桜木紫乃の直木賞受賞作を武正晴監督が映画化 『ホテルローヤル』冬公開へ

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2020年04月03日 08:01  リアルサウンド

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『ホテルローヤル』(c)桜木紫乃/集英社(c)2020 映画『ホテルローヤル』製作委員会

 第149回直木賞受賞作『ホテルローヤル』が実写映画化され、2020年冬に公開されることが決定した。


参考:詳細はこちらから


 本作は2013年に第149回直木賞を受賞し、累計発行部数85万部を超える桜木紫乃の同名小説を映画化するもの。原作は七編からなる連作小説で、北海道の湿原に立つラブホテルを舞台に、現在から過去へ時間軸を遡り、ホテルの盛衰とそこを訪れる人々の生と性を、切なくも瑞々しいタッチで描いた。映画では、ホテルローヤルの扉を開く男と女、問題を抱える経営者家族・従業員のそれぞれの人生模様を、ホテルの経営者家族の一人娘・雅代を主軸として描く。


 『百円の恋』『嘘八百』シリーズで監督、Netflixオリジナルシリーズ『全裸監督』で総監督を務めた武正晴監督がメガホンを取り、現在放送中のNHK連続テレビ小説『エール』を手がける清水友佳子が脚本を担当する。


 武監督と原作者の桜木からはコメントが寄せられている。


武正晴監督
桜木紫乃さんの名作を映画化できるとお話しをいただき5年。ようやく映画が完成でき、ホッとしている。原作を読んで「ホテルローヤル」というホテルそのものを主人公にできないかと妄想した。どうしても釧路で撮らなくてはと考えた。釧路という土地が我々撮影隊に力を与えてくれた。桜木さんが我々のシナリオに自由を与えてくれた。この原作に惚れ込んだ素晴らしいキャストとスタッフが集結して挑んでくれた。僕の敬愛する啄木が、さいはてと呼んだ土地での仕事を僕は一生忘れないだろう。釧路、札幌、北海道の土地のおかげで、唯一無二の映画が創れたと自画自賛している。


桜木紫乃
あの日あの場所にいたかもしれない人を、小説というかたちで裸にしたと傲慢にも信じていたので、映像化のお話をいただいたときは「遠慮なく好きに作ってくださいね」などと言っていた。
しかし新たな姿で目の前に現れた『ホテルローヤル』は、あの日あの場所にいたかもしれない経営者やホテルに集う「家族」の物語となっていた。
正直に言うと映画という表現に書き手の内面を素っ裸にされたような気持ちになった。
脱がせたつもりが脱がされていたーーエンドロールで泣いてしまうという失態。悔しかった。 (文=リアルサウンド編集部)


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