インディカーiRacingチャレンジ第4戦もてぎは終盤の戦いを制しパジェノー連勝。琢磨は12位

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2020年04月19日 11:21  AUTOSPORT web

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インディカーiRacingチャレンジ第4戦『ファイアストン175』を制し、スピンターンを決めるシモン・パジェノー(DXCテクノロジー・チーム・ペンスキー)。チェッカー後ディクソンに追突されリヤウイングは脱落している。
新型コロナウイルスの影響で開幕できていないNTTインディカー・シリーズがファン向けに開催しているバーチャルレース、インディカー・iRacingチャレンジ第4戦『ファイアストン175』は4月18日、栃木県のツインリンクもてぎを舞台に行われ、シモン・パジェノー(DXCテクノロジー・チーム・ペンスキー)が優勝を飾った。佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン)は12位となった。

 ドライビングシミュレーターの『iRacing』を使い、ファンにレースをみせようとインディカーが開催している『インディカーiRacingチャレンジ』の第4戦。ランダムで選ばれたレースの舞台は、東日本大震災の影響で2010年以来インディカーが開催されていない、ツインリンクもてぎのオーバルが舞台だ。当然ながらバーチャルなので、この日現実には東日本は雨模様だったが天候は快晴。満員のファンがスタンドに詰めかけた。

 事前に行われた予選では、2018年の大クラッシュ後、リハビリを続けているロバート・ウィケンス(アロー・マクラーレン)が復活をアピールするポールポジションを獲得。ウィル・パワー(ベライゾン・チーム・ペンスキー)が2番手に続き、インディカーのレジェンドであるマリオ・アンドレッティによる自宅からの「スタート・ユア・エンジン!」のかけ声の後スタートしたレースでは、ウィケンスがリード。ジャック・ハーベイ(マイヤー・シャンク・レーシング)、オリバー・アスキュー(アロー・マクラーレン)、パワーと続く。

 ただ後方では、1周目にトニー・カナーン(AJフォイト・エンタープライズ)がクラッシュを喫したほか、姿勢を乱したエリオ・カストロネベス(ペンゾイル・チーム・ペンスキー)に、“地元レース”で燃えていた琢磨など複数台が巻き込まれクラッシュ。やや“バーチャルらしい”序盤戦となり、5周目にフルコースコーションが提示された。

 ただ、バーチャルレースらしく、このiRacingチャレンジでは1回の『ファストリペア』が可能。琢磨は戦線に復帰し、9周目のリスタートとともに28番手から追い上げを目指すことになった。リスタート後はパワー、ハーベイ、スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)らが首位を争った。

 ピットストップは2回で、40周を過ぎるとピットインするマシンが現れはじめるが、上位陣は50周過ぎにピットイン。ストップ後はディクソン、パワー、そしてこのiRacingチャレンジで速さをみせるスコット・マクラフラン(シェルVパワー・チーム・ペンスキー)の争いとなる。上位陣はさらに、残り30周を過ぎはじめたころにピット作業を行った。

■残り10周でトップ争いに波乱
 各車がピットインを終えると、トップに立ったのはパワー。さらにマクラフラン、パジェノーとチーム・ペンスキー勢がトップ3を独占していく。しかし、残り11周のターン4でやや姿勢を乱したパワーにマクラフランが並びかけていくが、ニュータイヤを履き、インサイドに入ったアスキューとパワーが接触。さらにアウトサイドにいたマクラフランと接触し、マクラフランはクラッシュしてしまった。

 ダメージを受け失速したパワーはパジェノー、さらに残り6周でディクソンにもかわされてしまう。一方トップに立ったパジェノーは、ディクソンに最終周にインを突かれるものの守り切り、第3戦ミシガンに続き連勝を飾ってみせた。2位はディクソンで、チェッカー後にパジェノーにクラッシュしたが、これもバーチャルならではか。

「今日はタイヤをセーブすることに集中したよ。また正しい戦略を採ることができたと思う」というのは、自宅でレーシングスーツを着込み戦ったパジェノー。

「終盤はクレイジーだったね。でも楽しかったよ! 現実のレースと同じドライバーたちと戦い、実際と同じ動きをするんだからね。頭のなかではちゃんと実際のドライブをしなきゃいけないんだ。いま現実にはレースをしていないけれど、僕たちは毎週バーチャルでレースを戦っている。これは僕にとって嬉しいことだし、終盤はアドレナリンが最高潮になったよ!」

 また2位のディクソンは、「終盤は何が起きたのか分からなかったよ。トップ争いではなく、2番手争いだと思っていたんだ。みんな激しいレースをしていたね。素晴らしかったし、いいショーだった。楽しかったよ。シモンも賞賛に値する仕事をしたと思う」とコメントを残した。

 ひさびさの“母国レース”を戦った琢磨は、初めてのiRacingへの挑戦だったが、序盤のクラッシュから順位を戻し12位でフィニッシュ。自身のTwitterに「序盤のアクシデントに巻き込まれてしまったのは残念だったけど(それも古き良き友のカストロネベス)、バーチャルレースのデビュー戦は楽しかった!! 最後尾から12位まで追い上げたところで惜しくもチェッカー。もっと走りたかった! でも、もてぎのオーバルで再びレースができるなんて夢のようでした」とコメントしている。

 パドルシフトなしの自宅シミュレーターで挑んだゲスト参戦のNASCAR王者カイル・ブッシュ(ラウディ・エナジー・インディカープロビジョナル)は琢磨に続き13位でフィニッシュした。

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