中の『2020春』クールで通算12作目を迎え、10代女子を中心に高い人気を博している。


(関連:嘘つきオオカミちゃんの正体と衝撃的な“真実” 美しくも哀しすぎる『月とオオカミちゃんには騙されない』最終話


 そんな『恋ステ』最新作は、“全く新しい恋ステ”として番組ルールを大幅リニューアル。オンエア初回より「そんなに序盤から積極的に攻めるの?」「みんなが集まってる場面で“ツーショット”誘うのスゴいわ……」といったように、気になる相手に思い切りよくアプローチするメンバーの姿に、ビックリしてしまったほどだ。それもそのはず、今年春からの『恋ステ』は、もはや番組の象徴ともいえる“3週間”という旅の期間さえ変更になったのである。そこで本稿では、『2019・夏「秘密」』シリーズからの番組ルールを振り返りながら、今回の“全く新しい恋ステ”が生み出す面白さを紐解いてみたい。


 まずは、意外にも“原点回帰”をテーマに掲げていた『2019・夏「秘密」』。同クールでは、シリーズを通して、各地方の男子と女子がそれぞれの地元を旅して、徐々に想いを寄せ合っていく様子が描かれていた。そこで新しく加わった要素は「秘密の恋レター」くらいだろうか。これは、他の同性のメンバーには内緒で、気になる相手にその想いを綴ったメッセージを渡すというもの。オンエアでは、手紙を渡す相手が他の子と重なった際に「書いてある内容を比べられたらどうしよう……」と涙をこぼすメンバーも見られた。


 また、番組ルール外の話になるが、同クールまでは1話に2本、複数地方のエピソードを跨ってオンエア。「九州男子×東京女子」編と「大阪男子×名古屋女子」編の2つが並行して展開され、“1度で2度楽しい”構成となっていたことも記しておきたい。


 続いて『2019・秋「約束」』からは、男子メンバーの人選に“センバツ”制度を導入。地方に関係なく全国から珠玉の男子が選ばれることで、リベンジ組を含めてひときわキャラクターの濃いメンバーが集結した。なお、この制度に関する詳細は、以前に行なった番組制作陣のインタビューを参考にしてほしい(参考:『恋ステ』は映画『君の名は。』から構想を得た AbemaTV恋リア制作責任者鼎談【前編】)。


 加えて、同クールより番組構成もアレンジ。参加メンバーをこれまでの半数となる8名まで絞ったほか、オンエア時間も30分間で1話に。10代の視聴者目線で考えれば、学校のお昼休みなどで楽しむにも丁度よい時間尺となり、友人たちと一緒に画面を眺める機会も増えたことだろう。


 そんな男子メンバーの“センバツ”制度は『2020・冬「勇気」』でも継続。同クールで特筆すべき変更点は、好きになったメンバーに告白する日が最終日の前日に設定され、その返事を翌日まで待つようになったことだ。


 そして迎えるは、『2020春』。その最大級のトピックは新システム「恋チケット」の導入である。今回からは、メンバーが旅の出発前に「恋チケット」が入っている6枚の封筒より1枚を選択。封筒の中身は、3週間の旅が約束された6枚の「恋チケット」のほか、それよりも短い2週間分の4枚と、逆に参加期間が長くなる5週間分の10枚の3種類よりいずれかだ。なお、自分のチケットの枚数は、誰にも教えてはならない決まりになっている。また、封筒には赤いチケットも1枚だけ封入。これは、旅の好きなタイミングで、1人1回に限り意中の相手に告白ができるというもの。告白が成立した場合は2人で旅から卒業するが、失敗した場合は1人で去ることになる。


 “恋は制限があった方が燃える”とはよく言ったもので、今回の新たな試みは彼らの想いを揺さぶるのに、効果抜群だったようだ。これまでの“6日間の旅”という確約がなくなったことで、「自分の好きな人が先に帰ってしまうかも……」という不安や焦りが、彼らの心を多かれ少なかれ過ぎったことだろう。本稿の冒頭に記した通り、序盤から気になる相手をツーショットに誘うなど、シーズン開始以来の積極的な言動が数多く目撃されるようになった。


 ただ、メンバー側の視点で考えれば、告白のタイミングが自由になったことで、逆に自分らしい恋愛スタイルに結びつけられやすくもなったはず。気になったらすぐにでもその想いを相手と共有したい“短期決戦型”であれば、近いオンエアで初のカップル誕生が見られるかもしれない。


 また、今回からは女子メンバーも地方を問わず全国各地から選抜。『恋ステ』の“裏見どころ”といえるメンバーのかわいらしい方言も、ますますバラエティ豊かになると思うと、自然とワクワクしてしまう。そのほかにも、旅のなかで1人1回だけ気になる相手にビデオ通話ができる新ルールの導入をはじめ、番組全体でいえば、オンエア時間も1時間まで拡大。彼らの旅の行く末に叱咤激励を飛ばすスタジオメンバーに、安定コンビといえるゆいP(おかずクラブ)と工藤大輝(Da-iCE)に加えて、生見愛瑠(めるる)が新たに参加。彼女が女子高生に近い目線で的確なコメントを挟むことで、番組をさらに賑わせてくれている。


 「恋チケット」の導入で、前回第4話までは、メンバーの道中の話題は“誰が恋チケ4枚なのか問題”で持ちきりだった。同じくAbemaTVでオンエア中の『オオカミ』シリーズと同様に、一見すると同じ境遇の仲間のなかに、“誰にも言えない秘密”を抱えるメンバーが隠れているシチュエーションは、視聴者のみならず当事者である本人たちの心さえ強く惹きつける力を持つのだろう。そんな秘密が打ち明けられる瞬間もまた楽しみにさせられる。今回のリニューアルを経て、春の『恋ステ』旋風はひときわ大きなものとなるに違いない。


 『2020春』の旅も3週間目に突入し、「恋チケット」を4枚しか持たないメンバーが去った今、新しいメンバーが加入してくる。また新たな8人の恋が動き出し、近いうちに大きな進展が見られるはず。今回のリニューアルによる“全く新しい恋ステ”の面白さが、ついに本領発揮し始めた。これから回を重ねるごとにどんどんその魅力が増していくのではないだろうか。(文=一条皓太)


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