予算上限引き下げに抵抗するフェラーリF1に打撃。FIAが多数決での規則変更を認める

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2020年04月25日 08:01  AUTOSPORT web

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新型コロナウイルス感染症のパンデミックのなか、FIAが、スムーズな対応を行うために、国際競技規則に変更を加えた。これが2021年F1の予算制限規則決定に大きな役割を果たす可能性がある。

 4月24日、世界モータースポーツ評議会において、FIAが多数決により迅速に規制変更を行うための措置が承認された。

 これまでは、全競技者が全会一致で賛成しなければ規則変更を行えない場合があったが、今回新たな条項が加えられたことにより、過半数の賛成で規則変更を行うことが可能になる。

 現在F1では、2021年に導入される予算制限における上限額引き下げについて協議されている。元々は1億7500万ドル(約188億円)と決まっていたが、パンデミックの経済的影響を考慮して1億5000万ドル(約161億円)に引き下げることに全チームが合意。しかし、ビッグチーム以外からさらなる減額が提案され、これにフェラーリらが反対し、結論が出ていない。

 しかし今回FIAが国際競技規則に修正を加えたことにより、予算上限の大幅引き下げが可能になるかもしれない。

「前代未聞のCOVID-19危機を考慮し、FIAは、可能な限り影響を緩和し、将来に向けてスポーツを保護するため、規制プロセスへの変更を引き続き行っていく」とFIAの声明には記されている。

「すでに特定の選手権の競技および技術規則の変更について発表を行っているが、それに加え、世界モータースポーツ評議会は、国際競技規則にセーフガード条項を導入することを承認した」

「セーフガード条項は、個々のFIA選手権やカップ等において、規則修正のために全競技者の全会一致での合意を得るという現在の必要条件に打ち勝つものとなり、異例な状況において、FIAが、FIA選手権あるいはカップ等に適切にエントリーする競技者の大多数の同意を得ることで、より短い期間で規則を修正することを許可するものである」

「改訂された条項は以下のとおり。
第18.2.4条
選手権、カップ、トロフィー、チャレンジ、シリーズに適切にエントリーする全競技者が全会一致で同意した場合は、上記に定めるものより短い告知期間を適用することが可能である。(※以下の文が新たに追加)しかしながら、例外的な状況において、FIAが選手権、カップ、トロフィー、チャレンジ、あるいはシリーズの保護のために変更が不可欠であると考える場合、適切にエントリーする競技者の過半数の同意で十分とする」

 現在のパンデミックはF1とチームに大きな経済的影響を及ぼし、一部チームが持ちこたえることができずにF1から撤退することが懸念されている。

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