Official髭男dism、Sexy Zone……音楽的情報量に富んだアレンジが施された作品 新譜5作よりピックアップ

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2020年08月04日 12:02  リアルサウンド

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Official髭男dism『HELLO EP』

 今や日本の音楽シーンを代表する存在となったOfficial髭男dismの新作EP『HELLO EP』、ドラマ『未満警察 ミッドナイトランナー』主題歌としても話題のSexy Zoneの新曲「RUN」。音楽的な情報量に富んだアレンジが施された新作を紹介します!


(関連:Official髭男dism「HELLO EP」ティザー映像


●Official髭男dism『HELLO EP』
 2020年代J-POPのトップランナーとして疾走し続けるOfficial髭男dismの新作EP『HELLO EP』。表題曲「HELLO」(フジテレビ『めざましテレビ』テーマソング)は力強く低音を響かせるトラック、シンセとギターが奏でる煌びやかなリフ、大切な〈君〉と一緒に不安定な世界を歩く決意を歌った歌詞が結びついたチアフルなロックナンバー。さらにヒゲダンらしい起伏に富んだメロディが心に残る爽やかポップチューン「パラボラ」(「カルピスウォーター」CMソング)、重厚なストリングス、ドラマティックな旋律とともに〈たとえ紛い物だったとしても 自分にとっての正しさを/創造してみるよ〉というラインが高らかに鳴らされる「Laughter」(映画『コンフィデンスマンJP プリンセス編』主題歌)などを収録。話題性のあるタイアップ曲のなかで、さらに精度を上げたポップセンスを心ゆくまで堪能できる充実作だ。


●Sexy Zone『RUN』
 Sexy Zoneは、新レーベル<Top J Records>からの第1弾シングル『RUN』が到着。中島健人(Sexy Zone)&平野紫耀(King & PrinceのW主演ドラマ『未満警察 ミッドナイトランナー』主題歌の表題曲は、躍動感に溢れたバンドサウンドとダンスミュージック的なエディット感が共存するナンバー。現在のトレンドになっている“EDM+生楽器”にも則したトラック、そして、生き生きとした息づかいが伝わるボーカルのバランスが素晴らしい。また、大人と呼ばれる年齢になっても“まだまだ走り続けるんだ”という決意を込めた歌詞は、ドラマのストーリーとメンバーのリアルな感情を結び付けている。通常盤のカップリングには精細なビートとシンセの浮遊感が印象的な「Small Love Song」、60年代モータウンから連なるオーセンティックなポップソング「TOGETHER」を収録。幅広い時代のポップ要素を取り入れたプロダクションにも注目してほしい。


●ずっと真夜中でいいのに。『朗らかな皮膚とて不服』
 2年前に発表された「秒針を噛む」以降、瞬く間に新世代ポップシーンの旗手として注目されたずっと真夜中でいいのに。の3rdミニアルバム『朗らかな皮膚とて不服』は、シンガーのACAねを中心としたこのユニットが新たなフェーズに突入していることを告げている。緻密な構築美と心地よい解放感を内包したサウンド、怖がり、迷うことを抜け出し“自分に期待したい”という思いを込めた歌詞がぶつかり合う「低血ボルト」、しなやかなベースライン、切れ味のいいギターカッティングに乗って、〈ファンキーな直感で/今日の歌だって 変わってゆくなら〉というフレーズを響かせる「お勉強しといてよ」。冒頭の2曲を聴けば、“ずとまよ”らしい高濃度のポップ感覚、そして、常に変化し続ける意思を感じてもらえるはずだ。


●EMPiRE『SUPER COOL EP』
 昨年12月にリリースされた2ndアルバム『the GREAT JOURNEY ALBUM』によって、新体制(2019年4月)以降の活動を総括したEMPiRE。新作EP『SUPER COOL EP』は、彼女たちの次なるアクションを予見させる作品だ。まず印象的なのは1曲目の「This is EMPiRE SOUNDS」。90年代的なロックとダンスミュージックの融合がもたらすイメージは、巨大フェスやアリーナでのライブ。壮大なメロディが響くEDM系トラック「SUPER FEELiNG GOOD」、“もう泣かない”という思いを空高く放つミディアムチューン「I don’t cry anymore」なども、これまで以上のスケール感がある。この作品を契機にして6人は、まったく先が見えない現状にぶつかりながら、さらに大きなフィールドを視野に入れた活動に突き進みそうだ。


●sora tob sakana『deep blue』
 2020年9月6日に予定されている日本青年館ホール公演をもって解散することを発表したsora tob sakanaのラストアルバム『deep blue』。ポリリズムを交えたリズム構成、フォークロア的な雰囲気の旋律、現代詩のようなリリックが溶け合う「信号」、抽象派的なピアノの響き、静寂を感じさせるメロディ、メンバー3人の声が重なっては離れる構成による「untie」という新曲のほか、既存の楽曲を再レコーディングして収録。ポストロック、エレクトロニカ、現代音楽などを交えた音楽性、純度の高いピュアな声質と巧みなコーラスワークなど、このユニットの独創的なスタイルを改めて実感できる作品に仕上がっている。(森朋之)


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