【国内トップドライバーオフインタビュー平峰一貴】料理が趣味の意外性とこだわり。闘将・星野監督の期待に応え「ガンガンいきたい」

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2020年06月17日 12:11  AUTOSPORT web

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2020年スーパーGTでKONDO RACINGからGT500デビューを果たす平峰一貴。
先日、スーパーGTのレース再開がアナウンスされ、国内レースがいよいよ動き始める。約2カ月間におよぶ“おうち時間”を国内のトップドライバーたちはどのように過ごしていたのか。普段の生活の様子やトレーニング事情、そして来月に控えた開幕戦に向けての意気込みについてリモート取材を行った。

 第8回は、今季スーパーGT GT500クラスへステップアップを果たし、TEAM IMPULからGT500デビューをする平峰一貴だ。

※ ※ ※

Q:3月の岡山テスト以降、自粛期間は毎日どのような生活をしていますか?
平峰一貴選手(以下、平峰):「明日乗ってタイムを出せ!」と言われてもいいように毎日トレーニングをしています(笑)。あまり趣味というものはないのですが、自粛期間に入ってから自炊をするようになりました。20歳くらいのときに飲食店で働いていたこともあり料理は好きです。最近はしていなかったのですが、健康面を考えていままでやらなかったような料理にも挑戦しています。

Q:たとえばどんな料理を作りましたか?
平峰:先日は角煮を作りましたね。でも、もう作らないと決心しました(苦笑)。ちゃんと作ろうと思って調理したら5時間くらいかかってしまって……もうやらないです(笑)。

Q:かなり本格的ですね! ほかにはどんなものを?
平峰:スペアリブも作りました。味が染みて肉が柔らかくなるようにフォークでスペアリブを刺すんですけど、それに自粛のストレスをぶつけて……というのは冗談ですが(笑)、思ったより簡単にできました。 

Q:料理の腕前がとても高いですね。
平峰:いや、意外と簡単ですよ。あまりそういったものを食べすぎると体には良くないですけどね。知り合いに栄養士の方がいるので、その人に聞いたりして最近は栄養面の勉強もしています。普段、外食をするときも気を遣ってはいましたが、いい機会なので勉強しておこうと思い、いろいろと教えてもらっています。

Q:栄養面で初めて知ったことや、驚いたことなどがありましたら教えてください。
平峰:いろいろな野菜を摂ったほうがいいことは知っていましたが、なかなか難しいですよね。でも栄養士の方が「ブロッコリーだけでも食べるといいよ」と教えてくれました。ビタミンが豊富でブロッコリーだけでも栄養が摂れるそうです。なので、いまの僕の家の冷凍庫のなかにはブロッコリーがたくさん入っています(笑)。

Q:自粛期間中は時間があったかと思いますが、動画コンテンツなどは見る方ですか?
平峰:たまに見たりしますね。スーパーGTの動画が多いです。今年からGT500に乗ることになったので勉強もかねて見ています。それ以外では面白いトレーニング方法を探したりしています。

Q:動画でのトレーニングの他に、ニッサン陣営のドライバーはトレーナーから指示が来ていると聞きましたが、平峰選手も同様ですか?
平峰:そうですね。トレーナーからくるメニューをこなしてトレーニングを続けています。ダンベルなどは家にもありますが、やはり本格的な器具はないので自重トレーニングがメインです。しっかり負荷をかけるように意識していますね。

Q:最近はシミュレーターでのトレーニングが旬ですが、平峰選手は取り入れていますか?
平峰:経験はありますが、ここ最近は全然していないです。自宅にもそういった環境はありません。いつかは欲しいなと思っていますが、いまはシュミレーターショップ等へ行けばプレイできるので、そんなに急いで求めてはいません。

