飯尾和樹 “大人気おじさん” に!「売れない時代に、いろんなところを見てきた」

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2020年08月18日 18:00  週刊女性PRIME

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飯尾和樹  撮影/近藤陽介

 見た目はおじさん。“ぺっこり45度”などのゆるくてシュールなギャグはじわじわとクセに……。“大人気おじさん”ずん・飯尾和樹の魅力とは?

『マツコ&有吉かりそめ天国』(テレビ朝日系)などのバラエティーはもちろん、朝の情報番組『ノンストップ!』(フジテレビ系)内の『ワリカツ!〜おトクな割引生活〜』(毎週木曜)では主婦の心をガッチリキャッチ! 決してメインを張るわけではないが、『私の家政夫ナギサさん』(TBS系)などのドラマ、田中みな実と夫婦役で共演する『明治TANPACT』のcmなど、気づけばテレビで見ない日はない。
 
 そして今夏、マイナポイントの旗振り役として、新cmに出演中。ついに、お国の仕事を担うまでに……!

「最初“総務省さんからのお仕事です”って言われたときに、“えっ! 何するんだろう?”と思ったら、マイナポイントで。自分のギャグも、少しはお国の役に立っていたんだなと思いましたね。しかも、舘ひろしさんと一緒で、心躍りましたよ」
 
 撮影は6月末。マイナポイントのゆるキャラ・マイナちゃんの着ぐるみをかぶった舘を前に、飯尾は3回連続のNG。

しかもアドリブをかましてのNG。現場は“お前、アドリブする余裕ないだろう”って空気になりましたけど、NGは生きている証だと思ってますんで(笑)。舘さん、暑くて腹立ったはずだと思うんですが、想像がつかないほど本当に気さくでにこやかで。怒ったらどうなっちゃうんだろう? っていうくらい優しいんですよ」
 
 そんな飯尾が怒るところも想像がつかないが、

いや、全然。心の中で舌打ちしてるときもありますから(笑)。並んでる列に割り込みされたときとかね
 
 そもそも、マイナポイントって?

「普段使っているキャッシュレス決済サービスと連携してですね、2万円のチャージ、またはお買い物をすると、なんと5000円相当のポイントがもらえるというお得な情報なんですね。夫婦でやれば、福沢諭吉さんが1人舞い込んでくる。うれしいですねぇ
 
 マイナンバーカードを申請し、マイナポイントの予約・申込を行うことで取得できる。7月1日からスタートしており、ポイントは9月1日から付与される。

「例えば、僕はラーメンに1000円以上払いたくないんですが、近所の気になるラーメン屋さんは、具を全部のせにすると1300円になるんですよ。そういう普段の自分では手を出さない、ちょっとした贅沢に使ってみたい。あと、あればの話なんですが、“芸能人としての華”が売ってたら5000円分買いたいんですけど、どっかで売ってませんかね?
 
 華はなくても(?)、今や超がつく売れっ子。お金の使い方も、派手になったのでは?

「これが、時計が好きとかなくて。車はカッコいいなと思うんですけど、免許がないから買う必要もない。自転車も置ける場所がないから1台だけ。1回“これも経験”と思って高級メガネを買ったんですよ。遠近両用のいいレンズ。でも高級なものはむしろ合わなくて、今は眠ってますね。やっぱり、今まで培ってきたものがあるから大きくは変わらないですねぇ」
 
 今でも赤いソーセージが大好きで、スーパーでは必ずカゴに入れるという庶民派だ。

「飲みに連れていける人数は増えましたね。今までは、いっぺんに大人数の面倒は見られないから、2チームに分けて。3日後にもう1チームの後輩と飲んでましたから(笑)」

苦節20年以上
その貧乏時代は?

