現地の食も楽しみのひとつ。世界の魅力的な“B級”サーキット10選【後編】

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2020年04月29日 12:11  AUTOSPORT web

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鶯色のコントロール・タワーが東欧ブルノらしい
自動車レースファンであればその名前こそ知っているものの、実際に現地を訪れる日本人はドライバーや関係者だけというサーキットは少なくない。今回は筆者が取材で足を運んだ中から、「一度は行ってみたい魅力的な“B級”サーキット10選」をお届けする。前編に引き続き、後編も5つのサーキットを見てみよう。

■モーターランド・アラゴン(スペイン)
 ヘルマン・ティルケの設計で2009年に開業。MotoGPの舞台としてはよく知られるものの、四輪レースではかつてワールド・シリーズ・バイ・ルノーが開催されたくらいで大きなイベントを開催した実績はない。
 
 バルセロナから西へ約250kmの距離にあり、サーキットの周囲は写真で分かるとおり茶色い光景が広がって樹木は見当たらない。「もし、ここで置き去りにされたら…」と心配になるほどサーキットの周りは殺風景である。
 
 また、もっとも近い町アルカニスのホテルは、テストのような小さなイベントでもレース関係者で埋まってしまう。

■ノリスリンク(ドイツ)
 ナチス党を象徴する都市で、第二次世界大戦後にはドイツの戦争犯罪を問う国際裁判が開かれたニュルンベルクから電車で2駅目、ニュルンベルク・フランケンシュタディオン駅から徒歩で約15分。
 
 かつてのナチ党の集会施設がサーキットの観客席やパドックとして使われ、ドイツ・ブンデスリーガ“1.FCニュルンベルク”のホームスタジアムが隣接する。
 
 約2.3kmの公道コースは複数のストレートをヘアピン・コーナーや90度コーナーで結ぶレイアウトで、スリップ・ストリーム合戦のレースなら見ごたえ充分。DTMドイツ・ツーリングカー選手権の開催地としても知られている。

■シルクイート・ド・エストリル(ポルトガル)
 1980〜90年代はF1ポルトガルGPも開催されていた。ポルトガルの首都リスボンから西へ約30kmで、名所・旧跡の多いシントラ、ユーラシア大陸最西端のロサ岬、観光地として知られ魚介料理が堪能できるカシュカイシュにも近い。
 
 近年、世界選手権水準のイベントは開催されていないものの、シーズンオフのプライベート・テストやシークレット・テストで使われるケースもしばしば。ただ、大西洋の気候の影響を受けやすく、晴天がいきなり雨天になることも。
 
 なお、俯瞰から見たレイアウトはバルセロナのカタルーニャ・サーキットに似ている。

◆伝統の市街地コースはレース以外も楽しめる

■アウトドローム・ブルノ(チェコ)
 ブルノもMotoGPの一開催地としては有名ながら、世界選手権水準の四輪レースイベントは少ない。チェコの首都プラハではなく、隣国オーストリアの首都ウイーンから自動車で約160kmを走るアクセスのほうが容易だ。
 
 チェコは欧州連合(EU)の加盟国ではあるものの通貨はチェコ・コルナを使用し、ほかのEU加盟国に比べると物価が格段に安い印象がある。
 
 サーキットは最初こそ平坦であるものの、半ば手前で急な下り坂とコーナーが続き、後半は急な上り坂とコーナーが続くトリッキーなレイアウト。東欧らしさを感じるブルノの街も魅力的。

■サーキット・ド・ポー・ビル(フランス)
 スペインとの国境ピレネー山脈を望むフランス南西部のポーでは、“ポー・グランプリ”の名前を冠した歴史的な公道レースが1933年から開催されて、以前はグランプリカーも走っていた。近年はF3カーやツーリングカーによるレースが、3km弱の短くて狭いコースで実施されている。
 
 イベント前には街中でデモランが実施され、入場券が無くともレースを観戦できる魅力もある。
 
 ポー・ピレネー空港からは便数こそ少ないもののバスでアクセスでき、街中に泊まればサーキットまでは徒歩で行ける。歴史的建造物も多く、レース以外のお楽しみもある。
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