ファミコン芸人フジタが選ぶ「激動のゲーム業界を生きるメーカー『ケムコ』の名作駄作選」

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2020年07月09日 11:50  ORICON NEWS

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写真ゲームメーカー・ケムコのファミコンソフトについて語ったフジタ (C)oricon ME inc.
ゲームメーカー・ケムコのファミコンソフトについて語ったフジタ (C)oricon ME inc.
 家庭用ゲーム機黎明期に誕生し、今も楽しめる名作から、“クソゲー”と呼ばれる不人気作まで、さまざまなソフトを生み出した『ファミリーコンピュータ』。そのソフトは1000タイトル以上と言われ、誰もが知っている名作から、まったく日の目を見なかったものまで、実にさまざま。そこで、ゲームソフト所有本数3万本、約3000万円をゲームに捧げたファミコン芸人・フジタ協力のもと、この“ファミカセ”をさまざまな角度で切り取り、ピックアップ。第6回のテーマは「激動のゲーム業界を生きたゲームメーカー『ケムコ』の名作駄作選」。※以降の内容は、ゲーム攻略法などネタバレ要素を含みます。閲覧にご注意ください。

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■ソフトから周辺機器、アプリと時代の変化に合わせて形を変え生き抜く

「メーカー名のケムコ(KEMCO)は、母体のコトブキ技研工業の『Kotobuki Engineering & Manufacturing Co., Ltd.』の略称なんですが、響きだけだとどうしても『ナムコ』を意識したように聞こえてしまう。『ナムコ』があそこまで大きくなったばかりに、そんなことになってしまったと思うのですが、その段階で少し悲運を感じますね」

 とフジタが語るゲームメーカーは、広島に本拠を構える『ケムコ』。会社としては母体であるコトブキグループに吸収されたが、今も同名で主にアプリゲームなどを制作するブランドとして存在している。

「ケムコさんの一番すごいところは、このご時世、約40年という日本の激動の家庭用ゲーム界において生き残ってきたところだと思います。ただのゲームソフトメーカーではないんですよ。ファミリーコンピュータ、ゲームボーイ、スーパーファミコン、NINTENDO64あたりまではゲームソフトの開発をメインでやっていたんですが、プレイステーションの時代になると、ソフトから徐々に周辺機器に移行し、メモリーカードなどを制作。そして今現在は、アプリゲームと、時代の変化に合わせて、ニーズを的確に読み、形を変えて激動の時代を生き抜いてきたんです」

 そんな、ケムコのファミコンソフトはというと、海外のゲームの移植や、映画や小説など原作ベースの作品をゲーム化する作品が多いこと。そして、そのソフトの評価が両極(名作とクソゲー)に分かれるなど“ふり幅”が非常に広いとフジタは言う。以前紹介した即死系の3部作『ディジャブ』(1988年)、『シャドウゲイト』(1989年)、『悪魔の招待状』(1989年)など代表作もあるなかで、ケムコが制作した「名作」と「クソゲー」をフジタに紹介してもらった。

■隠れた名作とフジタ絶賛『スパイVSスパイ』

スパイVSスパイ(1986年/ケムコ)
 今もなお、名作と言われているアクションゲームです。対戦か対コンピュータか選べるのですが、コンピュータは非常に弱いです。
 対戦相手と自分の画面が2分割であらわれ、自分たちがスパイになって、重要アイテムを取って、さまざまな部屋から脱出した方が勝ちというルールなのですが、そもそも画面が俯瞰ではなく、3Dマップ系の画面なので、子どもには見づらくて難しい。しかも、敵がどこにワナを仕掛けたとか、どこにアイテムを隠したとかをみつつ、自分も動いていかないといけないんです。「カバン」を持たないとアイテムを複数回収できないので、見つけてもどこかに隠しておかないといけなかったり、相手が持っているアイテムを殺し合いで奪って回収したりしなければいけない。武器やワナもいろんな種類があり、地下とか2階とかある面もあって、めちゃくちゃ楽しめます。

