「決勝重視のアプローチでPPを獲れた」ホンダNSX開発陣の期待と不安【スーパーGT第2戦予選】

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2020年08月08日 21:31  AUTOSPORT web

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写真開幕戦のレースでストップしてしまったKEIHIN NSX-GTは第2戦でタービンを交換して参戦。予選2番手を獲得した
開幕戦のレースでストップしてしまったKEIHIN NSX-GTは第2戦でタービンを交換して参戦。予選2番手を獲得した
 8月8日に富士スピードウェイで行なわれたスーパーGT第2戦予選、GT500クラスではARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺)がポールポジションを獲得。2番手にはKEIHIN NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット)が続き、ホンダ勢がフロントロウを独占する形となった。

 開幕戦でも予選では速さを見せたものの、決勝では徐々に後退、GRスープラ勢の後塵を拝す結果となったNSX勢。当然、第2戦決勝で注目されるのはそのレースペースということになるが、今回はどのようなアプローチで臨んできたのか。予選後、NSX-GTの開発を束ねるHRD Sakuraの佐伯昌浩GTプロジェクトリーダー、車体開発担当の徃西友宏氏に話を聞いた。

 佐伯氏は「非常に短期間で(FRの新型NSX-GTを)作り、また新型コロナウイルスの影響で走行時間も限られるなか、今年はレースを戦いながら開発するしかないシーズンになると思っていましたが、2戦目にしてフロントロウを独占できたことで、我々が作ってきたマシンのポテンシャルは充分に高いものであると証明できたと感じています」と予選結果を振り返る。

「テストがないので、レースウイークの公式練習、そしてレースの結果をもって、“このクルマをどう走らせるか”という幅をどんどん狭くしていかなければならない。本来それはテストでやることですが、レースを戦いながら“このクルマはこう走らせるべき”というのをまとめるのが、我々HRDの役割だと思っています」

 その言葉どおり、ホンダの開発陣は開幕戦の結果を受けてセットアップやタイヤなどをさまざまな角度で見直し・分析をし、富士に帰ってきた。徃西氏はこう説明する。

「チームさんと協力しながら、セットアップや持ち込みタイヤの面、そして公式練習の時間の使い方などでも工夫をしていただいて、『レースペースでライバルに勝てるように』とやってもらいました」

「そういう(決勝ペース優先の)流れでやっていく以上、予選ではトップを取れないかと思っていたのですが、ドライバーさんもすごい集中力で一発を出してくれました」。その言葉には、決勝重視のアプローチのなかで予選PPを獲得できたことへの驚きと喜びが入り混じる。

 今回のブリヂストン(BS)勢3台の持ち込みタイヤのスペックは「わりとバラけている」(徃西氏)とのこと。これは開幕戦の時点でも3台は異なる仕様をチョイスしており、「開幕の結果をベースに各チームさんが“次の一手”を考えるとなると、(第2戦のタイヤも)一緒にはならない」と徃西氏。

 FRというライバルメーカーと同一のレイアウトになることで、これまでよりタイヤのピックアップに悩まされることは少なくなるとホンダ開発陣は踏んでいたが、開幕戦の決勝ではピックアップが出てしまった。「新しい課題を突きつけられているところ」と徃西氏は言う。

「今回BSユーザー3台でもセットアップなどの方向性が異なってますので、決勝でどれか答えに近いものが得られれば……と考えています。いまは解析中というところです」と、今回の決勝に向けても手探りな部分が残されている。

「予選は僅差でしたし、スープラ勢はウエイトを積んでいますので、この前(開幕戦)と比べ、それほど大きく力関係が変わったとは感じていません」と現状の勢力図を分析する佐伯氏は、決勝への展望を問われると「我々次第、みたいなところはあるかもしれないです」と率直に答えた。

「いま、やろうとしていることがうまくいけば逃げ切れるでしょうけれど、前回みたいに10ラップほどでタイムを落とすことになってしまうのか……テストをしているわけではないので、レースが始まってみないと分からないというのはあります」

 開幕戦でGRスープラ勢に差をつけられたストレートスピードの差も課題として挙げられていたが、予選を見る限り詰めることができているようで、決勝に向けては明るい材料と言える。

 果たしてどんなレース展開となるのか。そして、ホンダ勢のなかでは誰が「正解」を引き当てるのか。決勝ではNSX-GT勢のレースペースに注目だ。
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