WEC:山下健太に聞く、2019/2020シーズン残り3戦の目標とヨーロッパでの生活

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2020年04月20日 12:01  AUTOSPORT web

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ハイクラス・レーシングの33号車オレカ07・ギブソンをドライブする山下健太
TOYOTA GAZOO RacingのWECチャレンジプログラムのドライバーとして、ハイクラス・レーシングから2019/2020シーズンのWEC世界耐久選手権のLMP2クラスに参戦する山下健太。これまでの全5戦を完走し、ドライバーズランキング10位という成績を残している。新型コロナウイルス感染拡大の影響でシリーズは流動的だが、現段階で残り3戦を予定している2019/2020シーズンのWEC、そしてヨーロッパでの生活について話を聞いた。

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■ジェントルマンドライバーと表彰台を目指す
 山下は2014〜16年に全日本F3選手権を戦い、2016年にチャンピオンを獲得。2017年から全日本スーパーフォーミュラ選手権に、2018年からはスーパーGT GT500クラスに挑戦。2019年はスーパーフォーミュラで初優勝を遂げたほか、スーパーGTでは大嶋和也とともにチャンピオンを獲得。日本のトップドライバーとして、2019/2020シーズンのWECに挑戦を開始した。

 所属するのは2019/2020シーズンからLMP2クラスに初参戦したデンマークのハイクラス・レーシングだが、最高位は第2戦富士の4位と、山下が所属しているにも関わらずまだ表彰台はない。

 山下は「目標は表彰台です」というが、「言いわけをしてはいけないのですが、チームメイトのひとりはブロンズのジェントルマンなので、総合的に順位を狙うのは難しいです」といまだ目標が達成できていない理由を語った。

 チームメイトのひとり、マーク・パターソンはFIAドライバーカテゴライゼーションでブロンズとなる68歳のジェントルマンドライバーだ。LMP2はシルバーまたはブロンズのドライバーを最低1名起用しなければならないが、LMP2上位はシルバーを起用し、ブロンズのドライバーはいない。レースペースがカギとなる耐久レースを戦ううえで不利にも思える。

 ただ、サーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)で開催された第5戦ローン・スター・ル・マンからタイヤをグッドイヤーからミシュランに変更。さらに担当エンジニアも変更し、結果はクラス7位/総合10位だったものの、チームは次戦に向け手応えを感じたという。

「毎回自分が担当する第1スティントでは、上位勢と変わらないペースで走ることができているので、そこでまわりと戦って、しっかりと自分をアピールできればと思っています。そしてそのうえで、表彰台に乗ることができれば最高ですね」

 上位チームと“同じ土俵”で戦うことは難しいかもしれないが、自らの速さでチームを牽引し、ジェントルマンとともに表彰台に乗るという結果をみせることで、自身の活躍ぶりを感じてほしいと山下。GT3レースに参戦するヨーロッパのトップドライバーなら誰もがこなす“仕事”だけに、目標達成を期待したい。

■ヨーロッパライフ

 そんな山下だが、将来のLMP1挑戦を見すえ、2020年1月からドイツに移住している。TOYOTA GAZOO RacingのWEC活動の拠点であるTMG(トヨタ・モータースポーツGmbH)があるケルンで生活し、スーパーフォーミュラのために日本へ“通う”スタイルを採っている。

「ドイツでは英会話に通いつつ、TMGでシミュレーターをやらせてもらったり、TMGの人たちとコミュニケーションをとったりという生活です」という山下だが、充実した生活を送る一方で、悩んでいるのは食生活だ。「ドイツといえばソーセージとビールが美味しいのでは?」と話を向けると、「3日間とか1週間ならそれでいいんですけどね……」という。

「ゴハンは日本の方が美味しいです。僕は日本が大好きなので、1週間日本から離れると『お茶飲みたいな』って思っちゃったりもします(笑)」と山下。

「週に一度は日本料理のお店に通って、日本食を食べないとおかしくなっちゃいます(笑)。日本食を食べて頑張って、また元気がなくなったら食べに出かけます」

 山下はいま、新型コロナウイルスの影響もあり、WECセブリング戦がレース直前で中止になった後は直接帰国しスーパーフォーミュラのテストに参加。その後も日本に留まっている。幸いヘルメットなどレースに必要なものは日本にあったため、テストも無事にこなすことができた。

「ドイツに服とか必要なものを置いてきたままなんですよね……。どうしようかなと考えています」

 まだまだ慣れないヨーロッパ暮らし。しかも新型コロナウイルスの影響でいきなり中断してしまったが、「ドイツではいい環境のなかで生活させてもらっているので、その分頑張らないといけないなと思っています」と異文化生活も経験のひとつとして蓄積していきたいと、前向きにとらえているようだ。

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