Q:長期間、マシンに乗れないという日々に不安のようなものはありましたか?
平峰:僕自身がGT500のマシンに乗ってからまだそんなに時間が経っていないですし、ほかの選手に比べて走行距離も少ない。そういう意味では不安になる部分もあります。でも、イメージトレーニングや気持ちの切り替えなどで対応できるように準備はしています。

■ブリヂストンタイヤへの理解はまだまだ勉強中

Q:3月の岡山テストでの感触を教えてください。
平峰:手応えはあると思っています。クルマの調子もいいし、いいところと悪いところがはっきりと出ていました。また、クルマだけでなくチームの雰囲気もすごくいいです。TEAM IMPULなので厳しい面や結果を求められることもあると思いますが、それをすごく楽しみしています。星野(一義)監督も応援もしてくれているので、その期待に応えたいです。

Q:マシンの面で課題はありますか?
平峰: “クルマのここを改良しなければいけない”というのは正直、ないですね。むしろクルマのキャラクターをどんどん知ることができています。セパンテストからバランスも良く、調子がいいので、クルマに関しては心配していないです。

Q:ブリヂストンタイヤ(BS)に関してはどんな感触でしたか?
平峰:僕自身はいままでヨコハマタイヤの経験しかないので、BSの経験がありません。そのため、いままでとはウォームアップの仕方などに違いもあります。理解は進んでいると思っていますが、まだまだ勉強中です。でもすごく攻めていけるタイヤなので楽しみですね。

Q:今年からはGT300クラスを追い抜く立場になります。
平峰:そうですね。昨年までGT300に乗っていたので、いざGT500に乗ってみてもGT300の走りに対して「やっぱりそう走りますよね」と、理解できる部分もあります。GT300クラスの走り方は自分の経験や記憶があるので、そのときの立場を考えながらうまくパスしていけたらいいなと思います。

Q:平峰選手から見て、今年からチームメイトとして組む佐々木大樹選手はどんなドライバーですか?
平峰:“真面目”ですね。ストイックというか、クールな感じです。この自粛期間中も頻繁にではないですが、たまに連絡をとっていました。

Q:3月の富士テストが中止になって以降、チームとも連絡はとっていましたか?
平峰:そうですね。エンジニアから「ちゃんと自粛してる?」と聞かれます(苦笑)。「お前が一番心配だよ」と言われるので「ちゃんと自粛しています」と。あとは岡山テストの振り返りをしつつ、いつでもタイム出せるように準備をといったような話をしました。

Q:この6月の準備がとても大事になると思います。
平峰:そうですね。“時間を無駄にしない”ということはチーム全体で考えています。緊急事態宣言が出ていた期間はチームも自粛していたので、ここから先、どう行動できるかが鍵になってきますね。

Q:今シーズンはどんな年にしたいですか?
平峰:GT500クラスは初年度ですが、ガンガン攻めていけるように全力で頑張ります!

Q:平峰選手のGT500デビュー戦をファンのみなさんも待っています。
平峰:そうですね。ファンのみなさまお待たせいたしました! という感じですね(笑)。みなさんも自粛を頑張っていたと思うし、僕もレースが待ち遠しかったので、いい結果を残せるようにぜひ応援をお願いします。

※ ※ ※

 2009年に鈴鹿サーキット・レーシングスクールを卒業した平峰一貴は全日本F3やスーパー耐久、スーパーGT GT300クラスで経験を積み重ねてきた。そして今年、ついにGT500デビューを果たすことになった。
 フォーミュラで全日本F3に参戦し、その後、GT300を主戦場に戦ってきた平峰にとってニッサンのGT500クラスに大抜擢されてデビューする今年は大きなチャンスになる。公式テストの時点では闘将・星野一義監督とチームからの評価も高いようで、若手の少ないニッサン陣営のなかでいきなり大きな期待を背負うことになった。
 ここ数年、タイトル候補に挙げられながら不本意な結果が続いていたチームインパルにとっても、今季の活躍は平峰がどれだけ早くGT500マシンに適応できるかにかかっていると言えるだろう。

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