【気になる一言】接触の見解が分かれるフェラーリ「中団からスタートすれば、このような事故は常に起こり得る」

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2020年07月14日 08:11  AUTOSPORT web

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写真2020年F1第2戦シュタイアーマルクGP決勝スタート セバスチャン・ベッテルとシャルル・ルクレール(フェラーリ)
2020年F1第2戦シュタイアーマルクGP決勝スタート セバスチャン・ベッテルとシャルル・ルクレール(フェラーリ)
 第2戦シュタイアーマルクGPのレース後、フェラーリは現地時間の午後6時45分に、Zoomと並んで高い知名度を誇る、世界で最も利用されているWeb会議システムである『Webex』を利用して、世界中のメディアとオンライン上でチームの囲み会見を行う予定だった。

 しかし、それは中止となった。もちろん、その理由は、スタート直後にフェラーリの2台が同士討ちを演じたことにあったことは想像に難しくない。代わりにフェラーリの広報は、マティア・ビノット代表と2人のドライバーのテレビ局のインタビューを録音した音声データを送信してくれた。

「残念というだけでなく、大きな失望だ。ほんの数周で2台のマシンがガレージに戻ってくる姿を見るのは耐え難い苦痛だ。厳しい状況のなかで始まった週末が最悪の結果で幕を閉じた」

「しかし、中団からスタートすれば、このような事故は常に起こり得る。だから、いまは責任を追及したり、誰かを非難している場合ではない。チームには多くの優秀なスタッフがいる。みんなで力を合わせて、この困難を乗り越えなければならない」(マティア・ビノット代表)

 しかし、レース後のインタビューで、ルクレールは全面的に謝罪した。

「テレビの映像を見ればわかるように、完全に僕のミスだ。言い訳のしようがない。セブ(セバスチャン・ベッテルの愛称)はまったく悪くない。だから、セブに謝罪した。謝っても済まない取り返しのつかないミスを犯した。セブのレースも台無しにしたし、懸命にアップデートパーツを準備してくれたチームも失望させた。自分自身に失望している」

 そして、ベッテルも驚くほど冷静な口調でテレビのインタビューに答えていた。

「とても残念なことだけど、僕の気持ちは落ち着いているから大丈夫。ただ、フェラーリにとって最悪な週末となった。でも、振り返っても仕方がない。僕たちは前へ進むしかない。幸いなのは、来週すぐにレースがあること。次にマシンに乗るまでそれほど時間はかからないことだね。来週のハンガリーGPが僕たちにとって良い週末になることを期待している」

 つまり、ドライバーふたりは今回の事故はビノットが言うように「中団からスタートすれば、このような事故は常に起こり得る」ものとは考えていない。というのも、20台でスタートするのはいまに始まったことではなく、毎レースだれかが中団からスタートする。しかも、マシンの戦闘力がほぼ同じでチームメート同士の力量も等しい場合、同じチームの2台が集団の中でスタートすることは決して珍しいことではない。そして、ほとんどのケースで1周目にチームメート同士が接触事故を起こしてリタイアすることもないからだ。

 それでは、フェラーリの2台はなぜ同士討ちを演じたのか。じつは、フェラーリは8カ月前にも同士討ちを演じていた。

 2019年のブラジルGP。残り6周でセーフティーカーが解除され、レースが再開されると、フェラーリのふたりは表彰台を賭けてチーム内バトルを開始。バックストレートで接触した2台はそろってリタイアとなった。このときの2人のポジションは4番手と5番手で、集団の中にいたわけではない。

 つまり、フェラーリの2台が事故を起こしたのは、ビノットが語ったように「中団からスタートしたこと」が要因ではなく、ビノットのドライバーマネージメント力の不足が真因だと言ってもいい。しかも、今年のフェラーリはすでにベッテルがシーズン終了後に離脱することが決定しているという難しい状況の中にあり、一層、ドライバーの管理能力が問われる。

 それをビノットが自覚し、何らかの対策を講じなければ、再び事故が起きても不思議はない。

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