『博士ちゃん』をけん引するサンド&芦田愛菜、番組P明かす“想定外”の化学反応

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2020年08月29日 08:40  ORICON NEWS

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写真サンドウィッチマンと芦田愛菜がMCを務める『サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん』(C)テレビ朝日
サンドウィッチマンと芦田愛菜がMCを務める『サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん』(C)テレビ朝日
 お笑いコンビ・サンドウィッチマンと女優・芦田愛菜がMCを務めるバラエティ番組『サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん』(テレビ朝日系)が、まもなくレギュラー放送開始から1年を迎える。民放キー局が熾烈な争いを繰り広げるゴールデンタイム枠で、まるでNHK Eテレのような教育的な視点で異彩を放つ“毒を排除したバラエティ”が、視聴者の支持を集めている。時代の空気にマッチした同番組だが、テレビ朝日の鈴木忠親ゼネラルプロデューサーは「作っているのは教育番組ではなくバラエティ。毒がないのは結果」と制作に向き合う真意を語る。

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◆教育番組のつもりはない「毒が生まれればそれはそれでおもしろい」

 昨年2月と6月の特番を経て、10月から毎週土曜日にゴールデンタイム枠でレギュラー放送がスタートした『博士ちゃん』。大人顔負けの知識を身につけた子ども=博士ちゃんが、教室で生徒(サンドウィッチマン)に授業をする同番組は、博士ちゃんのサポート役を務める芦田愛菜を含めたキャスト陣の心温まる和やかな空気感が、ファミリー層をはじめ幅広い世代から支持を受けている。

 注目されるのは、人気タレントやお笑い芸人をキャスト陣に勢揃いさせるトーク番組やクイズ番組などが並び、熾烈な競争が繰り広げられる民放のゴールデンタイム枠で、まるでNHK Eテレのような教育的な視点の番組で勝負をかけ、独自のポジションを確立している点だ。しかし、鈴木氏は「『博士ちゃん』はEテレさんにある良心的な優良番組だと思われているのでしょうか…。制作側としてそうは思っていなかったので身が引き締まる思いです(笑)」と自嘲する。

「教育番組というつもりはなく、バラエティ番組のひとつだと思って制作しています。サンドウィッチマンさんと芦田愛菜さんの組み合わせが、ほかでは観られない環境であり、そこに特別な知識と熱量を持った子どもが加わる。MC同士のかけあいや、MCと博士ちゃんのやりとりなど、その場で生まれるすべてが理想的な方向にむかって、おもしろくなっています」

 “笑ってタメになる”を打ち出す同番組だが、その大きな特徴は“毒”が一切ないことだ。かつての民放のゴールデンタイム枠といえば、“汚れ”や“毒”など刺激的な要素をこれでもかと盛り込んでNHKとの差別化を図りつつ視聴者を楽しませようとしてきたところがある。昨今では、SNSでの批判や厳しい自主規制があるなか、高学歴タレントや東大生などによるクイズ番組やアトラクション要素を取り入れた対決バラエティ番組などソフト路線が増えている。そんななかでも、毒を排除した清廉潔白な『博士ちゃん』は、とくに今の時代にマッチした番組のように感じる。

「たしかに世の中全体的にいま優しさが求められていて、そういうニーズはあると思います。ただ、『博士ちゃん』には“毒”を排除するという意識は特にありません。子どものまっすぐな姿勢や言葉がメインになる番組の性質上、人を傷つけようがない。“毒”がないのは結果です。もし、子どもとサンドウィッチマンさんとのかけあいで“毒”が生まれれば、それはそれでおもしろいと思います」

■サンドウィッチマンと芦田愛菜のゴールデンコンビから生まれた想定外の化学反応

 そんな同番組の人気の理由のひとつは、サンドウィッチマンと芦田愛菜というキャスティングの妙から生まれるおもしろさだろう。民放ゴールデンタイムのレギュラーで初MCとなった芦田愛菜は、スタート当初こそ緊張からの硬さも目立ったが、いつのまにかリラックスした笑顔や素の表情も見せるようになり、天然ぶりを発揮したときのサンドウィッチマンのツッコミは、番組を和ませ、視聴者を笑顔にさせる。

