ホンダF1田辺TDレース後会見:大きな責任を感じて臨んだロシアGP「それぞれが仕事をやり遂げた」と安堵

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2020年09月28日 16:41  AUTOSPORT web

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2020年F1第10戦ロシアGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
2020年F1第10戦ロシアGPでは、ホンダ製パワーユニット(PU)搭載車4台が、全車入賞を果たした。毎レース、抱負を聞かれた際に「4台完走、4台入賞」と言い続けてきた田辺豊治テクニカルディレクターにとっては、昨年5月のモナコGP以来長く待ち続けた結果だった。

 一方でホンダとしては、イタリア2連戦でPU由来のトラブルが立て続けに起き、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)をリタイアさせた後の、名誉挽回のレースでもあった。

「リタイアすること自体がとんでもない話で、それを起こしたことに大きな責任を感じる」と語る田辺TDは、今回4台がトラブルフリーで走り切ったことに、「きっちり仕事をやり遂げてひと安心」と、ホッとしていた。

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──『4台完走、4台入賞』という目標が、今回達成できました。

田辺豊治テクニカルディレクター(以下、田辺TD):はい。ここまで2戦連続してパワーユニット(PU)起因のトラブルが起きたりして、難しいレースが続いていました。ですので今日の結果には、素直に良かったと思っています。

 フェルスタッペンはスタートで出遅れましたが、やはり偶数グリッドは路面が汚れていて不利でしたね。それでもすぐに抜き返して、2番手をキープした。(アレクサンダー)アルボンはギヤボックス交換で15番手スタートになってしまい、渋滞の処理に苦労しました。それでも何とか、ポイント圏内にこぎ着けた。アルファタウリの2台も、レース中は力強い走りをしてくれました。ただ4台入賞と言っても、2、8、9、10位。もうちょっとバラけて10位のなかに入っているといいのですが、それはこれからですね。

──リタイアが続いた後の2位表彰台は、やはり大きな意味を持ちますか。

田辺TD:そもそもリタイアすること自体が、とんでもない話ですから。それを起こしたことに、大きな責任を感じています。4台完走はちゃんとやっていれば当たり前の話とはいえ、なかなか難しい。特にフェルスタッペンはモンツァでもムジェロでもいい戦いができていたはずで、非常に悔しい思いをしたはずです。もちろんホンダもチームも、悔しかった。

 レース後のコメントでフェルスタッペンが、「苦手としているサーキットで、ボッタスの8秒後ろでフィニッシュできたのは大きい」と言っていました。初日はクルマがなかなか決まらず、苦労の末に結果を出せた。そして我々も、トラブルフリーで走り切れた。それぞれがきっちり仕事をやり遂げてひと安心、ホッとしたというところです。

──決勝レースに臨んだ際、イタリアGPのようなことがまた起きるのではないかかという危惧はなかったですか。

田辺TD:前回起きた問題に関しては対策をしてきたので、心配はしていませんでした。ただレースでは何があるかわかりませんし、予期せぬトラブルが発生する可能性もある。ですので気持ち的には、いつも以上にナーバスな気持ちでいました。たとえ前回のようなトラブルはもう起きないとわかっていても、そこは落ち着かなかったですね。

──フェルスタッペンが無線で何度か、「負けているのはストレートだけだ」とか、「ストレートでコンマ6秒負けてる」などと言っていました。ホンダとしては辛いコメントでしたか。

田辺TD:いえ、特に。単なる業務連絡でしたから。

──金曜日には異なるセッティングを試していました。パッケージとしては、ダウンフォースをつけた方がいいようには思えるのですが。

田辺TD:そうですね。ダウンフォースをつけないとラップタイムが出ない、タイヤが持たない傾向がある。その結果ということですね。パワーユニットが勝っているとか一緒だとか、あるいは負けてるだとか(意味がない)。パッケージ全体として我々PU側ができることを、エネルギーマネージメントを含めて、やれることをやってます。

 今季はスペック向上は禁じられていますから、現在あるものでサーキットで最高のパフォーマンスを発揮する。そして将来に向けてはもちろん、いっそうの性能向上を目指す。それが我々の仕事だと思っています。

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