『私の家政夫ナギサさん』主題歌あいみょん「裸の心」、メイ=多部未華子に寄り添う楽曲 劇中での効果的な使われ方も

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2020年07月14日 12:01  リアルサウンド

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写真あいみょん『裸の心』
あいみょん『裸の心』

 温かいメロディが心を包みこむ。『私の家政夫ナギサさん』(TBS系)第1話では、主人公のメイ(多部未華子)が家政夫のナギサ(大森南朋)におんぶされるシーンであいみょんによる主題歌「裸の心」が流れてきた。なんとも印象的な楽曲の使われ方につい、心を揺さぶられ涙がじんわり溢れてくる。


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 あいみょんは過去にも同枠の火曜ドラマ『Heaven? 〜ご苦楽レストラン〜』にて主題歌の「真夏の夜の匂いがする」を担当。墓地の中に佇むレストランが舞台のドラマにピッタリの、ミステリアスなAメロからキャッチーなサビへと転換する楽曲で視聴者の心を見事に掴んだ。しかし今回『私の家政夫ナギサさん』では、転じてノスタルジックで温かさに溢れたメロディを展開する。シンプルな骨組みにストレートに響く歌詞、ピアノやハーモニカを中心にした楽器編成はおよそ“今っぽさ”からは離れているような印象を抱かせるが、それでもあいみょんらしい人を惹きつけるサビは健在である。今回は特に、楽曲から毒やトゲの抜けた優しさが強く感じられ、全体的に柔らかい雰囲気だ。ドラマのために書き下ろしたのではなく、2017年からあった楽曲であるとのことだが、不思議とこんな時流にもマッチし、包み込むような愛を感じさせる。多くの人の心を癒し、力を与えるだろう。そんな「裸の心」の歌詞は『私の家政夫ナギサさん』の物語と見事にリンクし、本作の主題をより丁寧に視聴者へと送り届ける。


 〈いったいこのままいつまで 1人でいるつもりだろう だんだん自分を憎んだり 誰かを羨んだり〉というフレーズは、いっぱいいっぱいになり苦悩していた、第1話でのメイの気持ちをそのまま表すような歌詞となった。恋愛もしておらず、親や友人からは結婚のことを心配され、仕事でも強力なライバルが現れ苦戦する。そんなメイの胸中を代弁するかのように楽曲が流れ始める。そして泣いていたメイはナギサにおんぶされて寝室へと行き、母親にしてもらうかのように布団をかけてもらう。ナギサの去り際、メイが「行かないで、お母さん」と寝言のようにつぶやくと、歌詞はメイの気持ちに寄り添うように〈いつかいつかと 言い聞かせながら 今日まで沢山愛してきた そして今も〉というフレーズに差し掛かる。疲労困憊のメイが、母親に対してマザーコンプレックスを抱えていることを感じさせるシーンだ。そしてナギサと手を繋いだまま、サビの〈この恋が実りますように 少しだけ少しだけ そう思わせて〉と続く。


 第1話の段階ではメイは田所(瀬戸康史)とも、ナギサとも、他の誰かともまだ恋に落ちるようなそぶりは見せていない。だが母を想い、気持ちを募らせる苦しみが恋慕の歌詞に乗って、切なくじんわりと心に届くのだ。本作の主題の一つには、「母親」という存在がある。このテーマは「裸の心」が“懐かしさ”を感じさせる楽曲であることでより深みを増し、恋愛についての歌詞でありながら、母の持つ「愛」の温もりをも想起させた。第1話では特に、無償の愛こそがメイの生活を変化させるのではないかと思わせる描写が続く。実際に楽曲が流れるこのシーンでは母親代わりのようにメイの身の回りの世話をするナギサが、メイの手を握り寝ている姿を見守っていた。さらに今後の展開次第では、このサビの歌詞はナギサと繋がれていた「手」と共に何か重要な意味が持たされる可能性もある。岩崎愛奈プロデューサーは主題歌について、「毎日を頑張って生きる女性たちの言葉にできない思いを代弁してくれるような、そしてそっと寄り添ってくれるような」楽曲を探していたという。ドラマの展開と共に、歌詞に込められたメッセージをより深く読み込んでいくこともまた、主題歌を味わう醍醐味となるだろう。


 実は『私の家政夫ナギサさん』の原作、「家政夫のナギサさん」(著者:四ツ原フリコ)はすでに完結している。ドラマと原作が必ずしも同じ展開を辿るとは限らないが、この完結したコミックと合わせて「裸の心」を聴くと、また違った視点で楽曲を味わうこともできるのだ。ドラマの第2話では、メイが田所と合コンで再会し、関係が進展する様子が予告で公開されている。この恋愛模様が「裸の心」で歌われる〈この恋〉に当たるのか。主題歌と合わせてドラマの進展も、母の愛のように暖かく見守っていきたい。(Nana Numoto)


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