一方、阿佐ヶ谷姉妹が芸人としてコンビを組んだのは、2人が30代半ばになる頃だった。今年2月放送の『人生が変わる1分間の深イイ話』(日本テレビ系)によると、女優志望だった渡辺江里子は大学に進学後、劇団東京乾電池の研究所に在籍するも実力不足から1年で劇団から去ることとなる。だが女優の道を諦められなかった渡辺は、大学を卒業後もアルバイトをしながらオーディションを受け続けたがまったく芽が出ず、気がつけば10年が経ってしまった。そこで東京乾電池時代から付き合いのある現在の相方・木村美穂(46)と2007年に「阿佐ヶ谷姉妹」を結成し、芸人として活動を開始した。芸能事務所にも所属したが、博多華丸・大吉と同じく年齢がネックとなりオーディションで落とされることが多く、加えて当時の渡辺が作るネタは「人と違うことを」「今までにないものを」と焦るあまり、普通ではない設定にこだわりすぎてライブでもウケが悪かったのだ。見かねた木村から「そんなにガツガツしなくても、お姉さんは“普通なんだから”」とアドバイスがあり、渡辺は普通のおばさんの何気ない日常をネタにしてみようと思いついたという。おばさんネタのしゃべくり漫才や歌唱力をいかした歌ネタのコントなど阿佐ヶ谷姉妹ならでは芸風を確立すると、「〜細かすぎて伝わらないモノマネ選手権〜」ではファイナリストの常連となり、ついに2016年3月開催の第22回大会で優勝。2018年の第2回『女芸人No.1決定戦 THE W』でもチャンピオンに輝いている。