日テレ『ZIP!』、フジ『めざましテレビ』に勝てないワケとは? 「謎の降板劇」「付け焼き刃」の制作体制

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2020年04月28日 13:02  サイゾーウーマン

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サイゾーウーマン

『ZIP!』(日本テレビ系)公式インスタグラムより

 平日朝の情報番組『めざましテレビ』(フジテレビ系、朝5時25分〜8時)で、番組最後の恒例フレーズが変わったのはご存じだろうか? これまではアナウンサーが、「今日も元気に行ってらっしゃい」と、仕事や学校などに送り出すような言葉だったのが、外出自粛要請に合わせて「今日も良い一日をお過ごしください」に差し替えられている。

 一方、『めざましテレビ』と同時間帯、朝5時50分から8時まで放送されている情報番組『ZIP!』(日本テレビ系)のフレーズは、「今日という日が皆さんにとって、よりよい一日でありますように」というものだ。放送時間帯だけでなく、恒例フレーズまで似通ってきた両番組について、現在の状況を追ってみた。

 まずは、2番組の視聴率を見てみよう。4月17日の『ZIP!』は7.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)、同時間帯の『めざましテレビ第2部』(6時10分〜8時)は8.2%となっている。また20日は、『ZIP!』が7.5%で『めざましテレビ』は8.0%。これらに限らず、連日0.5〜0.8ポイントの開きが見られる。

 両番組とも、その内容は最新のニュース・天気予報・スポーツ・エンターテインメントと、日本の今を伝える情報が中心だ。大きな違いはないと思われるが、『めざまし』が視聴者をつかむ差はどこにあるのだろうか?

 まずは『めざまし』の持つアドバンテージだ。『めざましテレビ』の強みは、実は本編の『めざましテレビ 第1部』が始まる前に、『めざましテレビ全部見せ』(4時55分〜)という30分番組が存在していることだ。これは、この後の『めざまし』で放送される内容を凝縮した、いわばダイジェスト版。

「スタジオにはCGの巨大ボードが浮かんでおり、そこに、このあとの『めざまし』で紹介するニュースの見出しが大量に書かれてあるのです。ボードは『ニュース』『スポーツ』『エンターテインメント』の3枚あり、それぞれのボードに15項目ありますから、合計45項目の情報が一目でわかります。例えば4月24日の『ニュース』の場合は、『コロナ 岡江久美子さん(63)死去』『慶応病院 コロナ以外の患者 約6%が陽性』『埼玉 別の自宅待機男性も死亡』『国内 1日の死者 最多の29人』など。今日はこんなことを紹介しますよと、予告するのです」(芸能ライター)

 その詳細を、このあとの『めざまし』で取り上げるという戦法。この二段構えによって、視聴の固定を促しているのだ。

 『めざまし』は1994年、大塚範一、八木亜希子アナウンサーの2人で始まったもので、今年放送26年目となる長寿番組。現在は、三宅正治アナウンサーと永島優美アナウンサーがメインキャスターを務めている。

「女性キャスターの歴史は、八木アナから順に小島奈津子・木佐彩子・高島彩・生野陽子・加藤綾子、そして現在の永島へとバトンが受け継がれてきた。『めざまし』の特徴は、番組のサブ的な立場で小さい話題を紹介してきたアナウンサーが、その後、司会に昇格していくシステムにあります。例えば生野、加藤、永島がそれです。視聴者は、女子アナの成長を目にすることになり、毎日その姿を見ることで、自分とともに人生を歩いている感覚すら湧いてくる。だから、彼女たちが春、卒業するときは、多くの視聴者の涙を誘うんです」(放送作家)

 また『局を代表する女性アナウンサーを「めざまし」から売り出す』というフジの姿勢が、はっきり見て取れる。

 では、『ZIP!』はどうだろう。番組は出演者のことを「ZIP!ファミリー」と呼んで家族感を打ち出している一方で、レギュラーの変動が激しいようだ。曜日パーソナリティーを見ると、月曜日を担当していたネプチューン・原田泰造が抜擢からわずか5カ月で降板するなど、多くのタレントが次々と交代している。番組の売りの一つだった女性有名人の総合司会についても、関根麻里、北乃きい、川島海荷と、3代まで続いたものの、その後撤廃。

 パーソナリティーから司会まで目まぐるしく変動し、当然、コーナーも次々と消滅、名物コーナーまで唐突に終了してしまうのだ。象徴的なのは、放送開始から番組人気を支えた、速水もこみちの料理コーナー「MOCO'Sキッチン」の終了だろう。

「19年3月にコーナーが終わってからも、もこみち関連で何かしらのイベントPRはあったはずですが、番組のエンターテインメントコーナーでは紹介されておらず、遺恨を残しているのではないかと勘ぐってしまう。『めざまし』は、出演者が去ってもコミュニケーションをとっているようで、仲の良さそうな感じが伝わってきますが、『ZIP!』はビジネスライクな関係が透けて見える。そんなところも、視聴者は見抜いているのかもしれません」(業界関係者)

 さらに、金曜に据えている“月間パーソナリティー”という存在も「付け焼き刃に感じる」(同)という。もともと金曜パーソナリティーの吉田沙保里に加えて、今一番人気のある女優やタレントが抜擢されることが“売り”となっている。

「これまでEXITや、りんごちゃん、山田裕貴、橋本環奈、上白石萌歌などが登場。吉沢亮が出た2月は高視聴率を連発したそうですが、やはりビッグネームを出し続けるのは難しい。3月の佐野勇斗、4月の玉城ティナは、そこまで話題にならなかった。それに比べて『めざまし』は、比較的流行を追わないキャスティングと言えるかもしれません」(前出・放送作家)

 出演者の移り変わりが激しい番組に、視聴者が信用を置くのは容易ではないだろう。番組の企画うんぬんというわけではなく、上に立って作る側、制作者側のマインドが2番組の最も大きな違いだろう。

 番組全体で人を育て、卒業後も大事にする『めざまし』と、話題性で人を選び、去ってからは音沙汰もない『ZIP!』。これでは、出演者に愛されているのはどちらかなのは、明白な気がするが……。
(村上春虎)

このニュースに関するつぶやき

  • 前まではめざましだったけど、ここ数年ZIPに変えました。だって、ネタもニュースの信憑性もフジテレビは信用ならないんだもの。裏付け取らないで情報そのまま垂れ流すだけだし(笑)
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