 これはもともと海外のゲームの移植版。ただ、ファミコンのソフトは、元のゲームが面白くても、移植の際のアレンジがうまくいかなくて失敗に終わるケースも多々あるんです。でもこれは良移植。内容はすごく面白いし、今もなお一部ファンにはすごく評価されていて間違いなく名作です。
 ただ、悲しいことにこのソフト自体は大ヒットとはいかず、隠れ名作みたいになっちゃっているんじゃないかな。その理由は、子どもには少し難しいから。マリオとか子どもでも楽しめるソフトは本数も出るんですけど、少し大人向けすぎたかなと思います。もう少しポップにしてもよかったかもしれませんね。

 大ヒットと行かなかった考えられるもう一つ理由は、当時のゲーム雑誌の評価が異常に低いということも挙げられます。多分実際にプレイしたわけではないんじゃないかなと思います。やれば絶対にそんな低評価になるはずがない。当時は今と違って、インターネットもないので、情報はゲーム雑誌などで得るしかない。そういう意味でも悲運なソフトだと思います。例えばもっとプロモーションを大々的にやっていたり、当時のゲーム雑誌で正当な評価を受けていたら、違った運命もあったんじゃないかなと思います。

■原作無視?愛すべきクソゲー『時空の旅人』

時空の旅人(1986年/ケムコ)
 クソゲーとして現代でも語り継がれています。もともとアニメ映画(原作は眉村卓の小説)だったものをゲーム化した作品ですね。映画は、後にゲームにするくらいなので、好評だったと思います。
 ただ、残念なことにゲームには、映画の設定はほとんど受け継がれていないんです。ゲームではタイムスリップをして、歴史上の偉人にあったりするんですけど、たぶん映画ではそんな展開になっていないはずです。
 さらにその内容がひどい。タイムスリップした先の偉人の質問に答えるんですけど、「はい」「いいえ」の選択を誤ると、違う時代に飛ばされたり、殴り殺されたり、刺し殺されたりします。これは映画のシステムではなくオリジナルです(笑)。ヒロインも出ないですし。
 映画も爆発的に大ヒットしたわけでもなく、人気に乗りたいというわけでもなさそうなので、なぜこれがゲーム化されたのかが謎ですね。

スーパーマン(1987年/ケムコ)
 もう1本、これは映画は大ヒットしたんですけど、このゲームはクソゲーと言われています。
 普通、スーパーマンが戦って悪を倒していくというイメージがあると思うんですけど、このゲームではスーパーマンになる前、“クラーク・ケント”の状態でも戦うんです。体力で変身がとけるので、普通の状態でも戦うんですね。あと、変身した状態なのに地下鉄で移動とか(笑)。空を飛ぶのも回数制限があって。ウルトラマンのカラータイマーみたいですよね。とにかくツッコミどころが満載のゲームです。一応ゲームとしては成立してるので、広大なマップの割に単調過ぎる部分がクソゲーと言われています。スーパーマンという大作を使うためにお金を使って、開発にお金をかけなかったのかなと思う作りですね。

 このように、ファミコンにおけるケムコさんのソフトは、『ディジャブ』『シャドウゲイト』『悪魔の招待状』『スパイVSスパイ』など海外ゲームの移植は、いい評価のものがあるものの、映画などからのオリジナルでゲーム化に関してはあまり評価されていない作品があります。

番外編「ボンバザル」(1990年/ケムコ)
 番外編としてもう1本、スーパーファミコンのソフトをご紹介します。この『ボンバザル』は、スーパーファミコン発売と同時にローンチタイトルとして発売された『スーパーマリオワールド』『F-ZERO』の次、任天堂以外のサードパーティとしては初めて発売されたスーパーファミコンのソフトなんです。ゲーム自体は理不尽、難解、即死ゲーで、クソゲーと言われたりします。「なんでケムコさん、こんなに早く出せるんだろう」って思っていました。

 ケムコさんは、ファミコンソフトも、一番売れている時代に海外のゲームをどんどん持ってきたり、スーファミも本体が発売された直後、ソフトの本数が少ないから売れる時期に出したりとか、まさに“機を見るに敏”。ゲーム業界で特に重要なタイミングをつかむのがすごくうまかったと思います。いくらソフトが面白くても、タイミングが悪ければ売れないですから。

→次回は「出会ったら最後…絶望感しかなかった敵〜アクション編〜」

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  • スペースハンターはパッケ絵に釣られて買いましたなw
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  • スパイvsスパイは神ゲー
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