 相方のやすと『ずん』を結成したのは'00年だが、芸人デビューは'91年。20年以上、売れない時代を過ごした。

「ウチの事務所は25日が給料日なんですけど、20日過ぎると、1日300円で暮らさざるをえなくて。それも守れず、2日くらいでなくなっちゃう。最後の1杯まで飲んじゃって、2時間歩いて帰ったりしましたね。なかなか世田谷区を抜け出せなくて“世田谷ってでかいんだなぁ”って思いながら(笑)」
 
 キャベツ1個で3日間暮らしたことも。

「キャベツチャーハン、キャベツカレー、ロールキャベツの具なし版“ロールなしキャベツ”とか(笑)。僕の場合は同期のキャイ〜ンが先にバーッと売れたので、よくロケ弁や楽屋の弁当を大量にウド(鈴木)が運んでくれて。ずいぶん、それで食いつなぎましたね」
 
 飯尾のテッパンネタのひとつ、現実逃避シリーズ(昼間からゴロゴロゴロゴロ〜。あーあ、何でも10円で買えたらなぁ等)は30代半ば、リアルに考えていたことだという。

(低収入で)ロクに税金も払わず、最悪ですよね。なのに、今回のようなお仕事をさせていただいて。あのころは本当にお世話になりました

 ぺっこり頭を下げ、どこまでも低姿勢。天狗にならずにいられる理由を尋ねてみると、

「天狗になるなんて、とんでもない! キャイ〜ンは元から根っこができているから、売れても全然人が変わらないですけど、もしキャイ〜ンのように23歳くらいから売れていたら、わからなかったと思いますよ。あと、売れない時代に(芸能界の)いろんなところを見てきましたから。“ああやると落ちていくんだ”とか“あんな粋がっていた人、もういないんだ”とかね(笑)
 
 ミルクボーイやぺこぱのブレイクで“人を傷つけない笑い”が持てはやされているが、飯尾のギャグこそが時代を先取りしていたようにも感じる。

「いや、全然ですよ。さまぁ〜ずさんからは“飯尾のギャグはやっぱり何げに毒が入ってるよな”ってバレてますし

 今、芸人としてどんな青写真を描いているのだろう?

「今は世界中がコロナで自由にロケも行けないし、“今日、みんなで飲もう”なんてこともできない。今までのそれが贅沢なことだとは、バカだからわからなかった。麻痺してたんでしょうね。ロケ芸人ですから、行きたいところに行ける日常が早く戻ってきてほしいですね」
 
 と、地に足がついた回答。冠番組への野望は?

「そんなそんな。とんでもない。そんなことは……と言いながら、話が来たらふたつ返事だと思うんですよ。“はい、やります!”。勇気あるオファー、いつでもお待ちしております(笑)」
 
 ますます、このおじさんから目が離せない―。

俳優としてやってみたい役は?

『クロサギ』('06年)、『おんな城主直虎』('17年)、『アンナチュラル』『半分、青い。』(ともに'18年)……など、近年は俳優としての活躍も目覚ましい。現在放送中の人気ドラマ『私の家政夫ナギサさん』(TBS系)では、医薬品卸売会社の営業課長役。メイ(多部未華子)の重要な情報源となっている。

「そんなそんな。俳優さんの仕事なんて、僕にはおこがましくて。役の違いなんてほとんどわからないし。飲み物でいえば、炭酸か炭酸じゃないかくらいの区別しかできてませんし。ストイックで、終わってからも役から抜け出せない俳優さんもいるって言うじゃないですか。僕なんて、現場を離れるころには、元の飯尾に戻ってますから
 
 と、謙遜の嵐。主演などは狙っていない?

「ないですね。ただ両親が『男はつらいよ』の大ファンで。映画館によく連れていってもらったので、ああいう喜劇はやってみたいですね。あと1回、刑事役はやってみたい。令状持って“はい、触らないで”とか。『警察24時』とか大好きなんです。あ、けっこうあるじゃないか!(笑)」
 

NGってあるんですか?

 どんなキツイ仕事でも笑顔で引き受けるイメージがあるが、飯尾がNGを出す仕事もある?
あの……スカイダイビングとバンジージャンプですかね。高いところが苦手なので、それだけは迷惑かけちゃうかなって。スカイダイビングで1回ヒモを引っ張って、それがダメだったら終わりじゃないですか。ノーチャンスなのはダメなんですよ、死にたくないので。それ以外であれば、来た仕事は何でもやると思いますね」

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  • アイドルヲタの #村山ひとし 氏と #Laおかき を結成してた頃が懐かしい。
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