NEWSのこれからを思うーーアイドルの道をゆくものの使命と覚悟

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2020年05月30日 06:01  リアルサウンド

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NEWS

 2017年から続いている、NEWSのコンセプチュアルアルバムプロジェクト。N=『NEVERLAND』、E=『EPCOTIA』、W=『WORLDISTA』、S=『STORY』。ライブも各アルバムのテーマに沿って、演出や衣装に趣向を凝らしてきた。


 最終章である『STORY』を引っ提げたツアーは、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点からすでに全公演中止が決定している。いずれ、さまざまな事態が収束したあかつきには、NEWSの4人とファンが〈すべて抱え、進んで行く〉、永遠に続くSTORYをともに歩み出すことを、今はただ静かに待ちたい。


(関連:NEWS 増田貴久、手越祐也への不満も“愛ゆえ” 長年積み上げてきた2人の関係性


■嘘も計算もなく放たれた言葉


 ひとつ、忘れられないエピソードがある。2016年、NEWSがパーソナリティをつとめた『24時間テレビ39 愛は地球を救う』(日本テレビ系)での、深夜帯バラエティでのひとコマだ。


 人気番組『しゃべくり007』にNEWSのメンバーがゲスト出演。その際、番組ホストの芸人らが、手越祐也にソロ活動させようと仕向ける場面があった。あくまでお笑い的な流れだが、ファンにとってはデリケートな話題だ。


 しかし手越は「大丈夫、NEWS愛してるから!」とためらいもなく、笑顔で言い放った。大きな声で一度、小さな声でもう一度、はっきりと言った。


 あの笑顔と言葉に、少しの嘘も計算もないことは、いち視聴者である筆者にも分かった。だからこそ、何年も経った今なお、あのシーンが忘れられない。手越といえば「NEWSを愛している人」、そのイメージが頭を離れない。


■メンバーの「NEWSを守る」という確固たる想い


 5月27日「Johnny’s web」内のNEWSアーティストページが更新され、メンバーがそれぞれの言葉で心境を綴った。


 自身の過去を省みる者、言葉少なに確かな愛を誓う者、受け止める覚悟を示す者……。表現はさまざまだが、これまで何度も別れを経験し、悔しい思いも戸惑いも共有してきた彼らに共通していたのは、「NEWSを守る」という確固たる想い。今度こそ離さない。NEWSをあきらめないという強い意志だった。


 同日放送された『テゴマスのらじお』(MBSラジオ)では、冒頭で増田が、続いてゲスト出演した小山・加藤が今回の騒動について触れ、謝罪した。


 ラジオは、通常どおりに進行。彼らの心情を思えば、笑い合う声が切なくもあった。それでもファンを楽しませること、不安にさせないこと、手越の居場所を温めておくことが、彼らなりの「NEWSを守る」手段なのだろうと察する。


 なお同ラジオは、6月3日、10日の放送についても、小山と加藤が出演を予定している。


■ファンから「手越祐也」を奪う権利は、手越にさえない


 2003年にNEWSが結成されてから、もっとも変化したのは間違いなく手越だろう。「入所まもない少年」ではいられなかった理由が、急いで成長せざるを得なかった環境が、手越にはあった。


 歌唱力を磨き上げ、2006年にはメンバーの増田とともにボーカルユニット「テゴマス」を結成。彼の音へのこだわりは、ライブの音響面でも遺憾なく発揮されている。


 個性を築き上げるべく、バラエティにも奮闘した。『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)のレギュラー出演が決まると、過酷なロケや汚れ仕事も厭わず、何事にも体当たりした。ジョークをとばしていても、チャラチャラして見せていても、決めるときにはしっかり決める。そのために努力する。バラエティを盛り上げながらも「ジャニーズ」であり続けることを忘れなかった。


 いつも笑顔を絶やさないポジティブな姿はお茶の間で話題となり、次第に「手越祐也」という絶対的なキャラクターを確立。およそ17年前、9人組の端にいた少年が、今ではジャニーズでも指折りの知名度を誇る人気者となり、NEWSの顔へと成長した。


 手越が持つ魅力のすべては、彼が努力して手に入れたものだ。


 だからこそ、他の誰でもなく彼自身が、その魅力を大切にしてほしいと願わずにはいられない。「手越祐也」という唯一無二の存在が、これまでどれほど多くの人を笑顔に、幸せにしてきたのか。その功績までも無かったことにされてしまうようなことは、もう二度としてほしくない。


 おかしな言い方かもしれないが、お茶の間から、なによりもファンから「手越祐也」を奪う権利は、手越にさえない。一度幸せにしてしまったのだから、責任をもってずっと幸せにしてくれなくては困る。それが、アイドルという道をゆくものの使命であり、必要な覚悟だ。


 騒動に目をつぶることが愛だとは思わない。事実、多くのファンが事態を目の当たりにし、怒りや悲しみ、不安を抱いている。認められない者もいる。それらすべての感情や葛藤は、愛ゆえに生まれるものだ。


 だから今、手越を待つファン、NEWSを愛するファンを嘲笑する権利は、誰にもない。妙な噂で、いたずらに揺さぶっていい理由もない。


 愛する者を信じること、待ち続けること、希望をもつこと。それは誰にも侵されるべきではない自由なのだから。(新 亜希子)


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