「子どもと相性のよいサンドウィッチマンさんが、子どもと絡める企画ができたら、というのが番組の入り口でした。そこに、子どもたちと年齢の近い芦田愛菜さんがプラスで入れば、サンドウィッチマンさんとは違う目線からの予想できない化学反応が起きるのではないかと期待しました」

 子どもたちと年齢が近いということで言えば、子役あがりの俳優たちも多く活躍するなかで、なぜ芦田愛菜に白羽の矢が立ったのか。鈴木氏は「芦田愛菜さんにバラエティのイメージがなくて、想像ができなかったんです。だから逆に、新しい何かを見てみたかった」と打ち明けるが、その期待が的中したようだ。

「番組がスタートしてからは、芦田愛菜さんの順応性の高さに感心させられています。彼女自身も毎回すごく勉強してきますが、緊張している博士ちゃんのいいクッションになってくれて、番組の安心材料になっています。最近は悪ノリにも対応してくれるところもありますが、そういうのも良いアクセント。思っていた以上の番組にとっての芦田愛菜さんの存在の大きさ、すごさを感じています」

 そんな芦田愛菜のよさをうまく引き出しているのも、サンドウィッチマンだからこそ。鈴木氏は「MC同士の相性が抜群に良い」としながら、サンドウィッチマンの力量にも言及する。

「ほかの芸人さんにはない彼らの良さは、無理強いがないこと。お笑いのロジックにこだわらず、ありのままでおもしろくすることに長けているところです。それが芦田愛菜さんとの相性の良さにつながっていて、良い化学反応を起こしています。お互いにとても楽しそうに見えますから」

■ふだんは周りを気にしてしゃべれない子どもたちが、思う存分語れる場所が『博士ちゃん』

 裏番組では『99人の壁』(フジテレビ系)が放送中。得意分野を持つ子どもが出演することでは内容が重なるが、番組の主役として“語り尽くす”というポイントにおいて、『博士ちゃん』はより子どもをフィーチャーしている。博士ちゃんとなる子どもたちについて、鈴木氏は「マニアックな子が多いのですが、本当はすごくしゃべりたいのに、ふだんは周りに気を使ってあまり話せない。この番組は、そういう子たちが思う存分、思いの丈をぶつけられる場所なんです。たいていの子どもはしゃべりだすと止まらなくなり、時間がいくらあっても足りなくなります」と優しい眼差しを向ける。

 そんな番組の主役たちは、タレントではない一般の子どもたち。毎回、素人がメインになるわけだが、そこへの不安は一切ないという。

「授業ですから、準備が必要。行き当たりばったりではやっていません。何度も打ち合わせを重ねて、完璧な準備をして収録当日を迎えます。本人は緊張していますが、僕らは自信をもって送り出しています。ほどよい緊張感もいい方向にいって、いまのところ不安や怖さはないですね」

 SNSなどからの批判も集まりやすい昨今、バラエティ制作の難しさもあるなか、素人の子どもたちを出演させる番組制作において大事にしていることを聞いた。

「SNSの反応は放送中いつも見ていて、すごく気にしています。番組制作でもっとも気をつけているのは、博士ちゃんである子どもたちが一番輝いているように見せること。彼らを笑うという作りにしてはダメ。子どもたちのすごさを見せれば見せるほど、それがおもしろく見えるんです」

 ウィズコロナの時代に入り、撮影の制約などから、やる気満々の子どもたちにも我慢をしてもらわないといけないことも多々あるという。これからの番組制作については、「正解がない、自分たちで判断していくしかないなか、やれるなかで精一杯努力しています。ロケに出られるようになったら、博士ちゃんといろいろなツアーをやっていきたい。もっと外に出たほうが彼らのよさが出ますし、番組自体の厚みも出ます。勉強に限らずいろいろなジャンルにも手を出していきたいです」と力を込めた。

(文/武井保之)
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