フルーツでも「食物アレルギー」に! 多様化するアレルギー食材を医師が解説

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2020年09月15日 17:00  AERA dot.

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写真※写真はイメージです(写真/Getty Images)
※写真はイメージです(写真/Getty Images)
 アレルギー疾患のなかでも、日常の食に関わる重大なアレルギーが、「食物アレルギー」だ。最近ではフルーツやナッツなど、アレルギーを起こす食材も多様化しており、QOL(生活の質)を良好に保って日常生活を送るためには、アレルギー反応を起こす食物を知っておくことが大切だ。アレルギー専門外来を開設している専門医に、食物アレルギーについて聞いた。

【写真】教えてくれたのは日本医科大学病院皮膚科/准教授/アレルギー専門外来の藤本和久医師

*  *  *
 食物アレルギーとは、ある食品を摂取して、30分から数時間を経た後に、じんましん、腹痛、下痢、くしゃみ、鼻水、せきなどの症状が出た場合に疑うべき疾患だ。

 日本医科大学病院皮膚科でアレルギー専門外来をおこなっている准教授の藤本和久医師は次のように話す。

「食物アレルギーは、すぐ発症する即時型のアレルギー疾患です。食物アレルギーというと卵や小麦、そば、魚介類などを思い浮かべる人が多いと思いますが、近年ではフルーツ、ナッツ、さらに時代を反映して、高級食材、海外からの輸入食材などのアレルギーも増えているのが現状です。中年の女性に増えているというのも特徴です」

 食物アレルギーは、年齢別にみると、乳幼児期は卵、牛乳、小麦が多いが、小児期以降は甲殻類、小麦、果実類が多い。

 食物アレルギーも他のアレルギー疾患同様、原因物質を見つけて正しく診断し、除去することが先決だ。

「口に入れて咀嚼(そしゃく)した瞬間に口の中がかゆくなる、あるいは食後すぐに運動をすると気分が悪くなるなどの症状が出る場合もあります」

 前者は口腔アレルギー症候群といい、特にバラ科の果実(リンゴ、桃、梨、プラム、ビワ、さくらんぼ、いちごなど)が原因となる。

 後者は食物依存性運動誘発アナフィラキシーといい、小麦食品が原因のことが多い。

「バラ科の果実は、花粉症との関連が強いと考えられています。特にハンノキやシラカンバ花粉症の患者さんは、バラ科の果実にもアレルギー症状を示し、他の食物に対してもアレルギーを起こすことが多いです。抗アレルギー薬で花粉症を抑えると、食物アレルギーも症状が軽くなることがあります」

 食物アレルギーのなかでも怖いのは、アナフィラキシーを起こすようなアレルギーだ。

 アナフィラキシーは、かゆみやじんましんなどの皮膚症状や、くしゃみや鼻水、のどが詰まる感じなどの粘膜症状程度の場合もあるが、急に呼吸が苦しくなったり、フラフラして立てなくなったりすることもあり、重症になると死に至る可能性があるので要注意だ。

 食物依存性運動誘発アナフィラキシーは、小麦製品を摂取後、数分から2時間以内に激しい運動をすると、アナフィラキシーを生じてしまう。散歩程度でも症状が表れることもあるため注意が必要だ。

 医療機関を受診してアレルギーの診断を受ける場合、まず血液検査で疑わしい食物に対する特異的IgE抗体を調べる。判定がはっきりしない場合や、より詳しい検査を希望する場合は、疑わしい食品を患者が持参し、食物のエキスのついた針を患者の皮膚に刺して、膨疹や発赤が生じるかを調べるプリックテストをおこなう。1ミリの針を皮膚の真ん中くらいまで刺す検査で、痛みはごくわずかだ。

 この結果、アレルギーと判明したら、その食物は摂取しないようにすることが治療の基本となる。

「ただし、同じ食物でも加熱や発酵させれば食べられる場合もあります。同じ食材でもジュースやジャムにしたら加熱してあるので大丈夫とか、ドライフルーツなら大丈夫ということもあります。卵では、生の卵白、ゆでた卵白、生の卵黄、ゆでた卵黄でも反応に違いがあります。子どもは小児科の専門医の指導のもとで、少しずつ食べさせることで治ることもあり、アレルギーの原因を突き止めるのは一筋縄ではいきません」

 食物依存性運動誘発アナフィラキシーの原因食品は小麦が多いが、日本人ではカニやエビなどの甲殻類が3割を占めている。

 血液検査で、小麦とグルテン、オメガ5グリアジンに対する特異的IgE抗体が陽性の場合は100%小麦アレルギーだ。

 陰性の場合には、プリックテストや負荷試験をおこなう。これらの検査で陽性の場合は、小麦食品を食べた後は2〜3時間運動をしてはいけない。

 また、そばのアレルギーはやっかいな場合が多いという。

「そばは負荷試験もできませんし、からだが慣れることもありません。ごく微量でも反応が出ます。立ち食いそば屋で、うどんを食べたはずなのに、ゆで汁のなかにそばが混入していただけでも発症します。ある患者さんの例では、よく調べたら、食品工場の生産ラインでごく微量のそば粉が混入した食品を食べただけで反応したというケースもあるくらいです」

 食物アレルギーでつらいのは、好きな食品なのに食べられないという場合だ。ただし、口に入れただけで違和感のあるようなものは、口の粘膜が反応しているということなので、食べるのはやめたほうがいいという。

「食品の種類や調理法で食べられる場合もあります。たとえば、エビといっても車エビ、ブラックタイガー、サクラエビ、シャコなどいろいろです。シャコだけ反応が出ないなんていうこともあります。フルーツアレルギーの女性がスイーツを食べられずにつらいと訴えることも多いです。どうすれば食べられる場合があるか、医師と相談してアドバイスをもらうことも大切です」
 
 安全に安心して日常の食生活を楽しむためには、食物アレルギーの疑いがありそうだと感じたら、すぐにアレルギー専門医を受診してほしい。アレルギーを引き起こしている食物を特定して、日常的に食べないようにする、もしくは食べられるような調理法などを身につける、そういった対処法も大切だと藤本医師はアドバイスをくれた。(文・伊波達也)

このニュースに関するつぶやき

  • …鶏に絶対トウキビしか食わせてない玉子っつーのがあったら一個二百円までなら払ってもいい…週1個しか買えないけどね…非現実的だからやらなくていいけどね。
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  • 食べ物でアレルギーは何もないな。すべて美味しく頂ける。これは幸せな事なんだろうなぁ。
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